BMWが「iPhone」をデジタルキーに、自動車メーカー初 7月生産車から

Appleがワールドワイド・デベロッパー・カンファレンスで発表した新技術

iPhoneの電池残量が低下してもデジタルキーは最大5時間機能

世界45か国で販売される13車種が対象

iPhone用のBMWデジタルキー
iPhone用のBMWデジタルキー全 15 枚

BMWグループ(BMW Group)は6月22日、7月生産車から、Apple の「iPhone」を完全なデジタルキーとして使用できるようにすると発表した。iPhoneをデジタルキーとして利用する最初の自動車メーカーになる、としている。

Appleがワールドワイド・デベロッパー・カンファレンスで発表した新技術

Appleは6月22日、「2020ワールドワイド・デベロッパー・カンファレンス」をデジタル開催した。この2020ワールドワイド・デベロッパー・カンファレンスにおいて、Appleが発表した新たなテクノロジーのひとつが、iPhone用のデジタルキーだ。

iPhone用のデジタルキーを使えば、iPhoneまたはApple Watchで車両のロックを安全に解除し、エンジンをかけることができる。デジタルキーはメッセージを使って簡単に共有できるほか、デバイスを紛失してしまった場合でも、「iCloud」から無効にできる。これは「NFC(近距離無線通信規格)」による機能で、2020年中に利用可能になる予定だ。

またAppleは、空間認識のための超広帯域無線テクノロジーに基づいた次世代のデジタルキーを、2021年に実用化すると発表した。これはU1チップによって実現するもので、ポケットやバッグからiPhoneを取り出さなくても、ロックを解除できるようになる。

iPhoneの電池残量が低下してもデジタルキーは最大5時間機能

iPhone用のBMWデジタルキーでは、iPhoneの画面をタップして、スマートフォンをドアハンドルに近づければ、車両のロックを解除できる。そして、iPhoneを室内の専用トレイに置いて、車両のスタートボタンを押せば、エンジンが始動できる。

デジタルキーのセットアップは、BMWスマートフォンアプリから行える。車両の所有者は、若いドライバー向けに、最高速度やパワー、オーディオ音量などを制限する設定を行うことも可能だ。オプションとして、最大5人の友人とアクセスを共有することもできる。アクセスの管理は、車内や「Apple Wallet」から行うことが可能だ。

新しいデジタルキーには、多くの新機能が導入される。例えば、iPhoneのセキュアエレメント内のストレージ、Apple Walletからのアクセスをはじめ、iPhoneのバッテリー残量が低下しても、車両のキーが最大5時間機能するパワーリザーブ機能、「iMessage」経由で最大5人の友人とアクセスを共有できる機能、Apple Watchとの連携がある。

パワーリザーブ機能は、スマートフォンのOS(オペレーティングシステム)とは別に動作するセキュリティチップを搭載することで可能になった。スマートフォンのバッテリー容量がほとんどなく、スマートフォンが起動できない場合でも、デジタルキーを作動させることができるという。

世界45か国で販売される13車種が対象

BMWグループは、スマートフォンをデジタルキーとして使う取り組みを進めてきた。デジタルキーの標準化は、スマートフォンのユーザーエクスペリエンス、セキュリティなどに貢献するという。AppleとBMWグループは、カー・コネクティビティ・コンソーシアム(CCC)と緊密に連携して、世界標準の確立を推進している。NFC対応のデジタルキー2.0は、2020年5月に発表された。超広帯域無線テクノロジーを使用した次世代のデジタルキーの開発も進められている。

BMWグループは7月1日から生産されるモデルに、iPhone用のデジタルキーを採用する。『1シリーズ』、『2シリーズ』、『3シリーズ』、『4シリーズ』、『5シリーズ』、『6シリーズ』、『8シリーズ』、『X5』、『X6』、『X7』、『X5M』、『X6M』、『Z4』と、世界45か国で販売される13車種が対象になる。該当するiPhoneは、「iPhone XR」、「iPhone XS」以降とApple Watchのシリーズ5以降となる、としている。

《森脇稔》

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