ブガッティの最高速380km/hハイパーカー、耐久テスト完了…間もなく10台のみを生産へ

最終耐久テストの舞台はイタリアのナルド・サーキット

ブガッティの創業110周年記念モデル『EB110』へのオマージュ

シロンをベースにした専用ボディ

W16気筒+4ターボエンジンは最大出力1600hp

ブガッティ・チェントディエチ
ブガッティ・チェントディエチ全 11 枚

ブガッティは3月28日、新型ハイパーカーの『チェントディエチ』(Bugatti Centodieci)が、プロトタイプによる5万km以上の耐久テストを完了した、と発表した。間もなく、世界限定10台の生産を開始する予定だ。

写真:ブガッティ・チェントディエチ

◆最終耐久テストの舞台はイタリアのナルド・サーキット

テストドライバーとエンジニアは、何か月にもわたって高速道路やサーキット、一般道を走行し、技術的なデータを収集してきた。最終的な耐久テストは、南イタリアのナルド・サーキットで行われた。

白いプロトタイプ車両は、1時間ごと、1kmごと、1周ごとに、3人のドライバーが交代で走行させて、小さな異常を見逃すことなく記録した。昼夜を問わず、さまざまな路面で、渋滞レベルの速度から最高速まで、あらゆる速度で運転する。耐久性テストでは、濡れた路面と乾いた路面の両方を走行し、小さなステアリングの動き、ブレーキ、加速、コーナリング負荷、先進運転支援システム(ADAS)の機能などをテストした。

高速サーキットとハンドリングコースを備えたナルドは、集中的な耐久テストの場所として理想的という。全長12.6kmのコースは、世界最速の自動車サーキットとしても知られており、最高速380km/hのチェントディエチに相応しい舞台となった。全長6.2kmのハンドリングコースでは、車両に高い負荷をかけた状態で、縦方向と横方向のダイナミクスを確認した。

プロトタイプは、毎日最大1200kmを走行し、技術面のチェック、給油、ドライバーの交代の時だけ停止した。ブガッティのエンジニアは、常にエンジンと車両のデータを分析し、必要に応じて調整を行ってきた。

ブガッティ・チェントディエチブガッティ・チェントディエチ

◆ブガッティの創業110周年記念モデル『EB110』へのオマージュ

チェントディエチは、ブガッティの創業110周年記念モデルであり、ブガッティが1990年代に生産した『EB110』へのオマージュとして開発された。車名のチェントディエチとは、イタリア語で110を意味している。

EB110は1991年に発表され、ブガッティブランドの復活を印象づけたスーパーカーだ。EB110には、パワーアップ版として「SS」が用意されていた。車名のSSとは、「スポーツ・ストラダーレ」の略だ。3.5リットルの排気量を備えたV型12気筒ガソリンエンジンに、4個のターボチャージャーを組み合わせ、最大出力611psを獲得していた。6速MTを介して、0~100km/hを3.2秒で駆け抜けるというスーパーカーだった。

EB110は、イタリアのカンポガリアーノで生産された。ブガッティの元オーナーのロマーノ・アルティオーリは、ブガッティを創業したエトーレ・ブガッティの生誕109年の1990年9月15日、イタリアに工場を開設した。そしてアルティオーリは翌1991年、エトーレ・ブガッティの110歳の誕生日に、スーパースポーツカーのEB110を公開した。

ブガッティ・チェントディエチブガッティ・チェントディエチ

◆シロンをベースにした専用ボディ

ブガッティによると、チェントディエチの開発と設計に関しては、多くの技術的課題に直面したという。EB110は1980年代後半に開発されており、非常にフラットで、くさび形の古典的デザインが特徴だ。一方、チェントディエチのベース車両の『シロン』は、複雑なエアロダイナミクスフォルムを備えており、シロンベースでEB110のようなデザインを構築することに苦労したという。

フロントには、馬蹄形のラジエーターグリルを装着した。新開発のフロントスポイラーは、フロントバンパーの3分割エアインテークに似合うようにデザインされた。ノーズは非常に低く、象徴的なブガッティホースシューは、低いノーズに合わせて小型化された。これらのデザイン要素により、EB110のモチーフを再現しているという。LEDデイタイムランニングライトを組み込んだヘッドランプは、スリムなデザインが特長だ。

ボディサイドでは、BピラーのCラインが、シロンよりも大幅にコンパクト化された。5つの丸型エアインサートを、ダイヤモンドの形で配置した。W16気筒エンジンの冷却に、充分なエアインテークを備えている。

ブガッティ・チェントディエチブガッティ・チェントディエチ

◆W16気筒+4ターボエンジンは最大出力1600hp

チェントディエチのミッドシップに搭載されるパワートレインは、シロンの8.0リットルW16気筒+4ターボがベースのエンジンだ。オイルクーラーに吸気口を追加することにより、エンジンの冷却性能を引き上げるなどの専用チューンを受けた。最大出力は1500hp/6700rpmから、1600hp/7000rpmに、100hp向上している。

トランスミッションは7速デュアルクラッチ「DSG」で、駆動方式は4WDだ。チェントディエチはシロンに対して20kg軽量化されており、0~100km/h加速2.4秒、0~200km/h加速6.1秒、0~300km/h加速13.1秒の性能を発揮する。最高速は380km/h(リミッター作動)に到達する。

チェントディエチは10台のみを、フランス・モルスハイムで、ハンドメイドで組み立てる計画だ。価格は800万ユーロ(約10億8640万円)だが、10台は完売している。2022年内に、10台の納車を完了させる、としている。

ブガッティEB110ブガッティEB110

《森脇稔》

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