【ダイハツ ムーヴキャンバス 新型】カワイイを継承しながらスッキリのエッセンスを追加

ダイハツ ムーヴキャンバス(左:セオリー、右:ストライプス)
ダイハツ ムーヴキャンバス(左:セオリー、右:ストライプス)全 38 枚

約6年ぶりにフルモデルチェンジしたダイハツの軽ハイトワゴン『ムーヴキャンバス』。果たしてどういう思いを込めて開発されたのか、担当のダイハツ工業 営業CS本部 国内商品企画部 松田梨江さんに話を聞いた。

◆継承と進化、ポイントは?

----:DNGAを使ったフルモデルチェンジだそうですが、誰がどう見てもキープコンセプトですね。

松田梨江さん(以下敬称略):はい。初代が大変ご好評をいただいていたこともあり、今回は時代の進化分を織り込みました。「ストライプス」の母・娘・親子のコンセプトも変わっていません。

----:よほど評判がよかったんですね。

松田:クルマにあまり興味を持っていなかった若い女性にも「街中で見かけてかわいくて一目惚れした」と言っていただき、実際にご購入いただいた方もたくさんいらっしゃいました。

----:テーマは継承と進化だ、と伺いましたが、具体的にどのような要素を重視しているのでしょうか。

松田:継承で言いますとストライプスの特徴的な2トーン、スマイルフェイス、横から見た時のおおらかな丸みのあるロングキャビンのシルエットの3つです。一方で進化では“カワイイの時代進化分”があり、デザイン的にカワイイにスッキリのエッセンスを加えたものとしました。ほかに装備面での今の若い女性の使い勝手を考え、どんなところをプロダクトに求めているのか分析しながら開発を進めました。

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----:新旧でハードポイント、サイズ、広さなどは変わっていますか?

松田:実はスライドドアの開口幅、ステップ高、大きさなどはほとんど変わっていないんです。ただし全体の意匠、パッケージングは似てはいますが、完全なフルモデルチェンジ。意匠に関して流用部品などはありません。

----:ガラスなども?

松田:DNGAをベースにしていることから、基本的に一から起こしています。寸法が5~10mmほど変わっている部分もありますがそれは機能的な違いではなく、お客様が気持ちよく過ごしていただけるようにした結果こうなったということです。

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◆落ち着いた上質な「セオリー」

----:「セオリー」は新シリーズですね。

松田:はい。セオリー投入の狙いは、より幅広い方にキャンバスを受け入れていただけるポテンシャルがあるだろうという思いから、大人世代の落ち着いた、上質なグレードと考えました。外形はモノトーンとしてメッキの加飾をサイドとリヤに付け、内装もまったく違う色にし、革巻きのステアリングやシフトを付いていたり、メッキの加飾やメーターの意匠なども違います。

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----:メーターは盤面や指針のデザインが違っているんですね。

松田:はい、セオリーはちょっと上質なデザインに仕立てています。内装色も少しダークな紺と茶色で“こだわっている感”を出しています。男性も含めて大人世代の方にもお選びいただきたいなと思っています。

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◆スッキリのエッセンスを散りばめた

----:そのほかポイントはありますか?

松田:そうですね、やはりどれぐらい継承してどれぐらい進化させるかは、かなり時間をかけました。初代のお客様にも受け入れていただきながら、けれども新しさも必要だ…というところで、カワイイの時代進化の分析には、かなりたくさんの女性の声を聞いています。

----:なるほど。

松田:意匠については、あまりスッキリしすぎてもシャープになってしまう、かといって変わっていないとフルモデルチェンジに見えない、そのあたりの塩梅を見ながら、スッキリのエッセンスを全体に散りばめているところがこだわったポイントです。

----:スッキリのエッセンスとは、例えばどんなところですか?

松田:従来型はフロントに丸のエンブレムがありましたが、新型ではあえて文字のロゴにすることで、あどけなさをスッキリとさせ少し成長した印象にしました。文字にした理由はもう一つあり、今までは街中で見かけて一目惚れしていただくのですが、車名をご存知ないまま「あの2トーンのかわいいクルマは何?」とご来店いただくことが多かった。そこでキャンバスの知名度を高めていきたい…そんな思いもありました。

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----:丸いロゴエンブレムはオプション設定はあるのですね?

松田:はい。それと初代と似てはいますが、全体のシルエットもできるだけコロンと丸味を出すようにしました。カワイイの時代進化でいうと、化粧品、洋服などもどんどんスッキリの方向にいっています。そこでスッキリしていて、かつ、ちょっとこだわり、遊び心、面白さを感じるところが女性の琴線に触れるということも分析からわかりましたのでそうしました。

ヘッドランプとリヤのランプがどちらもキャンバスの「C」の形に光り、どこから見てもこのクルマがキャンバスだと判る仕様になっています。ランプには“隠れキャンバス”ではないですがロゴも入れてあります。サイドパッドもボディ色とメッキを組み合わせてこだわり感を出しました。リヤのライセンスプレートも、すっきり感を出せるように下のバンパー部に移動し、ストライプの場合に白の面積を大きくしました。

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《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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