【INDYCAR 第11戦】新進気鋭のコルトン・ハータが今季初勝利…琢磨は連日の苦戦、シリーズランキング7位に後退

今季初優勝を飾った#88 コルトン・ハータ。
今季初優勝を飾った#88 コルトン・ハータ。全 8 枚

NTTインディカー・シリーズ第11戦「ミッドオハイオ Race 2」が現地13日に行なわれ、若手コルトン・ハータが今季初優勝を成し遂げた。佐藤琢磨は前日の同地第10戦に続き苦戦、決勝18位に終わり、シリーズランキングで4位から7位に後退している。

米オハイオ州のロードコース「ミッドオハイオ」でのダブルヘッダー2戦目(シリーズ第11戦)、ウエットコンディションの予選でポールポジションを獲得したのは若手実力派のコルトン・ハータ(#88 Andretti Harding Steinbrenner Autosport/ホンダ)だった。佐藤琢磨(#30 Rahal Letterman Lanigan Racing/ホンダ)は22位。

前日のRace 1(シリーズ第10戦)はアクシデント等によるフルコースイエローコーションが1度もないレース展開だったが、この日のRace 2(決勝はドライコンディション)は1周目から上位で接触アクシデントがあってフルコースイエローとなるなど、波乱めいていく雰囲気も感じさせながら始まった。

しかしながら、前日よりはまだ動きもある展開になったものの、レーストータルで考えればこの日も流れはおとなしめで、ポール発進者の実質的な支配は終始、やはり崩れなかったといっていい。ハータは75周のうち計57周をトップで走り、堂々たる内容で今季初優勝を飾った。

今季初優勝を飾った#88 コルトン・ハータ。今季初優勝を飾った#88 コルトン・ハータ。

昨年、シリーズ最年少優勝を含む2勝をあげていたハータは通算3勝目。現在20歳の若武者は「(今季も)ずっとスピードは出ていて、勝利の扉をほぼ毎週末ノックしてきた。でも、なんらかの理由で何かがうまくいかないということばかりだったんだ。それが今日、すべてがうまくいったよ」と、昨季最終戦以来の勝利を喜んでいる。

決勝2~5位は以下の通り。ホンダ勢がトップ5を独占した。

今季初優勝を飾った#88 コルトン・ハータ。今季初優勝を飾った#88 コルトン・ハータ。

2位 アレクサンダー・ロッシ(#27 Andretti Autosport)
3位 ライアン・ハンターレイ(#28 Andretti Autosport)
4位 グレアム・レイホール(#15 Rahal Letterman Lanigan Racing)
5位 マーカス・エリクソン(#8 Chip Ganassi Racing)

シボレーエンジン車の最先着は6位のシモン・パジェノー(#22 Team Penske)。ペンスキー(Penske)勢が6~8位を占め、前日優勝のウィル・パワー(#12)は7位だった。

決勝2位の#27 ロッシ。決勝2位の#27 ロッシ。

このレース、上位が15周目を走っている頃にコースオフしたマシンがあり、ここで2度目のフルコースイエローが出ると見込んだか(実際に出る)、多くのマシンがピットクローズとなる前にピットストップ敢行へと動いた。琢磨はステイアウト策を採り、暫定のトップに立つ。そして16周に渡り首位走行を続けた。これは今回、ハータに次ぐ2番目に多いラップリード数となったが、最終的には18位フィニッシュ、レース展開が変わることはなかった。

#30 佐藤琢磨のコメント
「(15~16周目の局面で)みんながピットインしましたから、そこでコース上に留まる作戦を採用し、何かトライができる状況にはなりました。しばらくの間レースをリードし、5秒ほどの差を2番手以下につけることもできました。しかし、残念ながらレース中盤からはトラフィックに引っかかってばかりでしたね」

決勝3位の#28 ハンターレイ。決勝3位の#28 ハンターレイ。

「結局、ゴールのときには(ほとんど)元のポジションに戻っていました。悔しい結果となりましたが、我々は今回のような作戦にトライする必要があったと思います。厳しい週末でした」

前日の時点ではなんとかシリーズランキング4位を守っていた琢磨、しかしこの日の第11戦を終わった段階で7位まで後退してしまった。本人も言うようにミッドオハイオ連戦は厳しい週末(17位と18位)だったが、もう一度シリーズランキングを上げていってほしいところである。ランク3位のパトリシオ・オワード(#5 Arrow McLaren SP/シボレー=今回9位)とは38点差(338対300、あいだに3人)。現状の予定で残り3戦、優勝50点が基本のインディカーではこれは決定的な差ではない。

決勝2位のロッシ(右)と3位のハンターレイ(左)。決勝2位のロッシ(右)と3位のハンターレイ(左)。

チャンピオン争いでは、シリーズ首位を快走してきたスコット・ディクソン(#9 Chip Ganassi Racing/ホンダ)が第11戦では“らしくない”スピンシーンもあるなどしたが、それでも10位でフィニッシュ。追うランク2位のジョセフ・ニューガーデン(#1 Team Penske/シボレー)が8位だったため、あまり点差は詰まらなかった。456対384で、72点差である。依然、ディクソンが優勢だ。

あくまで現状のスケジュールにおいてだが、今季のインディカーも残すは2大会3レース。次大会のステージにはインディアナポリス・モーター・スピードウェイのロードコースが第2戦以来の“再登板”というかたちになり、ダブルヘッダーで現地10月2日(第12戦)、3日(第13戦)に開催される予定となっている。

ポイント首位の#9 ディクソンは、前日に続き決勝10位。ポイント首位の#9 ディクソンは、前日に続き決勝10位。

《遠藤俊幸》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 【トヨタ GRカローラ 新型試乗】「GRヤリス」とはスタンスが明確に違う理由…河村康彦
  2. 『N-BOXカスタム』用パーツが一挙発売、ブリッツからエアクリーナーシリーズ4種類・5製品が発売
  3. [音響機材・チョイスの勘どころ]サブウーファー「小型・薄型モデル」の選択のキモは、“サイズ”と“音”と“価格”!
  4. アルピナ『B3』が2度目のフェイスリフトへ! リムジン&ツーリングをWスクープ
  5. ランボルギーニ、新型車を間もなく発表へ…電動『ウルス』の可能性も
  6. トヨタ『スターレット』復活! 2026年デビューか?
  7. アントレックスが折りたたみ電動スクーター『MK114』発売へ、軽自動車にも積載可能
  8. 三菱『エクリプス クロスPHEV』は、新しい毎日に踏み出せる「今の時代、最強の1台」だPR
  9. トヨタ『ハリアー』が今夏ビッグマイチェン!? 「ハンマーヘッド」デザイン採用か
  10. その差は歴然!? 見た目は同じでもカロッツェリア・サイバーナビ AVIC-CQ912 ll → lll の進化は凄かった
ランキングをもっと見る