音の“グラデーション”のさせ方…クロスオーバー[サウンドチューニング]

ドアスピーカーの「ハイバスフィルター」を、「マイナス12dB/oct」に設定したときの画面の一例(クラリオン・フルデジタルサウンド)。
ドアスピーカーの「ハイバスフィルター」を、「マイナス12dB/oct」に設定したときの画面の一例(クラリオン・フルデジタルサウンド)。全 8 枚

カーオーディオでは「サウンドチューニング機能」を使いこなせるか否かも、最終的なサウンドクオリティに大きく響く。なおその操作はプロに任せるべきではあるのだが、併せてユーザー自ら行っても楽しめる。当連載では、自分でトライする際のコツを、1つ1つ解説している。

【画像全8枚】

さて現在は、フロントスピーカーとサブウーファー間の「クロスオーバー調整」のやり方を紹介していて、前回までの記事の中では「クロスポイント(帯域分割をする際の境目)」の決め方を説明した。それに引き続いて今回は、「スロープ」の設定方法を解説していく。

最初におさらいから入ろう。「スロープ」とは以前の記事の中でも説明したとおり、音楽信号に「ハイパスフィルター」や「ローパスフィルター」をかける際の、信号の「減衰率」のことを指す。例えば、「クロスポイント」を80Hzに設定した際には、ドアスピーカーの信号に対しては80Hz以下の信号に「ハイパスフィルター」がかけられることになるわけだが、80Hz以下の信号の音量が低い音ほど小さくなっていく、その“小さくなる度合い”のことが「スロープ」と呼ばれている、というわけだ。

なお、「スロープ」の単位は「マイナス○○dB/oct(ディービーオクト)」で表される。これはつまり、1オクターブ音程が下がるごとに何dB音圧が下がるかを表すものだ。例えば「マイナス12dB/oct」に設定したとすると、1オクターブ音程が下がるごとに12dBずつ音量が下がるという「減衰率」となる。

ちなみに、AV一体型ナビ等のメインユニットに搭載されている「サブウーファー出力」に併せて設定されている「クロスオーバー」機能の中には、「スロープ」が固定されているものもある。つまりそのようなケースではあらかじめ設定されている「スロープ」値しか選べない。

対して選択できるタイプである場合には、ベストをどのような観点で決めれば良いのかというと…。

結論から言うと決め方に絶対的な決まりはない。好みに応じて選べば良いのだ。なお、マイナスの後に入る数字が大きくなればなるほど、減衰率が急峻になるので、ドアスピーカーとサブウーファーの両方から聴こえてくる音の割合は減ってくる。

つまり色で例えると、“グラデーション”がかかる部分が狭くなる。例えばドアスピーカーから出てくる音が赤色でサブウーファーから出てくる音が白色だと考えると、赤から白に変わる“グラデーション”のかかる範囲が比較的に狭くなる。対して数字を小さくすると「減衰率」が緩くなるので、“グラデーション”がかかる範囲が広くなる。

で、設定する際には、数字が大きいときと小さいときとでどちらの方が「繋がり感が良くなるか」に着目して数値を決めよう。

ただし1点、注意すべきポイントがある。それは「位相」だ。この件については次回の記事にて詳しく解説する。乞うご期待。

音の“グラデーション”のさせ方を調節!?「サウンドチューニング」実践講座 Part3 クロスオーバー編 その8

《太田祥三》

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