ポルシェ 718 ケイマン を1088馬力のEV化、ヒルクライムに…グッドウッド2022

内燃エンジン搭載の『911GT3カップ』と性能は同等

ボディを140mmワイド化し約6000点の部品を新設計

レーシングEVによる将来のワンメイクカップを視野に

ポルシェ 718 ケイマン GT4 e パフォーマンス(グッドウッド2022)
ポルシェ 718 ケイマン GT4 e パフォーマンス(グッドウッド2022)全 10 枚

ポルシェは6月27日、『718ケイマンGT4』をEV化した『718ケイマンGT4 eパフォーマンス』(Porsche 718 Cayman GT4 ePerformance)のプロトタイプが、英国で開催された「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」でデビューした、と発表した。同フェスティバルのヒルクライムに出走している。

写真:ポルシェ 718 ケイマン GT4 e パフォーマンス(グッドウッド2022)

◆内燃エンジン搭載の『911GT3カップ』と性能は同等

718ケイマンGT4 eパフォーマンスのEVパワートレインは、2021年秋のIAAモビリティ2021で初公開されたレーシングEVコンセプト、『ミッションR』がベースだ。

718ケイマンGT4 eパフォーマンスでは、前後アクスルに高性能モーターの「PESM」を搭載する。システム全体で1088psのパワーを引き出し、4輪を駆動する。モーターやバッテリーを直接油冷する方式を導入し、熱による出力低下を排除。レーシングモードでの出力は、30分間一定に保たれるという。900ボルトの急速充電テクノロジーを採用した。これにより、バッテリーの容量の8割を充電する時間は、約15分で済むという。

ポルシェのシミュレーションでは、1回のレースで612psのモーターパワーをコンスタントに最大30分間、発揮できることが確認された。これは、「カレラカップ」のレース時間と同じ。718ケイマンGT4 eパフォーマンスは、ラップタイムと最高速の点で、現行の「タイプ992」世代の『911GT3カップ』のパフォーマンスと同等という。

ポルシェ 718 ケイマン GT4 e パフォーマンス(グッドウッド2022)ポルシェ 718 ケイマン GT4 e パフォーマンス(グッドウッド2022)

◆ボディを140mmワイド化し約6000点の部品を新設計

718ケイマンGT4 eパフォーマンスは、内燃エンジンを積むレーシングカーの『718ケイマンGT4クラブスポーツ』よりも、ボディを140mmワイド化した。およそ6000点の部品を新設計する。ボディは天然繊維を使った複合素材でできており、同等の複合素材よりも生産時の排出量を少なくすることを目的としている。

リサイクルされたカーボンファイバーを、試験的に活用する。ベース車両の718ケイマンGT4クラブスポーツに対して、ワイド化されたフェンダーが、ミシュラン製の18インチのレーシングタイヤの装着を可能に。再生可能素材は、タイヤにも使用されている。

このミシュラン製レーシングタイヤは、全体の53%がバイオベースまたはリサイクル素材で構成されている。持続可能な素材には、パートナー企業のEnvirが特別な処理方法によって、使用済みタイヤから回収した天然ゴムも含まれている。

◆レーシングEVによる将来のワンメイクカップを視野に

ポルシェは、英国のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードを皮切りに、今後2年間で、718ケイマンGT4 eパフォーマンスのワールドツアーを行う。ドイツ本国をはじめ、世界各国において、718ケイマンGT4 eパフォーマンスを披露していく。

ワールドツアーの目的は、最先端の車両コンセプトの可能性とそれに関連するレーシングフォーマットの可能性を、モータースポーツに参戦しているカスタマーチームやパートナー、レース関係者に示すことだ。

ポルシェはすでに、718ケイマンGT4 eパフォーマンスの走行テストを開始した。718ケイマンGT4 eパフォーマンスのテストは、ミッションRのビジョンがサーキットで実際に機能することを証明するのが狙いだ。ポルシェは将来、レーシングEVを使用したワンメイクカップの開催を視野に入れている。


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《森脇稔》

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