ベントレー『マリナー・バカラル』、ハンドビルドで最初の1台が完成…世界限定12台

2シーターのベントレーはおよそ90年ぶり

12台のために専用のボディパネルを設計

ウッドパネルが回転しタッチスクリーンが出現

W12ツインターボは最大出力659ps

ベントレー・マリナー・バカラルの第1号車
ベントレー・マリナー・バカラルの第1号車全 18 枚

ベントレーは8月19日、世界限定12台を生産する予定の『マリナー・バカラル』(Bentley Mulliner Bacalar)の最初の1台が、ハンドビルドにより完成した、と発表した。

2シーターのベントレーはおよそ90年ぶり

マリナー・バカラルは、ベントレーのコーチビルド部門の「マリナー」が、精巧にハンドビルドを行い、未来のコーチビルディングのあり方を示す1台となる。ベントレーによると、グランドツーリングの醍醐味を、余すところなく表現しているという。

また、環境に配慮した方法で採取されたサスティナブルな素材と、美しく力感あふれるデザインを融合させる。ベントレー創立100周年に発表されたコンセプトカー、『EXP 100 GT』にインスパイアされた優美なデザインを採用する。2シーターのベントレーは1930年代以来、およそ90年ぶりだ。

マリナー・バカラルは、12台が限定生産される。英国クルーのマリナーのワークショップにおいて、顧客の要望に応じて、一台ずつ手作業で組み立てられる。世界限定12台は完売している。ベントレー・マリナー・バカラルベントレー・マリナー・バカラル

12台のために専用のボディパネルを設計

素材とテクノロジーを融合させて、クラフトマンシップを追求する。そのデザインDNAは、コンセプトカーのEXP 100 GTから受け継がれた。 テーパー形状のリアカウルは、かつての「バルケッタ」(小舟)スポーツカーを彷彿とさせる。深みのあるメタリック仕上げのボディカラーは、もみ殻の灰という環境に配慮した素材を使用したものだ。

マリナー・バカラルは、他のベントレー車とボディパネルを共有していない。リアのクラムシェルとトップデッキには、軽量アルミが使用され、ドアとフェンダーにはカーボンファイバーが使われている。デザイナーは3Dプリンターを使用し、独創的なデザインを作り上げたという。

ベースとなった『コンチネンタルGT』よりも、リアトレッドが20mm幅広い。リアハンチには、ビスポークの22インチトライフィニッシュホイールが収まる。横長のヘッドライトとテールライトは、EXP 100 GTがモチーフだ。コンチネンタルGTとは、ドアハンドルのみを共用している。ベントレー・マリナー・バカラルベントレー・マリナー・バカラル

ウッドパネルが回転しタッチスクリーンが出現

インテリアは、究極のクラフトマンシップを表現した。ラップアラウンドデザインのコクピットによって、2シーターのキャラクターを強調する。ラップアラウンドデザインのコックピットは、角度をつけた新設計のセンターコンソールからダッシュボード、ドアへとシームレスなラインを描く。包み込むようなラインはそのままリアへと向かう。座席後方には、半密閉式のラゲッジスペースが設けられる。

レザーは、伝統のセミグロスレザーと天然ウールに丁寧に縫い合わせられ、「トーン・オン・トーン」と呼ばれる配色効果でダークな雰囲気を生み出す。英国産ウールやイングランドのイーストアングリア地方フェンランドで発見された5000年以上前の倒木の「リバーウッド」も使用されている。

ブルズアイベントのために新たなローレット加工が開発され、ステアリングホイールコントロール、メディアコントロール、クライメートコントロール、スピーカーグリルにも同様の加工が施された。ダークブロンズとミッドナイトブラックチタンのディテールを組み合わせている。

センターコンソールの中央には、「ローテーションディスプレイ」を配置した。このデジタルMMIディスプレイには、40の可動部品が使用されている。エンジンを始動すると、リバーウッドのパネルが回転し、高解像度のタッチスクリーンが現れる。ベントレー・マリナー・バカラルベントレー・マリナー・バカラル

W12ツインターボは最大出力659ps

マリナー・バカラルは、2シーターのオープンカーが魅せる究極のラグジュアリーを具現化した最高峰のグランドツアラーを目指して開発されたという。長い歴史を持つ名門コーチビルダーのマリナーが、コーチビルディングの原点に立ち返って製作したのが、マリナー・バカラルだ。

パワートレインには、6.0リットルW12 気筒ガソリンツインターボ「TSI」エンジンを、強化して搭載する。最大出力は659ps、最大トルクは91.8kgmを引き出す。アクティブAWDシステムは、走行状況に応じて、前後輪へのトルク配分を変更する。通常の走行時には多くの場合、後輪駆動モードになる。

トランスミッションは、8速デュアルクラッチ。これまで以上に、高速かつ効率的なギアチェンジを可能にしているという。アダプティブシャシーには、48Vシステムの「ダイナミックライド」を採用した。このエアサスペンションシステムによって、快適性と横方向のロールをコントロールする、としている。

《森脇稔》

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