スズキの欧州部門は11月10日、新型ワゴンの『スウェイス』(Suzuki Swace)を11月中に欧州市場で発売すると発表した。トヨタ『カローラ・ツーリングスポーツ』(欧州向け『カローラ・ツーリング』)のOEMだ。
スズキとトヨタは2017年2月、業務提携に向けた覚書を締結した。両車の業務提携の内容のひとつが、トヨタの電動化技術や電動車のスズキへの供給と、スズキの強みである小型車や小型パワートレインのトヨタへの供給だ。
両社の業務提携の具体的成果として、欧州市場でトヨタはカローラ・ツーリングスポーツをスズキにOEM供給し、スズキはスウェイスの車名で、欧州市場で販売する。なお、今回のOEM供給は、トヨタが『RAV4 PHV』をスズキにOEM供給し、スズキは『アクロス』の車名で、欧州市場で販売することに続くものだ。
パワートレインは1.8リットルのハイブリッド
スズキ・スウェイス欧州向けのカローラ・ツーリングスポーツのパワートレインには、1.8リットルと2.0リットルの2種類のハイブリッドが設定されるのが特長だ。
一方、スウェイスのハイブリッドは、1.8リットルのみとなる。1.8リットルのハイブリッドは、1.8リットル直列4気筒ガソリンエンジン(最大出力102ps/5200rpm)に、モーター(最大出力72ps、最大トルク16.6kgm)を組み合わせたものだ。システム全体のパワーは122ps。トランスミッションはCVTで、0~100km/h加速11.1秒、最高速180km/hの性能を発揮する。
スズキ・スウェイス1.8リットルエンジンは、摩擦低減対策、より大容量のEGR(排気ガス再循環)システム、熱管理の最適化などの改良を実施した。出力や静粛性に影響を与えることなく、トヨタの「GA-C」プラットフォームに適合するように小型軽量化された。また、バッテリー(二次電池)は、蓄電容量3.6kWhのリチウムイオンとし、燃費のさらなる向上を目指している。欧州市場で重視されるCO2排出量は、99g/km(WLTP計測)に抑えられた。複合モード燃費は22.7km/リットル(WLTP計測)とした。
3種類の走行モード
スズキ・スウェイススウェイスには、「NORMAL」、「ECO」、「SPORT」の3種類の走行モードが用意される。NORMALモードは、乗り心地、走行安定性、燃費の最適なバランスを提供し、通常の運転に適したモードだ。
ECOモードは、環境に優しい方法で加速し、より緩やかなスロットルレスポンスとしているのが特長だ。エアコンの使用を最小限に抑え、燃費を向上させる。このモードは、ストップ&ゴーの多い都市走行に適している。
スズキ・スウェイスSPORTモードは、ハイブリッドシステムを制御して、素早く強力な加速を可能にする。ワインディングロードなどで、俊敏なレスポンスが必要な場合に適しているという
専用デザインのフロントマスク
スズキ・スウェイススウェイスのエクステリアは、カローラ・ツーリングスポーツから一部変更された。フロントは、グリルに配されていたトヨタエンブレムをなくし、その上方のボンネット先端に、スズキのエンブレムを装着する。
フロントバンパーも専用デザインとした。バンパーグリルは3分割として、カローラ・ツーリングスポーツとの違いを強調している。
スズキ・スウェイス大容量の596リットルのラゲッジコンパートメントは、さまざまな荷物やレクリエーションアイテムを積むのに充分なスペースを持つ。後席を折りたためば、最大1606リットルに拡大する。
カーペット敷きのフロア板は、高さ調整が可能だ。また、汚れたアイテムを積む時には、フロア板を裏返して、表面が樹脂側に積載できる。レバーを使用して後席を折りたためば、完全にフラットなスペースに拡大する。ワンタッチで格納できる取り外し式トノーカバーを採用した。トランクルームには、自動ライトとDC12Vアクセサリーソケットが装備されている。
スズキは1月28日、新型ワゴンの『スウェイス』(Suzuki Swace)を欧州市場で発売した。トヨタ『カローラ・ツーリングスポーツ』(欧州……