アルプスアルパインがB向けナビアプリ「SmartX」を発表…MaaS・CASE時代のナビメーカー戦略

ALPINE SmartX発表
ALPINE SmartX発表全 4 枚

30日、アルプスアルパインはスマートフォンやタブレットに利用できるナビアプリ「ALPINE SmartX」の開発を発表した。10月1日より交通事業者・中古車流通・物流MaaS事業者向けに販売を開始する。

【画像全4枚】

非装着だと「え、ナビついてないの」が自然な反応になるくらい、MaaSやCASEなど騒がれる前から当たり前だったカーナビ。しかし、ポータブルカーナビやGoogleマップのような無料サービス、アプリに押され、据え置き型のカーナビには逆風が吹く。完成車メーカーもマルチファンクションディスプレイのコックピットやディスプレイオーディオのラインナップを広げつつあり、その居場所はますます狭くなっている。

とはいえ、ポータブルタイプや地図アプリ系ナビも万能ではない。ハードウェアやサイズの制限からくる使い勝手。ルートアルゴリズムが自動車専用でないこと。GPSの測位品質。長年のノウハウが集約された専用機カーナビの優位性は依然としてゆるぎないものもある。

レンタルやシェアリング、配車サービスなどMaaS事業者では、カーナビの利用者がスタッフ、遠隔オペレータ、ドライバー、同乗者など複数のパターンが考えられる。配車システム、運行管理システム、決済システム、スマートロックシステムとの連携もあり、市販ナビや汎用アプリでは対応しにくく、コックピットがデバイスやディスプレイだらけになることもある。

SmartXは、カーナビビジネスの新しいモデルの確立とMaaS事業者のニーズに対応するために開発された。具体的にはレンタカー事業者、タクシー関連会社、交通系サービス事業者などが主なターゲットとなるナビアプリケーションだ。これらの中には、シェアリングや配車サービス向けのシステム構築や車載器のベンダーも含まれる。

アルプスアルパインとしても、SmartXはソフトウェアパッケージとしての販売より、専用タブレットやSIM、クラウド上の地図・施設情報のサービスを含めたソリューションとしての提供をメインとするしている。必要ならばカスタマイズやシステム構築への対応も可能だ。

機能面では、同社のナビ技術のノウハウが投入されたルートガイドの品質と使い勝手良さをベースに、ポータブルナビやスマホアプリとの差別化を図っている。タクシー事業者やレンタカー利用を意識しているため、100メートルスケールで、一時停止や侵入禁止を細かく表示できる。ルートガイドでは、案内ポイントまでを残りの距離ではなく信号の数で案内する(「3つ目の信号を右折」という案内)ビッグXシリーズの「カウントダウンガイダンス」もサポートする。

SmartXは、AndroidOSのアプリとして開発されている。通信型ナビとして、道路情報の他、駐車場の満空情報も確認できる。地図更新は2か月に1回の頻度で全更新が行われる。地点データも適宜行われ、最新施設がオープン当日から案内可能になるように工夫しているという。例えば7月に神奈川県 川崎駅前にオープンした「カワスイ(川崎水族館)」も検索できるそうだ。

SmartXは、ナビをハードウェア、クラウドサービスのどちらか一方に寄せて考えるのではなく、B向けのソリューションとして提供するものだ。そのため、据え置き型ナビの案内精度・測位精度と通信型ナビ・地図アプリナビの情報機能をうまく両立させたといっていいだろう。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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