ハマー EV、ピックアップトラックからSUV派生…4月3日デビューが決定

3モーターで最大出力1000hp

1回の充電での航続は最大563km

今秋の生産開始に向けてウインターテスト

GMC ハマー EV SUVのティザーイメージ
GMC ハマー EV SUVのティザーイメージ全 14 枚

GMのGMCブランドは3月8日、『ハマーEV』の派生モデル、「ハマーEV SUV」(GMC Hummer EV SUV)を4月3日、デジタルワールドプレミアすると発表した。

およそ10年ぶりの復活となるハマーは、GMCブランドのEVピックアップトラックとして登場した。ハマーEVは、パワフルなEVパワートレインを搭載する高性能ピックアップトラックだ。ハマーEV SUVは、このハマーEVから派生するモデル。ハマーEVをベースに、荷台部分をなくしてSUV化した新バージョンになる。

3モーターで最大出力1000hp

ハマーEVの場合、パワートレインは3モーター+4WDの「e4WD」システムを搭載する。このシステムは、トルクベクタリング機能を備えており、最大出力1000hp、最大トルク1590kgmを獲得する。0~96km/h加速は、およそ3秒の性能を可能にしているという。

ハマーEVには、GMの部分自動運転機能、「スーパークルーズ」の最新バージョンが設定される。米国とカナダの総延長およそ32万km以上の高速道路において、ステアリングホイールから手を離して、ハンズフリーで運転できる。システムが車線変更を判断する新開発の車線自動変更機能を採用している。

「インフィニティルーフ」は、取り外し可能な透明なスカイパネルで、車両の前部の「フランク」(トランク)スペースに収納できる。パワーリアドロップガラスとパワートノカバー、「MultiPro」テールゲート、13.4インチのインフォテインメントスクリーンと12.3インチのドライバーインフォメーションセンターディスプレイが装備されている。

1回の充電での航続は最大563km

ハマーEVは、GMの新世代EVパワートレインの「アルティウム・ドライブ」をベースにしている。中でも、「アルティウム・バッテリー」は、大容量のパウチ型セルをバッテリーパック内で垂直にも水平にも積み重ねることができる方式を採用した。これにより、エンジニアは各車両のデザインに応じて、バッテリーの蓄電容量やレイアウトを最適化することができるという。

アルティウム・バッテリーの蓄電容量は、50~200kWhと幅広い。ハマーEVの場合、航続はフル充電で最大563kmを想定している。バッテリーの充電は、800ボルトのDC急速充電に対応する。出力350kWのDC急速充電ステーションでも充電することができる。

オフロード向けの「エクストリーム・オフロード・パッケージ」には、18インチホイール、35インチのグッドイヤー「ラングラー・テリトリーMT」タイヤ、アンダーボディアーマー、ロックスライダー、アンダーボディカメラがセットされている。

今秋の生産開始に向けてウインターテスト

ハマーEVには、「クラブウォーク」と呼ばれるモードが用意される。カニは英語で「クラブ」。クラブウォーク(カニ歩き)は、4輪ステアリングシステムによって、最小回転半径を短くする技術となる。セグメントをリードする「エクストラクトモード」を備えたアダプティブエアサスペンションも、オプションで選択できる。

ハマーEVは、米国ミシガン州デトロイトのハムトラムク工場を改修したEV専用工場、「ファクトリーゼロ」において、2021年後半から生産が開始される予定だ。ファクトリーゼロは、GMのマルチブランドEV戦略の出発点になる工場だ。GMはファクトリーゼロへの改修に22億ドルを投資し、EVだけを量産する工場に変更する。

ハマーEVは現在、今秋の生産開始に向けて、ウインターテストに取り組む。米国ミシガン州のアッパー半島では、雪や氷、急勾配など、さまざまな滑りやすい路面において、氷点下の気温下でのテストを行っている。このテストでは、強力なトルク配分タイプの4WDをトラクションコントロールシステムと統合すること、横滑り防止装置のチューニングなどが含まれている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  4. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る