赤羽一嘉国土交通大臣は1月29日に開かれた会見で、JR北海道への支援の一環として行なわれる観光列車の導入について、記者の質問に答えた。
赤羽大臣は、1月23日にリモート形式で「第2回北海道の鉄道ネットワークに関する関係者会議」に参加。鈴木直道北海道知事や島田修JR北海道社長らと意見交換を行ない、JR北海道への新たな支援策として、国と地域が協力して第3セクターを活用した観光列車の導入を行なうことで意見が一致したという。
会見では北海道を「広大な自然の中で、魅力的な観光資源が随分豊富でありますし、将来、観光立国を進めていく上で、北海道というのは大変大きな柱の地域になるということは間違いありません」と述べ、北海道を「宝」と表現。その上で、「黄線区(※)も、観光客にとってみれば非常に魅力のある鉄道網ですし、私も釧路から釧網線に乗って、こういう所がまだ日本にあったのかと思うような、もう少し長期で滞在したいなと」と、実際に訪れた際の感想を語った。
その観光を活かすべく、国としても地域と一体となって動く必要性があるとしており、具体的には、北海道の第3セクターである「北海道高速鉄道開発」を活用して観光列車の導入を進めるとしている。
札幌~釧路間の高速化を目指して1994年1月に設立された「道東高速鉄道開発」を前身に持つ北海道高速鉄道開発は、JR北海道や北海道などの沿線自治体が出資しており、2000年3月のダイヤ改正を機に行なわれた宗谷本線旭川~名寄間の高速化工事に着手する際に同名の組織に改組されていた。
札幌~釧路間の高速化では、改良した地上設備をJR北海道へ貸し付ける形となっているが、旭川~名寄間では地上設備のほかに、車両として、現在、特急『宗谷』や『サロベツ』に運用しているキハ261系特急型気動車0番台も貸し付けており、今回の観光列車支援はその前例に則ったものと推察される。
※黄線区=JR北海道が単独で維持するのが困難な線区のうち、鉄道を維持する仕組みについて地域の関係者と相談を始める予定の線区。JR北海道が発表した資料で黄色で引かれたことから。