VWの電動SUVクーペ『ID.5』、航続は520km…予約受注を欧州で開始

モーターの最大出力は204ps

航続390km分のバッテリー容量を約30分で急速充電

最新のデジタルコックピット採用

フォルクスワーゲン ID.5
フォルクスワーゲン ID.5全 15 枚

フォルクスワーゲンは11月22日、新型EVの『ID.5』(Volkswagen ID.5)の予約受注を欧州で開始した。ドイツ本国でのベース価格は、4万6515ユーロ(約600万円)と発表されている。

ID.5は、フォルクスワーゲンブランド初のフル電動SUVクーペだ。フォルクスワーゲンの新世代EVの「ID.」ファミリーの中では、電動SUVの『ID.4』のクーペ版に位置づけられる。

◆モーターの最大出力は204ps

EV専用に開発された「MEB」(モジュラー エレクトリック ドライブ マトリックス)車台を使用する。モーターがギアボックスとともにリアアクスルに組み込まれ、後輪を駆動する。モーターからリアアクスルへのパワーの伝達は、1速ギアボックスを介して行われる。

フォルクスワーゲン ID.5フォルクスワーゲン ID.5

リアアクスルに搭載されたモーターによって、スポーティかつオールラウンドな性能を追求した。バッテリーは低重心化のために、キャビンのフロア下にレイアウトされた。後輪駆動による強力なグリップが、優れた性能を発揮するという。

欧州での発売当初、ID.5には「プロ」と「プロパフォーマンス」の2グレードが設定される。モーターの最大出力はプロが174ps、プロパフォーマンスが204psだ。両グレードともに、バッテリーの蓄電容量は77 kWhの大容量とし、長距離走行に対する。1回の充電での航続は、最大520km(WLTPサイクル)に到達する。

◆航続390km分のバッテリー容量を約30分で急速充電

デザインは、エレガントさやスポーティさを追求する。全長は4599mmで、短いオーバーハングと大きなホイールがその特長を際立たせているという。フロントグリルには、LEDライトストリップをオプションで装備できる。フロントバンパーのグリルは、ハニカムパターンとした。

フラットに近く傾斜したAピラーは、ルーフラインにエレガントな流れを与える、と自負する。リアには、ワイド感を強調するライトストリップを標準装備して、IDファミリーらしさを演出した。3DデザインのLEDテールライトによって、高級感を追求している。

フォルクスワーゲンは「We Charge」を利用して、便利でネットワーク化された持続可能な充電システムを追求している。We Chargeのネットワークは、ヨーロッパ全体で約25万か所の充電ポイントを擁する。標準のモード3ケーブルを使用すると、最大11kWの出力で交流(AC)充電できる。急速充電ステーションでは、最大充電出力135kWでチャージ可能。航続390kmに必要なバッテリー容量を、約30分で充電できる。

フォルクスワーゲン ID.5フォルクスワーゲン ID.5

◆最新のデジタルコックピット採用

SUVクーペボディの中には、ラウンジのような空間コンセプトを持たせた。クーペボディにもかかわらず、ID.5はID.4に対して、後席のヘッドルームをマイナス12mmに抑えた。2766mmのロングホイールベースは、上位の車両クラスのSUVに匹敵するインテリア空間を実現するという。ラゲッジコンパートメントの容量は549リットル。グレードによって、異なるシート素材を採用した。オプションのスポーツシートは、背もたれの上部にIDのロゴをあしらう。

最新のデジタルコックピットには、新しい操作コンセプトを導入する。ドライバーディスプレイとマルチメディアシステムは、高解像度とした。ドライバーの視界にさまざまな情報を表示する拡張現実ヘッドアップディスプレイが、オプションで選択できる。アンビエント照明は最大30色に切り替えられる。「We Connect」サービスは、リアルタイムのオンライン交通情報、オンラインのナビゲーションマップの更新、充電ステーションに関する情報、Webラジオなどをドライバーに提供する。

「Car2X」通信により、フォルクスワーゲンは安全性を追求している。他のフォルクスワーゲン車両から送信されたデータと、半径800m以内の信号機などのインフラストラクチャから得られたデータをもとに、危険なエリア、事故、故障車などの存在をドライバーに警告する。 ダッシュボード上側の横幅いっぱいに配された「IDコックピットライト」は、色を変えることで視覚的な警告をドライバーに与えるのに役立つ、としている。

フォルクスワーゲン ID.5フォルクスワーゲン ID.5

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「鈴鹿8耐」最注目のヤマハ車は完全新作の『YZF-R9』! 150万円を切るなら「ブレイクの予感」しかない
  2. 新型アウディ『Q3』のインテリアを公開、「コラム式シフト」と新デジタルコックピットが目玉に
  3. もしも「タイプ992」が初代911をオマージュした世界線だったら…? ウクライナのデザイナーが再解釈
  4. 新世代MINI『クーパー』と『エースマン』に全身ブラックの「モノクローム」登場
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る