「BEV向けCVT」はEV普及の後押しとなるか、蛇足となるか…人とくるまのテクノロジー2022

ボッシュが開発したBEV用CVT(人とくるまのテクノロジー2022)
ボッシュが開発したBEV用CVT(人とくるまのテクノロジー2022)全 4 枚

横浜での「人とクルマのテクノロジー展」は終了したが、引き続き6月末からは名古屋でも開催される。今回は3年ぶりの対面開催とあって、やはり来場者も出展社もそれなりの意気込みを感じた。やはり展示の中心を占めるのは電動化への取り組みである。

そんな中見つけたのがBOSCH(ボッシュ)が展示したBEV用のCVTである。ごく一部の例外を除いて現在生産されているBEVにはトランスミッションは装備されていない。基本的に必要がないからだ。

では何故敢えてトランスミッションというか、BEV用CVTを開発したのだろうか。ボッシュの説明では効率化だそうである。変速させることで、より効率のよいモーターの仕事を引き出すことが可能になる。例えばオーバードライブレシオにすれば、さらに電費をよくすることができるし、発進の際などでもより強力なトルクを得ることができるわけである。考えようによってはモーターにギアを組み合わせることで、従来よりも低出力のモーターを使っても同等の性能が得られる可能性もあるということであった。

因みにベルト式のCVTはオランダのヴァンドールネが元々特許を取得した駒を押すプッシュ式の方式である。ただ、見た限りはそれなりのスペースが必要だし元々コンパクトが身上のモーターに装備した場合に、モーター単体以上の効率が生み出せるのだろうか。まあ、生み出せるとの判断から開発が進んでいるのだろうが、果たして蛇足のアイデアか、それとも本格的に普及してBEV浸透の手助けになるのか、興味深い。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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