ホンダ『CR-V』の兄貴分『パスポート』、米ラリーに参戦…2022年型のタフさを証明

現行型は2019年2月に16年ぶりに車名復活

3.5リットルV6エンジン+電子制御4WD「i-VTM4」

ラリー参戦車両は軽量化と安全性の強化を実施

駆動系やサスペンションに変更を加えることなく完走

ホンダ・パスポート の2022年モデルのラリー仕様
ホンダ・パスポート の2022年モデルのラリー仕様全 11 枚

ホンダの米国部門は10月18日、『パスポート』(Honda Passport)の2022年モデルが、米国で開催された「2021スペリオル湖パフォーマンスラリー」に参戦した、と発表した。パスポートは、『CR-V』の上に位置する中型SUVだ。

現行型は2019年2月に16年ぶりに車名復活

ホンダ・パスポート の2022年モデルのラリー仕様ホンダ・パスポート の2022年モデルのラリー仕様

パスポートは、ホンダがかつて北米市場で販売していたSUVだ。いすゞからSUVの『ロデオ』のOEM供給を受けて、1994年からホンダがパスポートとして現地で販売していた。1998年には2代目にモデルチェンジを行うが、2002年に生産を終了している。

現行パスポートは2019年2月、16年ぶりに車名復活して、米国市場で発売された。現行パスポートは、ホンダの北米でのSUVラインアップにおいて、4番目のモデルとなる。日本市場にも導入された『CR-V』と北米専用のミドルクラスSUV『パイロット』の間を埋めるSUVに位置付けられる。現行パスポートは、ホンダR&Dアメリカが設計と開発を担当し、ホンダの米国アラバマ州リンカーン工場で生産を行う。

ホンダ・パスポート の2022年モデルのラリー仕様ホンダ・パスポート の2022年モデルのラリー仕様

現行パスポートは、より力強い走りと幅広いパーソナルユースに対応した5人乗りのミドルサイズSUVだ。一般道での洗練された走りとオフロードでの高い走破性を両立させるとともに、クラストップのゆとりある室内空間を追求している。

3.5リットルV6エンジン+電子制御4WD「i-VTM4」

ホンダ・パスポート の2022年モデルのラリー仕様ホンダ・パスポート の2022年モデルのラリー仕様

直噴3.5リットルV型6気筒ガソリン「i-VTEC」エンジンは、最大出力280hp/6000rpm、最大トルク36.2kgm/4700rpmを発生する。トランスミッションはパドルシフト付きの9速ATで、力強くスムーズな走りとダイレクトなレスポンスを追求する。

路面状況に合わせて前後輪の駆動力配分をコントロールする電子制御4WDシステム、「i-VTM4」を搭載した。砂地、泥道、雪上など各シーンに最適化した4つの走行モードを切り替えできる「インテリジェント・トラクション・マネージメント」を組み合わせることで、さまざまな状況下で高い走破性と走行安定性を追求している。

ホンダ・パスポート の2022年モデルのラリー仕様ホンダ・パスポート の2022年モデルのラリー仕様

ラリー参戦車両は軽量化と安全性の強化を実施

ホンダの米国部門は、このパスポートの2022年モデルで、2021スペリオル湖パフォーマンスラリーに参戦した。2021年9月に米国で発表した2022年モデルのタフさを証明するのが狙いだ。

ホンダ・パスポート の2022年モデルの「トレイルスポーツ」ホンダ・パスポート の2022年モデルの「トレイルスポーツ」

「ラリートラック」と命名された参戦車両では、最大限のトラクションとパフォーマンスを実現するために、マキシス製「RAZR」のM/TとA/Tタイヤを採用した。サイズは265/70R17だ。これに、「BRAID Winrace T」のラリーホイールを組み合わせた。

アンダーボディを保護するために、特注のアルミ製オイルパンとリアデフスキッドプレートが追加された。燃料タンクやその他のコンポーネントを覆う高密度ポリエチレンパネルを保護する役目を担う。Carbotech 製の「XP12」ブレーキパッドとレーシングブレーキフルードは、ハードなラリーでも優れたブレーキ性能を発揮するという。

ホンダ・パスポート の2022年モデルの「トレイルスポーツ」ホンダ・パスポート の2022年モデルの「トレイルスポーツ」

直噴3.5リットルV型6気筒ガソリンi-VTECエンジンとパドルシフト付きの9速AT、電子制御4WDシステムのi-VTM4、サスペンションコンポーネントは、市販車から変更されていない。唯一、市販車にオプション設定される「牽引パッケージ」から、オートマチックトランスミッションのフルードクーラーが追加された。

また、安全性を高めるために、インテリアには6ポイントの競技用ハーネスを備えたOMP製レーシングシート、セーフティロールケージ、消火システム、ラリーコンピューター、通信システムが装備された。軽量化のために、後部座席、カーペット、遮音材、その他の内装部品を取り外し、サイドとリアガラスはポリカーボネートの「Lexan」に交換された。油圧式のハンドブレーキハンドルは、タイトなコーナーでの操作性を引き上げるための変更だ。改良されたエキゾーストはラリーにインスパイアされた特徴的なサウンドを生み出す。HPD(ホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント)によってデザインされたエクステリアラップグラフィックが、車体に添えられた。

ホンダ・パスポート の2022年モデルの「トレイルスポーツ」ホンダ・パスポート の2022年モデルの「トレイルスポーツ」

駆動系やサスペンションに変更を加えることなく完走

パスポートの2022年モデルのラリートラックは、2021スペリオル湖パフォーマンスラリーの砂利、土、泥、雪を含む数百マイルのコースを走破した。ドライブしたのは、オハイオに本拠を置く北米自動車開発センターに所属するサスペンションテストエンジニア、クリス・スラデック氏だ。

ホンダ・パスポート の2022年モデルの「トレイルスポーツ」ホンダ・パスポート の2022年モデルの「トレイルスポーツ」

初日は42名の参加者のうち、トップ10に入るタイムを出したが、ステージ3でのタイヤのビード除去により、順位を下げた。そのため、予想タイムよりも9分以上遅れてフィニッシュした。2日目は、よりテクニカルでラフなウェットステージが用意され、パスポートはM/Tタイヤで好成績を収めた。総合成績は22位。リミテッド4WDクラスでは、4位に入った。

ホンダのエンジニア兼ラリーレーサーのクリス・スラデック氏は、「このような厳しい地形でのラリーにおいて、2022年モデルのパスポートの駆動系やサスペンションに変更を加える必要がなかったという事実は、パスポートの性能とパフォーマンスを物語るもの」と述べている。

ホンダ・パスポート の2022年モデルの「トレイルスポーツ」ホンダ・パスポート の2022年モデルの「トレイルスポーツ」

《森脇稔》

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