茫然自失の“新型 所沢”…グランエミオの居心地、新旧比較 9月2日全面開業[フォトレポート]

グランエミオ所沢(2020年9月撮影)
グランエミオ所沢(2020年9月撮影)全 41 枚

こんなの、所沢じゃない……。そう思うほど街が生まれ変わった。かつて西武鉄道所沢車両工場が存在したころの所沢駅(埼玉県所沢市)の面影は刷新されて、スタイリッシュな街に変貌した。その中核となる新たなランドマークが、9月2日に全面開業する所沢駅併設商業施設「グランエミオ所沢」だ。

【写真】グランエミオ所沢(全41枚)

まず外観から。所沢駅の南側、南北に走る西武池袋線・新宿線の線路を、駅前で東西に結ぶ唯一の地平道路(踏切)からみてみる。これまであった跨線橋らしき古びた構造物は消え、そこに4層のスタイリッシュな建造物が出現した。

改札内に鉄道ビュースポット

グランエミオ所沢(2020年9月撮影)グランエミオ所沢(2020年9月撮影)
2012年当時の所沢駅2012年当時の所沢駅これがグランエミオ所沢 第2期 部分。2016年から着工し、4年の月日をかけて刷新して出現した所沢駅のメインスポット。事業主は西武鉄道、企画開発・施設管理は西武プロパティーズ、設計は東急設計コンサルタント、施工は西武・前田建設JV。

企画支援・開発支援・商業施設運営は、住友商事・住商アーバン開発。住商アーバン開発にとっては、「駅直結一体型商業モールは初めての事業」という。

まず注目は、ベース階という2階フロアの進化。南北に走る池袋線・新宿線を跨ぐ、2階の橋上コンコースと、その先に続く新改札「南改札」。南改札を抜けて改札内に入ると、目の前に広がるのが屋外デッキ。この屋外デッキからは、駅南側が一望でき、西武秩父線へと続く線路や、所沢止まりの電車が控える電留線がみえる。

西武鉄道沿線初出店・所沢市内初出店いろいろ

グランエミオ所沢(2020年9月撮影)グランエミオ所沢(2020年9月撮影)グランエミオ所沢(2020年9月撮影)グランエミオ所沢(2020年9月撮影)この南改札と屋外デッキの間には、ホテルのロビーにも似た空間「とことこひろば」。子育て世代にむけたおむつ替えコーナーや授乳室、パウダールームを一体化した空間で、改札内でも焦らずゆっくりと自分時間を過ごせるつくりに。

改札階の2階から3階へと上がると、まず目に飛び込んでくるのが、TSUTAYA BOOKSTORE。「所沢駅周辺に頼れる書店がなかった」という声に応えた大型スペースで、カフェも併設する。

1~3階を歩いていると、ここが駅ナカであることを忘れてしまうほど、モダンな商業モールにいる気分。1971年創業の老舗中国料理店「北京飯店」をはじめ、伝統的な韓国家庭料理と厳選黒毛和牛の「焼肉名菜 福寿」、ボリュームあるパンケーキのハワイアンフード「Eggs'n Things Coffee」なども入る。

また、ISETAN MiRROR Make & Cosmetics(コスメ)、UNITED ARROWS green label relaxing(メンズ・レディス・キッズ)、ハンズ ビー(生活雑貨) 、L’OCCITANE(コスメ)、3COINS(生活雑貨)、KEYUCA(生活雑貨・カーテン)、リンツ ショコラ ブティック(チョコレート)といった、西武鉄道沿線初出店・所沢市内初出店のショップも軒を連ねる。

西武ライオンズカフェバーや歴代レール展示空間も

グランエミオ所沢(2020年9月撮影)グランエミオ所沢(2020年9月撮影)グランエミオ所沢(2020年9月撮影)グランエミオ所沢(2020年9月撮影)3階フロアにはまだ注目するスポットがある。ひとつは、所沢を本拠地とするあのプロ野球チーム 埼玉西武ライオンズ の球場の雰囲気をそのまま駅ナカに持ち込んだ「LIONS DINER BIGFLAG」(ライオンズダイナー ビッグフラッグ)。

その名のとおり、ライオンズ一色に染まるダイニング空間で、大型ビジョンで試合をみながら飲む・食べる・語るが駅ナカで実現する。個室ダイニングも、パーティーやミーティング、打ち合わせと、いろいろ使える感じ。

もうひとつは3階 屋上庭園 芝生広場。誰でも入れるこの屋上庭園には、レールや枕木、レール支柱がある。床に敷かれたレールや車止めは、もともと所沢駅にあったもの。緑色に塗られたレール支柱は、2011年まで所沢駅にあったアメリカ カンブリア アイアン製。

「1917」と刻まれているとおり、1917年につくられたもので、東清鉄道の軌道に敷かれていたレール。1903年開通の東清鉄道は、ロシア内陸のチタと日本海側のウラジオストクを結ぶシベリア鉄道の短絡線として存在した。

鉄道事業を支える重要な拠点、所沢のダイナミズム

2012年当時の所沢 西武鉄道所沢工場跡地があったころ2012年当時の所沢駅。元所沢工場の建物や線路がまだあったころ「所沢は鉄道事業を支える重要な拠点だった。1946(昭和21)年、駅の南西に所沢工場を設立。西武鉄道では1970年代の終りまで、新製車両はすべてこの所沢車両工場でつくるという、ほかの鉄道事業者ではみられない独特の車両増備がこの地で行われていた」(西武鉄道)

再び地上階へ戻って、少し所沢駅を離れてみてみると、その変貌に大げさにいうと“茫然自失”。駅の西側にあった西武鉄道 所沢車両工場は、その面影をいっさい消した。自社車両製造拠点だった所沢工場の跡地を含む西口エリアも、再開発計画の準備がすすむ。

池袋線と新宿線が反対方向で接するユニークな駅、所沢。そのダイナミズムを感じる中核拠点、グランエミオ所沢は9月2日に全面開業する。

《レスポンス編集部》

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