【アウディ Q5ディーゼル 新型試乗】肩ひじ張らずに乗れるクルマ、だ…島崎七生人

アウディ Q5 改良新型(Q5 40 TDI クワトロ)
アウディ Q5 改良新型(Q5 40 TDI クワトロ)全 16 枚
2、3、5、7、9と揃うアウディのSUVラインの“Qモデル”のうち、まさに中核に位置づけられるのが『Q5』。現行型は2017年に登場した第2世代だが、今回の試乗車は先頃改良が入ったモデルチェンジ版だ。

◆今風にアップデートした内外装


外観は例によって、フロントグリルの形状が変わり、“advanced”と呼ばれる試乗車は『Q8』風の縦のメッキをアクセントにした格子状のパターンを採用。ほかにLEDライトが新しく、上部にライトシグネチャーを備えたデイタイムランニングライトも組み込まれるなどしている。

とはいえ、コークボトル風のショルダーに走るキャラクターラインなど、基本的なスタイルは見慣れた雰囲気。リヤまわりも、ランプ、加飾などが新しいが、サイドまでラウンドさせて大きく開くバックドアは、もちろん変わらない。


インテリアでは、最近のクルマとしてはオーソドックスで安心感を抱けるインパネ形状はほぼ従来どおり。変わったのは中央のディスプレイが大型化したことで、タッチパネル式となり、最新のインフォテイメントシステム(MIB3)が採用された。

眼前のメーター表示も画面形状がスッキリとし、写真のような2眼メーター表示は見ていて落ち着く。試乗車はオプションの「ラグジュアリーパッケージ」を装着し、レザーの感触が味わえるセンターアームレスト、ドアアームレストも装着していた。

◆サイズも実用性も走りっぷりも、肩ひじ張らずに乗れる


試乗車は2リットルのディーゼルターボ搭載の「40 TDI クワトロ」。40 TDI自体は初期モデルから設定はあったが、新たにMHEV化され、ベルト駆動式オルタネーターと12Vリチウムイオンバッテリーを搭載している。

新しいエンジン(DTP型)を従来型(DET 型)とスペックで見較べると、最高出力は+14psの204psに、最大トルクは400Nmで変わらないが、その発生回転域が上に250rpm伸び、1750~3250rpmに。

走らせた印象は、スペックどおりに走らせやすさが増した……そんな印象。車重は1910kgだが軽快な加速を示すなど、全体に軽やかな走りっぷりが味わえた。3000rpmあたりまで力強さが伝わり、4000rpm前後を保ちながら走ればパワフルさも十分。


乗り味は、まだ下ろして間もない新車のせいか、サスペンションもタイヤもこれから馴染みが出てくるところ……そんな印象で、低速では乗り味のゴツつき感がわずかだけあった。一方で速度を乗せていくと“スポーツ”モードでの、クルマの動きの無駄のなさは気持ちよく、クッションの効いた後席の乗り味も上々のものだった。

サイズも実用性も走りっぷりも肩ひじ張らずに乗れるクルマ、だ。



■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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