用語の理解が重要!?…クロスオーバー[サウンドチューニング]

ツイーターの「ハイパスフィルター」の「カットオフ周波数」を、4kHzにセットした設定画面。
ツイーターの「ハイパスフィルター」の「カットオフ周波数」を、4kHzにセットした設定画面。全 9 枚

カーオーディオでは、音調整機能を使いこなせるか否かでも最終的なサウンドクオリティが変化する。なおその設定はプロに任せるのが1番だが、それと並行して自分でやっても楽しめる。当連載では、自分でやろうと思ったときに役立つ情報を多角的に発信している。

現在は、「クロスオーバー」について説明している。で、前回からはこれを扱おうとするときに理解しておくべき用語の解説を開始した。今回は、その前回の記事の中で説明した「クロスポイント」という用語について補足する。

さて「クロスポイント」とは、「クロスオーバー」機能で音楽信号の帯域分割を行う際の「境目」となる周波数ポイント、という意味の用語だ。例えば、ツイーターとミッドウーファー間の帯域分割を行う場合、その「境目」を4kHzに設定したとする。この場合は、この4kHzが「クロスポイント」だ。よってツイーターには4kHzより上の信号が、ミッドウーファーには4kHzより下の信号が流されることとなる。

しかしながら実際の設定においては、ツイーターの下限の周波数ポイントとミッドウーファーの上限の周波数ポイントとを一致させないこともある。例えばツイーターには4kHzより上の帯域を担当させ、ミッドウーファーには5kHzから下の帯域を担当させることもあるのだ。つまりこの場合には、4kHzから5kHzまでの音は、ツイーターとミッドウーファーの両方で再生されることとなる。

逆に、ツイーターには4kHz以上の帯域を担当させ、ミッドウーファーには3.15kHz以下の帯域を担当させる、というような設定がされることもある。

なおこのような設定の仕方をしても、3.15kHzから4kHzまでの音がまったくなくなるわけではない(その理由については次回に詳しく説明する)。まず今回は、「担当範囲の境目がツイーターとミッドウーファーとで同じ場合もあれば、異なる場合もある」ということを頭に入れておいてほしい。

で、「クロスポイント」という言葉は、担当範囲の境目がツイーターとミッドウーファーとで同じ場合にのみ使われる。そしてそれぞれの「境目」が異なる場合には、それぞれの「境目」のことは「カットオフ周波数」と呼ばれることとなる。

というわけで、「クロスポイント」と「カットオフ周波数」は同じ意味として使われることもあるけれど、「クロスポイント」の方は使われるケースが限定的となる。状況によっては、「クロスポイント」という言葉は使われなくなることもあるのだ。

今回は以上だ。次回も「クロスオーバー」にて使われる専門用語の解説を続行する。乞うご期待。

「クロスオーバー」を使いこなすには、用語の理解が重要!?「サウンドチューニング」実践講座 Part3 クロスオーバー編 その3

《太田祥三》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 狭い道! 制限1.9mだが何かがおかしい…東京都小金井市
  2. ポルシェ、新型『911カップ』発表…520馬力にパワーアップ
  3. トヨタ『ハリアー』6年ぶりのフルモデルチェンジへ…注目ニュースベスト5 2025年上期
  4. 4億円オーバーのV12エンジン搭載「完全アナログ」なハイパーカー登場!
  5. かつてのマーチ、新型日産『マイクラ』英国発売に、SNSでは「英国は小型車の価値を知ってる」「日本でも売りゃいい」の声
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る