フェラーリ初のPHV、『SF90』にスパイダー発表…1000馬力のオープンカー[動画]

フェラーリ SF90 スパイダー
フェラーリ SF90 スパイダー全 8 枚

フェラーリは11月12日、『SF90スパイダー』(Ferrari SF90 Spider)をデジタルワールドプレミアした。『SF90ストラダーレ』のオープン版となる。

フェラーリ創立90周年の2019年に発表されたのが、SF90ストラダーレだ。パワートレインは、フェラーリ初のプラグインハイブリッド(PHV)になる。SF90スパイダーにも、同じPHVパワートレインが搭載される。

0~100km/h加速2.5秒で最高速340km/h

PHVパワートレインは、エンジンに3個の電動モーター組み合わせたものだ。3個のモーターのうちの2個は、フロントアクスルの左右に独立して配置される。残る1個は、ミッドシップのエンジンとギアボックスの間にレイアウトされる。

排気量3990ccの直噴V型8気筒ガソリンターボエンジンは、最大出力780hp/7500rpm、最大トルク81.6kgm/6000rpmを発生する。3個のモーターは、最大出力220hpを獲得。エンジンとモーターを合わせたPHVシステム全体では、1000hpのパワーを引き出す。

乾燥重量は1670kg。トランスミッションは8速デュアルクラッチで、駆動方式は4WDだ。SF90スパイダーは、0~100km/h加速2.5秒、最高速340km/hと、SF90ストラダーレと同じパフォーマンスを実現している。

バッテリー(二次電池)は、蓄電容量7.9kWh。「eDrive」モードでは、最大25kmをゼロエミッション走行できる。このEVモード時の最高速は、135km/hとした。

電動リトラクタブルハードトップ

SF90スパイダーには、電動リトラクタブルハードトップが採用された。リトラクタブルハードトップは、ノイズを遮断して風雨から守り、高速走行中も変形することなく、快適な車内空間を実現する。軽量コンパクトでシンプルな設計のため、14秒で開閉し、走行中でも開閉できる。

フェラーリのリトラクタブルハードトップは、2011年の『458スパイダー』で初登場して以来、進化を続けてきた。格納スペースを、100リットルとコンパクトに抑えているのが特長だ。素材はアルミ製で、一般的なリトラクタブルハードトップよりも、約40kg軽量という。調整可能な電動リアウィンドウも採用している。

SF90スパイダーは、SF90ストラダーレに対して、車両の表面の造形を見直し、トノカバーをクーペのピラーと滑らかに融合させて、オリジナルのスタイリングテーマを継承した。助手席側のヘッドレスト後方のバットレスは、フェラーリのスパイダーの特長だが、ボディパネルの下の構造部から隆起してきたかのように調和させているという。

また、ルーフを収める容量があるにもかかわらず、リアウィンドウを通して、エンジンが見えるようにした。V8エンジンはリトラクタブルハードトップの展開時も格納時も、その姿をはっきりと見ることができるという。

最新のF1のノウハウをエアロダイナミクスに反映

SF90スパイダーでは、最新のF1のノウハウを導入して、エアロダイナミクス性能を追求する。後部のダウンフォースをバランスさせるために、車体前方には「ボルテックスジェネレータ」を採用した。シャシーの前部は、ボルテックスジェネレータが配置されている中央部分に比べて15mm引き上げられ、取り込む空気の量とそれによる効果を強化している。

フロントバンパーは2分割で、それぞれがウィングとして機能する。上部とボンネットの間には明確な凹みがあり、気流を局所的に圧縮。この部分は、フロントホイール前方の2つのディフューザーとともに機能し、フロントアクスルへのダウンフォースの発生に貢献する。

フェラーリが特許を取得した前方がウエッジシェイプの可動コンポーネント、「シャットオフ・ガーニー」を採用する。都市部や最高速での走行時には、2つの部分がエンジンカバーの上に揃えて吊り下げられ、可動ウェッジが固定エレメントへの効率的なフェアリングとして機能し、シャットオフ・ガーニーの上下に空気を流す。コーナーでの走行、ブレーキング、急激な方向転換など、大きなダウンフォース条件では、可動エレメントが一対の電動アクチュエータによって下降し、下側の吹き出し部分を閉じ、固定エレメントを露出させる。

デジタルコックピットを採用

SF90スパイダーには、デジタルコックピットが採用された。中央のインストルメントクラスターは、ひとつの16インチデジタルHD画面となっており、視認性を高めるために、ドライバーに向かって湾曲したデザインだ。エンジンとモーターがオフ状態となると、インストルメントは黒に変わる。フェラーリの伝統に従って、画面の中央には、大きな円形レブカウンターが配置された。レブカウンターの両端には、ナビゲーション画面とオーディオコントロールが設置されている。

新しいタッチコントロールを導入した。右スポークのパッドは、センタークラスター画面用だ。左スポークには、音声とクルーズコントロールの操作システムが配置される。クルーズコントロール用の回転式スイッチは、F1から直接導入されたものだ。

また、ステアリングホイールに装備されたエレクトロニック・ビークルダイナミクス・モードセレクター、「eManettino」(eマネッティーノ)で、ドライバーは、4つの異なるパワーユニット制御モードが選択できる、としている。

《森脇稔》

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