【トヨタ カローラ 新型試乗】全幅1750mm以下のセダンで最も安定性と乗り心地に優れる…渡辺陽一郎

注目は走行安定性と乗り心地

扱いやすさの1.8L、燃費代「半分」のハイブリッド

バランスの良さなら16インチの「S」

トヨタ カローラセダン(1.8Lガソリン)
トヨタ カローラセダン(1.8Lガソリン)全 13 枚

2019年度(2019年4月から2020年3月)の小型/普通車登録台数ランキングでは、『カローラ』が1位になった。この販売実績には、セダン、ツーリング(ワゴン)、スポーツ(5ドアハッチバック)、さらに5ナンバー車となる継続生産型のカローラアクシオ&フィールダーも含まれるが、主力は2019年に発売されたセダン&ツーリングだ。ここではセダンを取り上げる。

注目は走行安定性と乗り心地

トヨタ カローラセダン(1.8Lガソリン)トヨタ カローラセダン(1.8Lガソリン)
3ナンバー車になったが、全長は4495mm、全幅は1745mmだから、今でも小さな部類に入る。カローラよりも幅の狭い国産セダンは、5ナンバーサイズになる『グレイス』、『プレミオ』&『アリオン』、継続生産されるカローラアクシオのみだ。

最小回転半径は、15インチタイヤ装着車が5.0m、16/17インチでも5.3mだから小回り性能は良い。ただし前後のピラー(柱)が寝ているので、斜め前方と斜め後方の視界はあまり良くない。

カローラで注目されるのは走行安定性と乗り心地だ。操舵に対する車両の反応が正確で、ドライバーも一体感を得やすい。上質感も味わえる。カーブを曲がる時には4輪の接地性が優れ、特に後輪が良く踏ん張るから、危険を避ける時も挙動を乱しにくい。乗り心地も粗さを抑えた。全幅が1750mm以下のセダンでは、安定性と乗り心地が最も優れている。

扱いやすさの1.8L、燃費代「半分」のハイブリッド

トヨタ カローラセダン(1.8Lガソリン)トヨタ カローラセダン(1.8Lガソリン)
エンジンは1.8リットルのノーマルタイプとハイブリッド、6速MT専用の1.2リットルターボを用意した。最も扱いやすいのは1.8リットルノーマルエンジンで、実用回転域の駆動力が高いから運転しやすい。

ハイブリッドはWLTCモード燃費が29km/リットル(S&G-X)と良好だ。1.8リットルノーマルエンジンは14.6km/リットルだから、ハイブリッドであれば数値上は燃料代を半額に節約できる。

トヨタ カローラセダン(ハイブリッド)トヨタ カローラセダン(ハイブリッド)
走りと乗り心地は向上したが、後席は5ナンバーサイズのカローラアクシオ&フィールダーよりも窮屈だ。前後席に座る乗員同士の間隔が30mm狭まり、床と座面の間隔も40mm減った。そのために後席は腰が落ち込んで膝の持ち上がる座り方になる。

バランスの良さなら16インチの「S」

実用性も含めると、車両の性格はスポーティセダンに近い。2名以内で乗車するなら高い満足感を味わえる。特に1.8リットルノーマルエンジンを搭載して16インチタイヤを装着する「S」(213万9500円)は、安定性と乗り心地のバランスも良好だ。17インチタイヤの「W×B」は、操舵感が少し機敏になるが、乗り心地も硬めに変わる。

トヨタ カローラセダン(1.8Lガソリン)トヨタ カローラセダン(1.8Lガソリン)

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト
1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

《渡辺陽一郎》

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト 1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

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