アストンマーティンもF1にセーフティカー供給、メルセデスAMGと2メーカー体制に…535馬力のヴァンテージ

アストンマーティンとメルセデスAMGの提携が関係

4.0リットルV型8気筒ツインターボエンジンを強化

200km/h走行時にプラス60kgの155.6kgのダウンフォース

F1セーフティカーの専用装備

アストンマーティン・ヴァンテージ のF1セーフティカー
アストンマーティン・ヴァンテージ のF1セーフティカー全 11 枚

アストンマーティンは3月8日、『ヴァンテージ』(Aston Martin Vantage)が2021年シーズンのF1の公式セーフティカーに起用されると発表した。2021年シーズンはアストンマーティンと従来からのメルセデスAMGの2つのメーカーが、公式セーフティカーを供給する。

写真:アストンマーティン・ヴァンテージ のF1セーフティカー

アストンマーティンとメルセデスAMGの提携が関係

これは1960年以来、およそ60年ぶりにアストンマーティンがF1に参戦することと、アストンマーティンが、テクノロジーをはじめとする幅広い提携をメルセデスAMGと結んでいることと関係がある。例えば、ヴァンテージのV8ツインターボエンジは、メルセデスAMGが供給している。

メルセデスベンツとアストンマーティンは2013年、メルセデスAMGのV8エンジンの供給と、電動アーキテクチャ部品の供給を柱とした戦略的提携を締結した。同時に、メルセデスベンツはアストンマーティンに出資し、全株式の5%を取得した。2018年にアストンマーティンはIPOを実施。メルセデスベンツは現在、アストンマーティンの全株式の2.6%を保有している。

両社は2020年秋、提携を強化した。これにより、メルセデスベンツの次世代ハイブリッドや電動パワートレイン、その他の車両コンポーネントやシステムなどの最新技術を、アストンマーティンが利用することが可能になった。また、メルセデスベンツは今後3年間に、アストンマーティンへの出資比率を段階的に引き上げる。アストンマーティンが発行する新株を取得し、アストンマーティンへ出資比率を、現在の2.6%から20%を上限に増やしていく。

4.0リットルV型8気筒ツインターボエンジンを強化

アストンマーティンのトビアス・ムアースCEOは、メルセデスAMG出身だ。同CEOは、ヴァンテージのF1セーフティカーのサーキットパフォーマンスとラップタイムの向上に焦点を当てて、ヴァンテージの性能を強化することをエンジニアリングチームに任せた。

その結果、4.0リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンは、最大出力が510psから535psへ、25ps引き上げられた。69.8kgmの最大トルクは変わらないが、ピークトルクをより長く維持する設定とした。動力性能は、0~96km/hを3.5秒で駆け抜ける。

このエンジンをフロントに低く、なるべく後方に寄せて搭載することで、車両の重心を下げると同時に、50対50の理想的な前後重量配分を追求した。トランスミッションを改良したことで、アップシフト時、ダウンシフト時の両方でダイレクト感、精度およびコントロール性能が向上しているという。

200km/h走行時にプラス60kgの155.6kgのダウンフォース

エアロダイナミクスの面では、ベーングリルに新しいフロントリップスポイラーを組み合わせることで、200km /h走行時に155.6kgのダウンフォースを発生する。これは、市販モデルのヴァンテージよりも60kg以上大きい。

サスペンション、ステアリング、ダンパーのチューニングも変更され、フロントの構造剛性を高めるために、アンダーボディブレースの変更が行われた。エアロキットとロープロファイルタイヤも採用されている。エンジンの冷却性を高めるために、ボンネットにはダクトが追加された。

ブレーキは、市販モデルのヴァンテージに用意されるカーボンセラミックが装備された。フロントグリル内には、ブレーキダクトが追加されている。

F1セーフティカーの専用装備

ボディカラーは、特別に開発された新色、「2021アストンマーティンレーシンググリーン」だ。アストンマーティンのF1マシンを連想させる。ライムエッセンスのピンストライプが、フロントリップスポイラーに配される。LEDライトバー、無線アンテナ、LEDリアナンバープレートも装備されている。リアのナンバープレートには、LED照明によって「セーフティカー」と表示され、気象条件を問わず、後方の車両から識別できるようにした。リアカメラもライトバーに固定されており、ライブ映像をキャビン内のバックミラーに送信し、助手席からも後方をモニターできるようにした。

バケットシートには、6点式安全ハーネスが付く。ダッシュボードには2つの画面が設けられ、レース状況、ラップタイム、全F1マシンの位置など、さまざまな情報を表示する。

センターコンソールは、大幅に変更された。ロータリーダイヤルはカップホルダーの位置まで移動され、空いた場所にはサイレンの起動、無線通信、ライトバーのLED制御といったさまざまな作動を制御するスイッチコントロールシステムが設置されている。

なお、アストンマーティン・ヴァンテージの公式セーフティカーは、2021年シーズンのF1開幕戦として3月28日に決勝レースを行うバーレーンGPにおいて、実戦デビューを果たす予定だ。

《森脇稔》

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