アウディ、2030年までの企業戦略を発表…「技術による先進」の継続目指す

品質とデザインを通じてアウディのEVをライバルと差異化

アウディ車に明確で紛れもないDNAを与える

VWグループの自動車ソフトウェア企業「CARIAD」が重要な役割

アウディのEVラインナップ
アウディのEVラインナップ全 32 枚

アウディ(Audi)は8月26日、IAA モビリティ2021に先駆けて、「アウディ・メディアデイズ」を開催し、2030年までの企業戦略の「Vorsprung 2030」を発表した。

【画像全32枚】

Vorsprung 2030戦略は、アウディが掲げる企業スローガンの「Vorsprung durch Technik」(技術による先進)を、今後も継続するために策定されたものだ。

アウディは、プレミアムな個人のモビリティと持続可能性への妥協のない取り組みを両立させることは可能だということを、証明したいと考えているという。アウディは、フォルクスワーゲングループやその他のブランドとともに、新しいモビリティの世界で主導的な役割を果たすことを目指している。アウディが属するフォルクスワーゲングループは2021年7月、e-モビリティとソフトウェア企業への変革を柱とした「NEW AUTO」戦略を発表した。フォルクスワーゲングループNEW AUTO戦略が、アウディのVorsprung 2030戦略の成功を支援するという。

品質とデザインを通じてアウディのEVをライバルと差異化

「Vorsprung durch Technik」は1971年以来、50年間に渡ってアウディのDNAを定義してきた。この企業理念を維持するために、アウディは持続可能で前向きな企業戦略を作成するための新しいプロセスを進めてきた。その結果、生まれたVorsprung 2030戦略では、内燃エンジン搭載車からEVに変わり、その後、自動運転がさらなる成長の可能性を示すようになると、売上と利益は段階的にソフトウェアとサービスにシフトしていくと想定している。

Vorsprung 2030戦略では、収益性の高い成長と差異化に焦点を当てている。内燃エンジンを段階的に廃止する計画に加えて、品質とデザインを通じてアウディのEVを競合他社とより強力に差異化し、顧客への付加価値を高めることが重要と位置付ける。これには、EVや自動運転のためのテクノロジーが含まれている。

アウディは電動化を推進しており、2033年までに内燃エンジン搭載車の生産を段階的に終了し、遅くとも2050年までにカーボンニュートラルを達成する予定だ。それと同時に、広範囲に電動化攻勢を進め、2025年までには、製品ラインナップに20を超えるEVを導入する。2026年以降、アウディブランドが世界市場に導入するニューモデルは、そのすべてがEVとなる。

アウディ車に明確で紛れもないDNAを与える

アウディスペースフレーム、クワトロ、マトリクスLEDヘッドライト、e-モビリティに関連する多くの特許など、アウディのイノベーションのリストは将来、さらに長くなると見込む。アウディによると、今後数年間でさらなる新しいイノベーションがもたらされるという。

「アウディDNA」プロジェクトを通じて、アウディは、顧客が体験できるイノベーションに重点を置くことを目指している。これに関連してアウディは、顧客に独自のアウディの感覚を伝えるために、音響などの面において、アウディ車に明確で紛れもないDNAを与える計画だ。将来的には、アウディの運転がどのように感じられるべきかについての定義を明確にする予定で、高度な自動運転も対象になるという。

将来的には、顧客は車両をアップグレードし、必要に応じてシステムを更新したり、インストールしたりできるようになる。さまざまな市場の内燃機関を搭載した車両の顧客も、ライフサイクル全体にわたってサービスを受けられるようにしていく。

VWグループの自動車ソフトウェア企業「CARIAD」が重要な役割

アウディのVorsprung 2030戦略では、フォルクスワーゲングループの自動車ソフトウェア企業「CARIAD」が重要な役割を果たす。CARIADは、フォルクスワーゲングループのすべての企業が利用できる共通の基幹ソフトとして、2025 年までにソフトウェアプラットフォームを開発することを目指している。

現在、CARIADは、3つのソフトウェアプラットフォームの開発に取り組んでいる。「E3 1.1」では、フォルクスワーゲン『ID.4』などの「MEB」ベースのラインナップのアップグレードと、 OTA(無線)アップデートが可能になる。

2023年にCARIADは、プレミアム・ソフトウェア・プラットフォーム 「1.2(E3 1.2)」をリリースする予定だ。これにより、新しい統合インフォテインメントシステムや、アウディとポルシェ車両の OTAアップデートなど、さまざまな機能が利用可能になる。2025年にCARIAD は、新しい統合されたスケーラブルなソフトウェアプラットフォームと、エンドツーエンド(E2E)電動アーキテクチャーの導入を計画している。ソフトウェアスタック2.0(E3 2.0)には、すべてのグループブランド車両用の統合オペレーティング・システムが含まれる。もうひとつの重要な機能が、ドライバーが運転を車両に任せるレベル4の自動運転が可能になることだという。

アウディのマルクス・ドゥスマンCEOは、「Vorsprung durch Technikは、クリーンテクノロジーを使用することによってのみ、CO2排出や地球温暖化などの世界の主要な問題の多くを解決できるため、依然として必要。アアウディは、顧客の自由と個人の移動を保証する企業であり続ける。アウディがゼロエミッションドライブシステムに焦点を合わせているのは、そのためだ」と語っている。

《森脇稔》

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