ポールスターの次世代EV『プリセプト』、2025年までの量産化が決定…プロトタイプの写真

ポールスター・プリセプト の市販モデルの開発プロトタイプ
ポールスター・プリセプト の市販モデルの開発プロトタイプ全 20 枚

ボルボカーズ傘下のポールスターは9月14日、コンセプトカーの『プリセプト』(Polestar Precept)を、2025年までに量産化することを決定した、と発表した。市販モデルの開発プロトタイプの写真も公開している。

4ドアEVグランドツアラーの提案

プリセプトは、次世代の4ドアEVグランドツアラーを提案したデザインスタディだ。車名の「Precept」は、先駆ける、を意味する「Pre」に、コンセプトを合わせた造語となる。ポールスターによると、将来のビジョンを示すコンセプトカーになるという。

プリセプトでは、フロントフェンダーを上下に2分割し、上側のフェンダーをボンネットと一体設計とした。これにより、エアロダイナミクス性能が向上し、車両の航続が延びるという。リアでは、ワイドなライトブレードが車両の幅全体に広がっている。

前輪後方のエアダクトは、ホイールハウスからの空気の排出を促進し、車両側面の空気の流れを最適化する。後輪の前後にあるエアダクトは、ブレーキの冷却とホイールハウスの減圧に貢献している。22インチのホイールも、エアロダイナミクスを追求したデザインだ。CピラーのLEDサイドマーカーには、充電状態を表示する。ポールスター・プリセプトポールスター・プリセプト

フロントグリルに安全センサーなどを組み込む

フロントグリルは、ポールスターの「SmartZone」に置き換えられた。エンジン冷却用の空気を導入する必要のないEVのため、フロントグリルには、安全センサーなど先進運転支援システム(ADAS)用のテクノロジーが組み込まれる。

フロントグリル部分の透明なパネルの向こう側には、長距離と中距離の2つのレーダーセンサーと高解像度の広角カメラを装備した。ガラスルーフの上には、自動運転用のLiDARセンサーが取り付けられた。最新のLEDヘッドライトは、さらにダイナミックなデザインに進化している。

大容量のバッテリーパックは、3100mmのホイールベース間にレイアウトした。長いホイールベースは、低いルーフにもかかわらず、大容量バッテリーの搭載とインテリアスペースの拡大を可能にした。この4ドアのグランドツアラーは、後席の足元と頭上の空間を確保しながら、低く洗練されたシルエットを追求している。ポールスター・プリセプトポールスター・プリセプト

グーグルとAndroid搭載インフォテイメントを共同開発

ポールスターのプリセプトでは、縦向きの大型15インチタッチスクリーンが、12.5インチのドライバーディスプレイと照明付きのブレードでつながり、デジタルコックピットを構築する。ポールスターのエンブレムが、後席のヘッドレストの間のスウェーデン製クリスタルの中に、ホログラフィックで浮かんで見えるようにした。

また、アイトラッキングにより、車両がドライバーの視線をモニターする。それに応じて、画面のさまざまなコンテンツを調整できる。さらに近接センサーが、運転中のセンターディスプレイの使いやすさを向上させる。この15インチの大型デジタルインターフェイスは、ドライバーを認識し、デジタルキーによって設定や個人コンテンツの認証を行う。駐車中や充電中には、ビデオストリーミングサービスが利用できる。

グーグルの「Android」を搭載した次世代のHMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)は、ポールスターとグーグルとの緊密なコラボレーションから生まれた。ボルボカーズはグーグルと提携し、アンドロイドを搭載したインフォテイメントシステムに、「グーグル・アシスタント(Google Assistant)」、「グーグル・マップ(Google Maps)」、「グーグル・プレイ・ストア(Google Play Store)」を組み込んでいる。ボルボカーズとグーグルは、過去数年にわたり、共同開発を進めてきた。

この新しいシステムによって、グーグルのオープンソースのアンドロイドプラットフォーム、「アンドロイド・オートモーティブOS(Android Automotive OS)」を車載化し、グーグル・マップやグーグル・アシスタント、自動車用アプリなどのサービスを、リアルタイムで更新できるようになるという。ポールスター・プリセプトポールスター・プリセプト

市販版はサイドウインドウ周りなどがコンセプトカーとは異なる

ポールスターは、このプリセプトを2025年までに量産化することを決定した。同時に、市販モデルの開発プロトタイプの写真も公開している。コンセプトカーとは異なるサイドウインドウ周りのデザインが確認できる。

また、ポールスターは、プリセプトの開発の中心拠点として、新しい施設を自動車試験開発センターなどが集まる英国のMIRAテクノロジーパークに建設する。新しい施設では、英国で自動車工学に携わる人材を雇用する計画だ。

MIRAテクノロジーパークは、高度なバッテリーテスト施設やテストコースなど、EVの開発に適した環境を備える。MIRAテクノロジーパークに新しい施設を建設することは、ポールスターにとって、必然の選択という。ポールスターの英国の新しい施設は、スウェーデンの研究開発チームと協力しながら、プリセプトの市販モデルに搭載する革新的なエンジニアリングソリューションの開発に集中する、としている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 【メルセデスベンツ Eクラスオールテレイン 新型試乗】Eクラスを選ぶならこれが一番。ただしお値段は…中村孝仁
  2. どこだ? 日産が7工場を閉鎖予定---可能性のある工場すべてをリストアップした
  3. 地面が光る「埋込型信号」が日本初導入、「横断歩道がわかりやすくなった」効果に期待
  4. インフィニティの中型SUV『QX60』、改良新型は表情一新…初の「SPORT」も設定
  5. マツダ『CX-5』新型、7月10日世界初公開へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  3. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  4. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  5. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
ランキングをもっと見る