埼玉・所沢にボールパーク! メットライフドームが大刷新[フォトレポート]

バックネット裏俯瞰
バックネット裏俯瞰全 71 枚

パ・リーグ通算23回優勝、日本シリーズ13回優勝、1990年から1994年にかけては5年連続優勝という記録をもつプロ野球球団、埼玉西武ライオンズ。その本拠地、メットライフドーム(埼玉県所沢市)が、総工費180億円、工期3年3か月をかけて大胆に刷新した。

球団やメットライフドームを運営する西武ライオンズは、この西武ドームを「ボールパーク化」と「チームと育成の強化」の2軸で改修。「ファンにとっても選手にとってもより満足できる施設」へと進化させた。

ボールパーク化へは、自然豊かな周辺環境と半ドームという特性を活かし、開放感と四季折々の風情を楽しめる空間に。屋根の外側にあは、大型フードエリアやこども広場などを整備した。

チームと育成の強化へは、ライオンズトレーニングセンター(室内練習場)、若獅子寮、 CAR3219フィールド(西武第二球場)など、選手の育成施設も刷新。選手たちが野球に集中できる環境を整えた。

外野の芝生席が消えて座席化、シートやテーブルもスタイリッシュに

ライオンズファンや外野観戦好きにとって、西武球場の芝生席は思い出深い空間のひとつ。その芝生席が、今回の大規模改修で消滅。そこにライオンズ外野指定席・ビジター外野指定席・ライトポールシートBが並ぶ。

「1979年の西武球場が稼働を開始して以来、42年間、ファンに親しまれてきた外野芝生席が座席つきのスタイルに。立って応援するライオンズ伝統の観戦スタイルを継承し、折り畳み時の前後幅250mmの超薄型のシートを採用した」

「内野席に対し、前後スペースが+140mmで、足元も広く応援しやすい環境を提供。内野席から続くグリーングラデーションを施したほか、シートクッションも採用した」(西武ライオンズ)

従来比2倍という巨大「Lビジョン」の迫力

LビジョンLビジョン外野席にはこのほか、2席分の車いす席を含むグループ席のユニバーサルデッキも登場。そして内野側から外野をみると目に飛び込んでくるのが、巨大な「Lビジョン」。

Panasonic製のLビジョンは、高さ13メートル、面積が600平米と、従来の2倍の大きさに進化。サブビジョンの新設や、スピーカー、デジタルサイネージを増設し、エリア内のどこにいても臨場感を味わえる、これまでにない視覚効果を生んでいる。

バックネット裏は12球団最大の広さのプレミアム ラウンジが

キャッチャーやバッターと似た目線になるバックネット裏には、バックネット裏としては12球団最大の広さを誇るアメリカン・エキスプレスプレミアムラウンジなどが出現。

ブッフェエリアとバーエリアにわかれたレストランエリアでは、秩父産のウイスキー「イチローズモルト」や、豊富な種類のウイスキーやビールなどのアルコール類と食事が、ゲームを観戦しながら楽しめる。

また、ネット裏エグゼクティブシートや、グループシート「ネット裏テーブル4」、ネット裏パーティーテラスといった、従来にはないホテル並みのリッチな空間も注目が集まる。

内野にはペアソファシートやブルペンかぶりつきシート、パノラマウッド4

フィールドビューソファーフィールドビューソファーまた、内野のフィールドにちかいエリアには、フィールドビューソファやブルペンかぶりつきシートを配置。フィールドビューソファは、背もたれが大きく倒れるペアソファシートで、こちらも人気が出そう。

内野スタンドの最前列にラグジュアリーなツインシートを置いたブルペンかぶりつきシートは、200mmのカウンターつき。食事やドリンクを置けて、長時間座っても蒸れにくい人口皮革を採用している。

鉄道会社ゆかりの球団だからこその車両展示も

L-train101L-train101いまプロ野球球団のなかで、鉄道会社とゆかりのある球団は、阪神タイガースと埼玉西武ライオンズがあげられる。グループのなかに西武鉄道がいる埼玉西武ライオンズは、メットライフドームエリアの新しいシンボルとして西武鉄道の新101系クハ1262を置き、「L-train 101」(エルトレインいちまるいち)と銘打って、車内外を公開する。

このクハ1262は、自社の西武所沢車両工場が1980年に製造した車両で、2020年12月深夜に西武鉄道横瀬車両基地(埼玉県横瀬町)からトレーラーに載せられてメットライフドームへ運ばれた。

運転台上の屋根にあるL形列車無線アンテナには丸形スピーカーが、集中式クーラーの両脇には片側3器ずつ角型スピーカーが設置され、球場内のゲームやイベントにあわせて音響演出するという。

また、現役で走っていたころからほぼ変更などを加えてない運転台も見学できる点もうれしい。西武ライオンズは「新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、2021シーズンは当面の車内に入れなきかもしれない。車内公開などは詳細が決まり次第、オフィシャルサイトで知らせる」という。

西武HD後藤社長「所沢をベットタウンからリビングタウンへ」

いよいよ2021シーズン開幕へむけて、装いを新たにして客をむかえるメットライフドーム。3年3か月、180億円をかけて刷新した“埼玉県内の新しいランドマーク”は、客の心にどう刺さるか。

西武ホールディングス代表取締役社長で埼玉西武ライオンズ取締役オーナーの後藤高志氏は、「コロナ禍で行動変容、価値変容などといわれる時代、プロ野球の開幕で多くのファンや国民に希望、元気、勇気、笑いを届け、日本を元気づける大きな力になっていきたい」と語る。

「さらには隣接する西武園ゆうえんちのリニューアル、そして所沢駅西口周辺の大規模再開発など、いままさに所沢エリアは、東京のベットタウンから、生活・レジャー・教育・仕事環境を整備したリビングタウンへと変貌を遂げる真っ最中にある。この新生メットライフドームも、そうしたエリア開発の一翼を担う施設にしていきたい」(後藤オーナー)

埼玉西武ライオンズ辻監督「新生メットライフドームでリーグ制覇と日本一を」

アメリカン・エキスプレス プレミアム ラウンジアメリカン・エキスプレス プレミアム ラウンジまた、埼玉西武ライオンズ辻発彦監督は、「アメリカン・エキスプレスプレミアムラウンジなどは、ゆったりした環境で野球を楽しめるすばらしい空間」などと紹介しながら、自身の野球への思い出も込めてこう伝えた。

「ボールパークとして生まれ変わったこのメットライフドームは、ぼくが佐賀に住んでいた子どものころ、父親と福岡の大濠公園で遊んで、夜は平和台球場で西鉄ライオンズの試合を観に行ったときのことを思い出させてくれる」

「今シーズンは、コロナの影響でまだ外国人選手たちが戻ってきてないが、3月26日の開幕戦からは、いまいる選手たちで全力で戦っていく。昨年は三連覇を逃して悔しい思いをしたので、ことしこそはファンの期待に応えるべく、この新しくなったメットライフドームでリーグ制覇と日本一を狙って戦っていきたい」

《レスポンス編集部》

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