「アンプ内蔵DSP」はシステム完成形をイメージして選ぶ[カーオーディオ“チョイスのコツ”]

パワーアンプ内蔵DSPの一例(ヘリックス・P-SIX DSP MKll)。
パワーアンプ内蔵DSPの一例(ヘリックス・P-SIX DSP MKll)。全 4 枚

「ドライブと音楽はセット」、そう考えているドライバーは多い。その音楽が、より良い音で聴けるとしたらどうだろう。きっと、ドライブは今よりもっと楽しくなる。カーオーディオシステムのバージョンアップを行うとそれが叶う。

当特集では、それを実行しようとするときの「製品選びのコツ」をガイドしている。今回は、“パワーアンプ内蔵DSP”の選び方のポイントを解説していく。なお今回は、茨城県守谷市にて店舗を構える実力店、“クァンタム”に講師役をお願いした。有意義な情報が多々得られた。その中身を早速紹介していこう。

◆“パワーアンプ内蔵DSP”の導入が向いたクルマとは?

最初に、“パワーアンプ内蔵DSP”とは何なのかを簡単に説明しておこう。これは、チューニングアイテム“DSP”と音楽信号の増幅を行う“パワーアンプ”とが一体化したユニットだ。これを導入すれば、あとはソースユニット(音楽プレーヤー)とスピーカーがあれば高度なカーオーディオシステムを完成できる。

さて、“クァンタム”の代表・土屋さんにまずは、これの導入が向いているケースから教えてもらった。

「スピーカーを換えると音の質が良くなりますが、“DSP”を用いることでも聴こえ方をガラリと変えられます。車内には音響的な不利要因がいくつかあり、それへの対処が可能となるからです。なお“DSP”にはタイプ違いがいくつかあり、例えば高度なメインユニットにも優秀な“DSP”が搭載されています。しかしメインユニットを交換しにくい車種も増えていて、そのような車種にはこの“パワーアンプ内蔵DSP”が向いています。これなら合理的にシステムの高性能化が図れます。

また純正カーオーディオシステムがマルチch化されている場合にも、力を発揮します。そのようなケースでは多くの場合各スピーカーに送られる信号にあらかじめサウンドチューニングが施されていて、しかもその設定は後から変更できません。しかし“パワーアンプ内蔵DSP”と音楽プレーヤー(スマホ等)とを併せて導入すれば、思いどおりにサウンドチューニングできるシステムを完成できるんです」

パワーアンプ内蔵DSPの一例(マッチ・PP-86DSP)。パワーアンプ内蔵DSPの一例(マッチ・PP-86DSP)。

◆将来的に“どんなシステムを組みたいか”、その見極めが肝心!

次いではいよいよ、“パワーアンプ内蔵DSP”を選ぶ際のポイントを教えてもらった。

「もっとも重要なことは、“どんなシステムを組みたいか”です。“パワーアンプ内蔵DSP”はこれにて合理的にシステムを完成できることを強みとしていますが、ゆえに後からシステムを発展させにくいです。機種の仕様によりできることが変わってくるため、システムの完成形も機種ごとで決まってしまいます。

なので、将来的にどのような形に仕上げたいかを考えて、それを実現できるモデルをお選びいただきたいですね。例えば、フロントスピーカーは2ウェイで良いのかいつかは3ウェイにしてみたいのか。そういった部分をイメージしておかないと、場合によっては後から“パワーアンプ内蔵DSP”自体を買い替えなければならなくなります。それは避けたいです。

ですので、コントロールできるch数、内蔵されているパワーアンプのch数、対応するサンプリングレートとビットレート、デジタル入力端子の仕様、これらをチェックしておきましょう」

パワーアンプ内蔵DSPの一例(ヘリックス・M-FOUR DSP)。パワーアンプ内蔵DSPの一例(ヘリックス・M-FOUR DSP)。

◆組みたいスピーカーレイアウトや、接続したいDAPのタイプも考慮!

「もう少し具体的にご説明していきましょう。まず、組みたいスピーカーレイアウトが“フロント2ウェイ+サブウーファー”であるのならコントロールできるch数は“6”あればOKです。しかし、いつかは“フロント3ウェイ+サブウーファー”を組んでみたいという思いが少しでもおありなら、コントロールできるch数は“8”が確保されたモデルを選ぶべきです。

また、DAP(デジタル・オーディオ・プレーヤー)を組み合わせたいと思われるのであれば、それをデジタル接続できるか否か、そしてデジタル入力端子の仕様までチェックしたいです。さらにはDAPにてハイレゾ音源を聴かれるのであれば、対応するサンプリングレートとビットレートも確認するべきです。

ところで“パワーアンプ内蔵DSP”の多くは、内蔵パワーアンプでサブウーファーを鳴らせるようにはなっていません。しかし一部の機種ではサブウーファーも鳴らせます。なので“パワーアンプ内蔵DSP”にてシステムを完結させることに重きを置かれるのであれば、そのようなモデルが向いています。とはいえサブウーファーは外部パワーアンプで鳴らした方が良い結果を得られやすくなりますから、そこにはこだわらなくても良いかもしれません。

あとは、音の善し悪しも見極めたいですね。ポイントとなるのは、音響パーツのクオリティです。そのあたりはショップにてアドバイスを得てください。


お近くでしたらお気軽にお越しください。“パワーアンプ内蔵DSP”の導入に関してはもちろん、その他についてもさまざなご要望にお応えできると思います。お待ちしています」

《太田祥三》

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