メルセデスベンツ Cクラス 新型、ロングホイールベースを発表…上海モーターショー2021

ロングホイールベース仕様のセダンに対する需要が根強い中国

2種類のフロントマスクを用意

サスペンションや遮音対策に専用のチューニング

メルセデスベンツ Cクラス L 新型(上海モーターショー2021)
メルセデスベンツ Cクラス L 新型(上海モーターショー2021)全 9 枚

メルセデスベンツは4月19日、中国で開幕した上海モーターショー2021において、新型『CクラスL』(Mercedes-Benz C-Class L)をワールドプレミアした。

ロングホイールベース仕様のセダンに対する需要が根強い中国

同車は、新型『Cクラスセダン』をベースに、ホイールベースを延長した中国専用モデルだ。メルセデスベンツは2014年春、北京モーターショー2014において、メルセデスベンツ『Cクラス』に、初のロングホイールベースを発表した。中国では、富裕層の間でロングホイールベース仕様に対する需要が根強い。例えば、アウディは『A6』、BMWは『5シリーズ』に、ロングホイールベース車を投入しており、メルセデスベンツも『Eクラス』に、ロングボディを用意している。

もともと中国市場では、中型プレミアムセダンクラスのロングホイールベース車が主流だった。しかしその後、ひとクラス下の小型プレミアムセダン分野にも、この流れが波及した。アウディ『A4』をはじめ、BMW『3シリーズ』、インフィニティ『Q50』(日本名:日産『スカイライン』に相当)、ボルボ『S60』などが、ロングホイールベース車を投入。メルセデスベンツも、このトレンドに従い2014年、Cクラスセダンに初めて、ロングホイールベースを設定している。

2種類のフロントマスクを用意

新型のデザインは、メルセデスベンツの最新デザイン哲学「センシュアルピュリティ(官能的純粋)」に沿ったものだ。短いフロントオーバーハング、長いホイールベースとリアオーバーハングを組み合わせて、ダイナミックなプロポーションを追求した。パワードームを備えたボンネットは、力強さを表現する。フロントガラスとパッセンジャーセルは、従来型に対して後方に移動している。メルセデスベンツ Cクラス L 新型メルセデスベンツ Cクラス L 新型

側面から見ると、精巧に彫刻された表面が独特の光の効果を生み出した、と自負する。デザイナーはラインを最小限に抑え、「キャットウォークライン」やショルダーラインをさらに強調することを狙った。ワイドなトレッドや、モダンなデザインのアルミホイールも、スポーティな外観を生み出している。

新型のフロントグリルは、欧州仕様車ではすべてのモデルに、「スリー・ポインテッド・スター」が配置される。一方、新型CクラスLでは、ボンネットの先端にスリー・ポインテッド・スターのフードマスコットを配置したメルセデスベンツの伝統デザインも用意される。2種類のフロントマスクは、中国の顧客の嗜好を反映させたものだ。フロントグリルの形状も、両仕様で異なっており、ボンネットの先端にスリー・ポインテッド・スターのフードマスコットを配置した仕様では、フォーマルな印象を強めている。

リアのデザインは、両仕様ともに共通だ。メルセデスベンツのサルーンの典型的なものとした。新型では初めて、テールランプがツーピースデザインとなり、サイドウォールランプとトランクリッドランプにライト機能を分割している。メルセデスベンツ Cクラス L 新型メルセデスベンツ Cクラス L 新型

2つのディスプレイがフルデジタルコックピットを構成

新型のインテリアは新型『Sクラス』の特長を取り入れながら、スポーティなタッチを加えている。ダッシュボードは、上側と下側に分かれている。中央に3個並ぶ空調吹き出し口は、航空機のエンジンナセルから着想を得ており、ダッシュボード上側は翼のような広がりを持たせた。ダッシュボード下側は、センターコンソールからダッシュボードへ流れ込むような一体デザインが特長になる。ダッシュボードとセンターディスプレイは、ドライバーに向かって6度傾いており、ドライバー重視のスポーティな空間を目指した。

ドライバー正面には、高解像度の液晶画面を採用する。自立型として、浮かんで見えるようにした。ドライバーディスプレイは、クラシックなラウンドダイヤルを備えた従来のコックピットとは一線を画すものだ。このディスプレイのサイズは、最大で12.3インチ(31.2cm)となる

縦長デザインのセンターディスプレイは、車両の各機能を高品質のタッチスクリーンを使用してコントロールできる。このタッチスクリーンも、浮かんで見えるようにした。ダッシュボードと同様に、画面はドライバーに向かってわずかに傾いている。センターディスプレイのサイズは、最大で11.9インチ(30.2cm)となる。2つのディスプレイが、フルデジタルコックピットを構成する。メルセデスベンツ Cクラス L 新型メルセデスベンツ Cクラス L 新型

サスペンションや遮音対策に専用のチューニング

新型CクラスLの後席足元の空間は、欧州向けの新型Cクラスセダンよりも広い。ラグジュアリー仕様のヘッドレストや、ワイドな収納スペースを備えた大型アームレスト、USBポート、カップホルダーなどが、後席乗員向けに装備される。 その他、中国の顧客の好みを反映させて、サスペンションは快適性を重視したチューニングとした。静粛性を引き上げるために、追加の遮音対策も施されている。

新型CクラスLは、メルセデスベンツと北京汽車の中国合弁、北京ベンツで現地生産される予定だ。Eクラスのロングホイールベースとともに、中国市場のニーズに対応していく。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  4. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る