FIA-F2の新人・角田裕毅20歳、第2戦のレース1でポール発進から「悔しい」2位初表彰台

#7 角田裕毅
#7 角田裕毅全 8 枚

F1シュタイアーマルクGPと併催された「FIA-F2選手権」第2戦のレース1(現地11日)で、日本の角田裕毅(つのだ・ゆうき)がポール発進から2位初表彰台を獲得した。20歳の角田は今季がF2初参戦、ホンダ系の若手有望株である。

2000年5月11日生まれ、神奈川県出身の角田は18年に日本のFIA-F4でシリーズチャンピオンとなり、19年からは欧州を主戦場にしている。ホンダの若手育成選手であり、レッドブルのジュニアプログラムにも参画中。昨季(19年)のFIA-F3で優勝を経験するなどし、今季はFIA-F2に参戦することとなった。

FIA-F2(旧名:GP2)はF1直下といっていい位置付けのワンメイクフォーミュラだ(シャシーはダラーラ、エンジンはメカクローム、タイヤはピレリ)。欧州や近隣エリアでのF1と併催されるのが基本である(FIA-F3も同様)。GP2~F2には多くのF1ドライバーを輩出してきた歴史があり、古くはルイス・ハミルトン、最近ではシャルル・ルクレールらがここを巣立っている。

角田(#7 Carlinチーム)は前の週、同じくオーストリア・レッドブルリンクで開催された今季第1戦では金曜のフリー走行でいきなりトップタイムを記録。しかし予選~決勝(2レース制)では目立つ結果を残せなかった。今週の第2戦でも角田は金曜のフリー走行でトップになる。そして今度は予選(同日)でもその座を“キープ”してレース1のポールポジションを獲得してみせた。

雨になった土曜日、レース1はセーフティカー先導でスタートするも一時は赤旗中断で状況回復待ちになるなどドタバタしながらも実施された。開戦後、角田は先頭を走り続けるが、無線のトラブルを抱えており、ピットストップのタイミングが数周、遅れてしまうことに。そして作業にもロスが生じ、実質の首位の座を失ってしまう。

それでも終盤のコース上で順位を挽回。しかしトップ(優勝するロバート・シュワルツマン)のマシンをパスするには至らず、角田は2位に敗れた。

角田裕毅のコメント(ホンダ発表:レース1終了後)
「(F2では)初めての雨のレースでしたが、最初からペースは良く、タイヤマネージメントもうまくいって、後続との差もコントロールできました。レース中盤、そろそろタイヤもきつくなって、ピットインのタイミングかなとは思っていたのですが、無線が壊れていて指示が受け取れませんでした。ピットサインで確認しましたが、数周ピットインが遅れてしまいました」

「ピットインが遅れてしまったことと、作業に少し時間がかかったことでポジションを落としてしまいましたが、コースに戻ってからレース終盤にかけてタイヤマネージメントがうまくできなかったことが一番の反省です。無線が使えなかったこともあり、残り周回数を勘違いしてプッシュし過ぎ、最後までタイヤを保たせることができませんでした(一時は1秒差を切る場面もあったが、最終タイム差は1.5秒)。ブレーキバランスをいじったりして何とか追い上げたのですが、トップの選手のタイヤマネージメントがうまく、追いつくことはできませんでした」

「勝てるレースだったのでとても悔しい気持ちですが、自分にとってもチームにとってもいいステップにはなったと思いますし、自信につながるレースになりました」

2戦目のレース1で初表彰台の2位とはいえ、ポール発進だっただけにやはり悔しさの方が大きいとは思うが、早い段階での初優勝を期待できそうな角田。ある意味では“レッドブル・ホンダ”の若手ともいえる立場なわけで、今季の結果次第で将来の展望も大きく開けるはずだ。さらなる健闘を祈りたい。

(翌12日のレース2は、レース1の上位8台をリバースグリッドにする規則により角田は7番手の位置からスタート。結果はマシントラブルでリタイア)

今季のFIA-F2には松下信治(のぶはる/昨季F2で2勝してシリーズ6位)、佐藤万璃音(まりの)も参戦中で、日本勢は現状3人。また、ミハエル・シューマッハの息子ミック・シューマッハや、ネルソン・ピケの息子ペドロ・ピケ、そしてジャン・アレジと女優の後藤久美子さんの間に生まれたジュリアーノ・アレジら“F1ビッグネーム”も多く参戦している。

《遠藤俊幸》

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