新連載[カーオーディオユニットの選び方]スピーカー…3タイプに分けられる

セパレート2ウェイスピーカーの一例(モレル・マキシマス 602 V2)。
セパレート2ウェイスピーカーの一例(モレル・マキシマス 602 V2)。全 3 枚

カーオーディオの楽しみどころはさまざまあるが、「製品選び」もまた、楽しむべきポイントの1つだ。当シリーズ連載では、そこのところを満喫していただくためのガイドとなるような情報を、毎回テーマを絞ってお届けしていく。

【画像全3枚】

スピーカーは仕様違いで3タイプに分けられる!

まずは、肝心要のユニット、スピーカーの選び方を解説していく。

最初に、カー用のスピーカーにはタイプ違いがあることから説明していこう。タイプの分け方はさまざまあるが、仕様違いによって以下の3タイプに分類できる。「セパレート2ウェイ」、「セパレート3ウェイ」、「コアキシャル」、この3つだ。

1つ目と2つ目では、スピーカーユニットの数が異なる。「セパレート2ウェイ」は、片側のスピーカーが高音再生のスペシャリストである「ツイーター」と中低音の再生を担当する「ミッドウーファー」との2つで構成され、「セパレート3ウェイ」はそれに中音再生を担当する「ミッドレンジ(スコーカー)」が加わる。

なおこれらは「マルチウェイスピーカー」とひとくくりにされることもある。そしてその対義語は「フルレンジスピーカー」だ。

ちなみに言うと、実のところは「フルレンジスピーカー」がスピーカーの理想形だ。1つのユニットで片側chの高音から低音までをスムーズにバランス良く再生できれば、それがベストだ。音の出どころが一箇所となり、各スピーカーユニット間の音の繋がりを整える作業も必要ない。もろもろがシンプルだ。

しかし実際は良好に全帯域を再生可能な「フルレンジ」スピーカーを作るのは難しい。なぜなら、スピーカーは大きくなるほど低音の再生能力が上がるが高音の再生能力は落ちていく。なので、口径の異なるユニットを複数用意して役割分担をさせた方が、より高音質な再生が行える。で、それを2種類のスピーカーユニットで行うのが「セパレート2ウェイ」で、3種類のユニットで行うのが「セパレート3ウェイ」、というわけだ。

セパレート3ウェイスピーカーの一例(DLS・UPi36)。

スタンダードなのは「2ウェイ」。「3ウェイ」は上級者向き!

なお「2ウェイ」と「3ウェイ」では、用いられる頻度が大きく異なる。カーオーディオでは「2ウェイ」が選ばれることの方が多いのだ。結果、各メーカーも「2ウェイ」を多くラインナップすることとなり、選択肢も「2ウェイ」の方が一段と多くなっている。ただ、中級グレード以上のモデルにおいては「3ウェイ」の設定も増えてくる。つまり「3ウェイ」は、上級者向きのアイテムという色彩が濃い。

実際、「3ウェイ」の方が導入のハードルが高い。どのようにハードルが高いのかというと、まずコストが掛かりがちだ。ユニットの数が増える分、製品代は高額化し取り付けの手間も増えるのでインストール費用もかさんでくる。そして、コントロールも難しい。ケアすべき事項が増えるので、サウンドチューニングがより難しくなる。極論を言えば、失敗するリスクも高まるわけだ。

だが上手く運用できたときには、「3ウェイ」は音的なアドバンテージを発揮する。主要な楽器の音が多く含まれる中音を分厚く再生できるし、「ミッドウーファー」の負担も減らせるので低音の再生力も上がる。さらには中音再生を行うスピーカーを高い位置に取り付けられることも利点となる。そうすることで、中音の情報量をより多く得られやすくなる。

とはいえ、「2ウェイ」にもメリットがある。システムが大掛かりになりにくく、製品と取り付けの両面でもコストが掛かりにくい。音的にも、ユニットが少ない分コントロールがしやすくサウンドをまとめやすい。絶対的に「2ウェイ」が不利、ということはない。

というわけなので、初めてスピーカー交換に臨もうという場合には特に、「2ウェイ」を選択した方が無難だ。そしてその「2ウェイ」に限界を感じるようになったときに、「3ウェイ」の導入を検討すれば良いだろう。「3ウェイ」は、「いつかは挑戦してみたい目標の1つ」、そんな存在だと思っておこう。後から興味が沸いたときにトライをしても、遅くない。

コアキシャルスピーカーの一例(フォーカル・EC 165 K)。

「コアキシャル」にもメリットはいくつかある。しかし人気なのは…。

続いては、もう1つの「コアキシャル」について説明していく。なお「コアキシャル」という言葉の意味は“同軸の”、だ。つまり「コアキシャル」スピーカーは、ミッドウーファーの“同軸上に”ツイーターが取り付けられた状態で完成されている。なので「コアキシャル」スピーカーも実際は「マルチウェイ」スピーカーだ。ちなみに言うと、「ミッドウーファー」の同軸上に「ツイーター」と「スーパーツイーター」の2つが取り付けられた「3ウェイ」仕様の「コアキシャル」スピーカーもある。

また「コアキシャルは、「フルレンジ」と呼ばれることもある。実際は「マルチウェイ」だが、音の出どころは1箇所で、取り付けも片側につき1つのユニットを装着すれば完了できる。つまり、運用上は「フルレンジスピーカー」として扱える。

このように「コアキシャル」スピーカーは扱いやすく、かつ音のまとまりも良い。というわけでこれにはこれのメリットがあるのだが、しかし、人気が高いのは「セパレート2ウェイ」の方だ。

そうである最大の理由は、「サウンドステージを高い位置に展開させやすいから」だ。“セパレート”だと「ツイーター」を高い位置に取り付けられる。そしてチューニングが上手くいけば、中低音も高音に引き上げられるような効果が得られサウンド全体が目の前から聴こえてくる。対して「コアキシャル」では、低音から高音までが低い位置から発せられることとなるので音像を高い位置に上げにくい。この点において「セパレート2ウェイ」は使いやすいのだ。

また、製品ラインナップも「セパレート2ウェイ」の方が多い。多くの製品の中から気に入ったものを選ぼうと思ったときにも、「セパレート2ウェイ」に利が出てくる。

今回は以上だ。次回もスピーカー選びの指針となるような情報を紹介していく。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

連載「カーオーディオユニットの選び方」詳細解説! Part1「スピーカー編」 その1「タイプ違い」について

《太田祥三》

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