ヤマハ、2050年までにカーボンニュートラル目指す…新領域モビリティや電動バイクで

ヤマハ MW-VISION(東京モーターショー2019)
ヤマハ MW-VISION(東京モーターショー2019)全 7 枚

ヤマハ発動機は7月19日、2050年までに製品ライフサイクル全体のカーボンニュートラルを目指す新たな環境目標を発表した。2050年に2010年比でCO2排出量50%に削減するとしていたこれまでの目標を、カーボンニュートラルへ見直した。

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ヤマハ発動機の日高祥博社長は同日、オンラインを通じて行った環境技術説明会で「ライフサイクルCO2排出量を(2010年実績に対し)2030年に24%、2035年に38%の削減を目指し、2050年までに90%削減する目標を設定した」と述べた。残りの10%分に関しては「国際的に認められた方法でオフセットする」としている。

さらに日高社長は「目標達成に必要なカーボンオフセットの取り組みを加速させるため、2022年環境資源分野に特化した自社ファンドをシリコンバレーに設立する。運用期間15年、総額1億ドル規模の事業を計画しており、当社が取り組むべき領域に注力しながら、カーボンネガティブにつながる新規事業の構築を目指す」ことも明らかにした。

2050年までのカーボンニュートラル達成に向けた方策については技術・研究本部長を務める丸山平二取締役上席執行役員が「より環境負荷の低いモビリティの活用を広げるため、これまでにない新たな領域の小型モビリティを生み出していく。また既存の小型モビリティのパワートレインをより環境負荷の小さいものにスイッチしていく。いずれのアプローチも移動に伴う一人当たりのCO2排出量の低減に直結すると考えている」と説明。

新たな領域の小型モビリティでは「4輪車と2輪車の中間に位置するような小型モビリティ、そして2輪車と電動アシスト自転車の中間に位置するような小型モビリティの開発を検討している」とし、このうち4輪車と2輪車の中間にあたるものとしては「前回の東京モーターショーに出展した『MW-VISON』を原型に開発を進めている。簡易なキャビンを持ち自動制御で自立し、なおかつ2輪車のように車体を傾斜して旋回することができる。試作車では軽快に走り回れるレベルに達しており、さらに造り込みを行っている最中」と述べた。

また2輪車と電動アシスト自転車の中間のモビリティも同じく東京モーターショー2019に参考出展した立ち乗りの電動小型モビリティ『TRITOWN』をベースに開発中で、「複雑な制御を省き乗り手がバランスをとることで軽快に走り回ったり、容易に自立することができる」とのことだ。

一方、既存の小型モビリティのパワートレインの取り組みでは、こちらも東京モーターショー2019に参考出展した125cc相当の次世代電動コミューター『E01』および50cc相当の『E02』をベースとした電動バイク用プラットフォームの開発状況が披露された。

まずE01に関して丸山取締役は「ある程度の都市間の交通までをカバー、交通の流れをリードし快適な通勤、通学を実現する高い機動性を持つバッテリーEVのプラットフォーム」とした上で、「2輪車の特性に合わせて専用開発した高回転型の空冷ブラシレスモーターを搭載。大きなトルクによる低速での扱いやすさと高回転型の出力特性を合わせ持ち、日常から高速走行までリニアな加速感と上質な走りを実現する。バッテリーは高出力大容量の固定式リチウムイオンバッテリーを搭載している」と解説。

さらに「バッテリーの小型化でコンパクトな車体への搭載を可能とし、専用急速充電では60分で90%まで充電が可能。車体にも高効率化への取り組みがある。重量のあるバッテリーを車体の中央にレイアウトすることによって良好な乗り心地も実現している」とも付け加えた。

またE02に関しては「都市内の移動に最適な小型軽量バッテリーEVのプラットフォームとして開発を進めている。48V着脱式バッテリーの搭載を前提に設計。パワーユニットには静かでスムーズな加速感を実現するダイレクト駆動方式のインホイールモーターを採用している。パワーユニット部品を集約することでリアアームと統合し、これまでにないコンパクトなレイアウトを達成している」と丸山取締役は話していた。

《小松哲也》

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