【VW ゴルフヴァリアント 新型試乗】パサートに迫る空間でも余裕綽綽な“1リットル”…島崎七生人

1リットル3気筒の「eTSI Active」に試乗

ハッチバック+50mmのホイールベースの恩恵

まったくストレスを感じない1リットルエンジン

VW ゴルフヴァリアント eTSI Active
VW ゴルフヴァリアント eTSI Active全 13 枚

1リットル3気筒の「eTSI Active」に試乗

騙されたと思って……というのは日常よく使われるフレーズ。さしずめいつ乗っても、騙されたくても決して騙されたことがないのが『ゴルフヴァリアント』である。

ちなみに前回(8月に)は“映える”ことも意識して、ライムイエローメタリックの上級仕様「eTSI R-Line」のレポートをお届けした。今回は前回も“予告”したとおり、エンジン、タイヤサイズ違いで、1リットル(999cc)の3気筒インタークーラーターボ(110ps/20.4kgm)搭載、16インチタイヤ(205/55R16 91V・GY EFFICIENT GRIP PERFORMANCE)装着の「eTSI Active」の試乗と相成った。試乗ステージは前回と同じ(コースは多少異なる)箱根である。

VW ゴルフヴァリアント eTSI ActiveVW ゴルフヴァリアント eTSI Active
ドルフィングレーメタリックと呼ぶボディ色は、個人的には非常に好きな色のひとつ。スポーツカーなら何となくスノッブだし、ヴァリアントのようなクルマなら、プレーンだがお洒落な道具感を引き立てる。しっとりとなかなかキレイなグレーだ。

ハッチバック+50mmのホイールベースの恩恵

VW ゴルフヴァリアント eTSI ActiveVW ゴルフヴァリアント eTSI Active
インテリアは気取らないデザインに好感がもてる、ブラック(実際にはグレー)のファブリック地のシートが特徴。シッカリとした張りとサラリとした感触と、座面全体でスッと身体を受け止める、昔ながらのVWらしい着座感のシートだ。手動式ながら高さ調節も可能だ。デジタルメータークラスター、インフォテイメントシステムなどを備える点は上級グレードと同じ。

もちろんヴァリアント自慢のラゲッジスペースは、機能(6:4分割可倒式)、容量(611~1642リットル)とも新型のスペックそのもので使いやすく、ラゲッジボード下には、サブトランクとしても利用可能な“空間”を残す。パワーテールゲートはパッケージオプションのひとつとしてこのeTSI Activeでも選択可能で、やはりこれはあると便利な機能だ。

VW ゴルフヴァリアント eTSI ActiveVW ゴルフヴァリアント eTSI Active
ハッチバック+50mmのホイールベースの恩恵はやはり大きい。後席のゆとりの話だが、身長170cm以下のレポーターの運転ポジションでリヤに座ると、膝前にA4サイズの雑誌の縦の長さ以上のゆとりができる。座面の傾斜に自ずとキチンとした着座姿勢を促されながら、上級の『パサート』に迫る空間が実感できる。

まったくストレスを感じない1リットルエンジン

VW ゴルフヴァリアント eTSI ActiveVW ゴルフヴァリアント eTSI Active
48Vベルト駆動式スタータージェエネレーターにより、エンジン始動は人知れずいつの間にか実行される。この快適さは何者にも変えがたいといえるほど。注目の3気筒1リットルエンジンのパフォーマンスは、およそ実用領域で1.5リットルとの差をほとんど意識させないほどで、カタログ数値でコチラのほうが車重も70kg軽いため、今回のように箱根の“山坂道”でも、まったくストレスを感じなかった。

3気筒の音・振動もまったくネガな感触はない。7速DSGとのマッチングもスムースだ。実はタイヤサイズの差も同様で、ハッチバックに対するヴァリアントボディのゆったりとした挙動が保たれた上で、軽快なハンドリングと穏やかな乗り味が実現されている……そんな印象だった。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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