BMW M史上最強の635馬力、M5 に「CS」…MotoGPセーフティカーに

BMWレーザーヘッドライトはイエローで光る

ベース車両に対して約70kgの軽量化

軽量なMカーボンシート

0~100km/h加速3.0秒で最高速305km/h

セーフティカー仕様のM5 CSに施した変更は最小限

BMW M5 CS のMotoGPセーフティカー
BMW M5 CS のMotoGPセーフティカー全 34 枚

BMWの高性能車部門のBMW Mは3月9日、BMW『M5 CS』が世界最高峰の二輪レース、「MotoGP」の2021年シーズンのセーフティカーに起用されると発表した。

同車は、モータースポーツに由来するパフォーマンスを備えた改良新型BMW『M5』のさらなる高性能バージョンだ。「CS」はこれまで、『M3セダン』や『M4クーペ』に設定されたことがあり、現行ラインナップでは『M2』に『M2 CS』 が用意されている。

BMWレーザーヘッドライトはイエローで光る

外観は、キドニーグリルサラウンド、キドニーグリルの「M5 CS」バッジ、フロントフェンダーのMプレート、トランクリッドエンブレム、20インチのYスポークデザインの鍛造Mアルミホイールを、ゴールドブロンズで仕上げた。ドアシルフィニッシャーには、照明付きのM5 CSプレートが付く。

BMWレーザーヘッドライトのL字型ライト部分は、ロービーム、ハイビーム、ウェルカムライトをオンにすると、イエローで点灯する。これは、GTレーシングカーを連想させるものだという。

ボディカラーには、ブランドハッチグレーメタリックなどを設定した。「BMWインディビジュアル」のマットペイント仕上げとして、フローズンブランドハッチグレーメタリックとフローズンディープグリーンメタリックも選択できる。

ベース車両に対して約70kgの軽量化

M5 CSは、ボンネットをカーボンファイバー強化樹脂(CFRP)に変更するなどして、ベース車両のM5コンペティションに対して、約70kgの軽量化を達成する。

ボンネット、フロントリップスポイラー、ドアミラーカバー、リアスポイラー、リアディフューザー、Mパワーエンジンコンパートメントカバー、インテークサイレンサーはカーボンファイバー強化樹脂(CFRP)製だ。一部には、カーボン独特のパターンが見える演出を施している。

4本のテールパイプを備えたステンレス製スポーツエキゾーストシステムと、赤く塗装されたキャリパー(オプションでゴールドを用意)が特徴のMカーボンセラミックブレーキが標準装備される。

軽量なMカーボンシート

インテリアは、前席に軽量なMカーボンシートを採用する。後席は独立2名がけのバケットタイプとした。ブラックのメリノレザーには、ムジェロレッドのステッチがアクセントに配される。フロントシート一体型のヘッドレストは、M5のロゴとドイツ・ニュルブルクリンクサーキットのコースレイアウトがあしらわれた。

Mアルカンターラステアリングホイールは、0時の位置に赤いステッチが入る。パドルシフトはカーボンファイバー製で、ステアリングホイールのスポークはブラッククローム仕上げとした。

前席のセンターコンソールのアームレストは、軽量カバに置き換えられた。ブラックメリノレザーには、赤いダブルステッチを使う。インストルメントパネルの「CS」エンブレムと後席のバケットスタイルのシートの間には、赤いアクセントが使用されている。

0~100km/h加速3.0秒で最高速305km/h

4.4リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンは強化されており、最大出力は635hp/6000rpmを獲得する。これは、ベース車両の『M5コンペティション』に対して、10hpの上乗せだ。最大トルクは76.5kgm/1800~5950rpmに据え置かれた。

BMWによると、 M5 CSはBMWMの歴史の中で、最もパワフルになるという。「ドライブロジック」を備えた8速「Mステップトロニック」トランスミッションと、「M xDrive」4WDシステムを組み合わせた。M xDriveは、後輪駆動の2WDモードが選択できる。

サスペンションは、前後のスプリングとダンパーを専用チューニングした。タイヤはサーキット走行も視野に入れたピレリ「Pゼロコルサ」が標準で、サイズはフロントが275/35R20、リアが285/35R20とした。

動力性能は、0~100km/h加速が3.0秒で、0~200km/h加速が10.3秒。最高速は、305km/h(リミッター作動)となる。0~100km/h加速は、ベース車両のM5コンペティションの3.3秒に対して、0.3秒速い。

セーフティカー仕様のM5 CSに施した変更は最小限

このM5 CSが、世界最高峰の二輪レースのMotoGPの2021年シーズンのセーフティカーに起用される。BMWによると、セーフティカーとして使用するにあたり、M5 CSに施した変更は最小限という。

具体的には、ライトバーの追加、点滅式のフロントライトへの変更、モータースポーツ仕様のクイックリリースボンネットラッチ、緊急時の電源遮断システムがある。

BMW Mは2021年、セーフティカーのカラーリングに新しい手法を取り入れた。従来のクラシックなモータースポーツホワイトの代わりに、セーフティカーはMモデル専用色のフローズンディープグリーンメタリックで仕上げられている。

《森脇稔》

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