ホンダ ステップワゴン 新型の「わくわくゲート」廃止は英断か?

ホンダ・ステップワゴン従来型のわくわくゲート
ホンダ・ステップワゴン従来型のわくわくゲート全 22 枚

1月に発表されまもなくの販売開始が予定されているホンダ『ステップワゴン』新型は、一部のマニアの間ではある装備の廃止が話題となっている。「わくわくゲート」だ。

従来型ステップワゴンのわくわくゲートは、ミニバンのリアゲートを跳ね上げ式(通常このパターン)でも横開きでも開くことができるドアだ。リアゲートを上に開ければ一般的なミニバンのように後ろがほぼ全開となり、荷物の出し入れに便利だ。雨天ではちょっとした屋根としても機能してくれる。横方向は全開ではなく冷蔵庫のドアのように縦長に半分ほど開く。後ろから人の乗り降りやせまいところで半分だけ開けたいといったときに便利だ。

なによりわくわくゲートの利点は「子どもが喜ぶ」ことだ。と筆者が思っているだけだが……。だが、このポイントは重要だ。知り合いのステップワゴンオーナーファミリーからはは「わくわくゲートは子どもは喜ぶだけね(=自分はいらない)」という証言を聞いたこともある。ステップワゴンではないが、日産『ラフェスタ』のパノラミックルーフ(ミニバンの後席までガラス張りのルーフ)では、知り合いの子どもは乗ると必ずルーフのシェードを全開にしていた。

大人からすれば、ガラスルーフやわくわくゲートにしても「そんなものはすぐに飽きる」で済むが、子どもにそんな理屈は通用しない。仮にすぐだったとしても「飽きないと」納得しない。わくわくゲートは、後ろのドアから乗り降りができることが楽しいのであって、それが便利だから子どもが喜ぶわけではない。

それに、思い出してほしい。中折れケータイが大流行していた時代、縦にも横にも開くケータイが開発されたことがあった。ヒンジ機構も凝ったもので、中には開く方向で文字盤(テンキー)の向きが変わる(ボタンの中央が窓になっており、中で文字盤がスライドして表示が変わる)ものさえあった。今思うと、なんであんなものが流行ったのか謎でしかない。「飽きないと納得しない」のは子どもに限った話ではない。

ホンダ・ステップワゴン新型ホンダ・ステップワゴン新型

誤解しないでいただきたいのは、だからわくわくゲートは不要だ、ということを言いたいのではない。ミニバンのような車は、ライフステージの一時期を象徴する存在であり機能を持っている。子どもが喜ぶミニバン(ギミックも含む)は合理的な存在なのだ。事実、メーカーやディーラーには「わくわくゲートをなぜ無くしたんですか」という問い合わせが来ているという。ネットなどでも廃止を惜しむ声を見聞きする。機構的にも面白いわくわくゲートがなくなることは確かにさみしい気もする。

廃止の事情はいろいろあるだろうが、大雑把に突き詰めれば、われわれ消費者が軽自動車か『ヤリス』しか買ってないので(それしか売れてない市場なので)、車種や装備のバリエーションが限られていく。メーカーの決定もやむを得ないだろう。

《中尾真二》

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