さらば日本電産、日産出身でCEOから降格の関社長も退任へ[新聞ウォッチ]

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今年4月、日産自動車出身で日本電産の関潤社長が、最高経営責任者(CEO)のポストから降格された際、創業者の永守重信会長が「逃げない限りは後継者として育てる」と語ったことについて、週刊誌に「自動車の仮免許でも半年が期限、進退問題はそれまでに結論が出るだろう」とコメントしたが、どうもその方向でコトが運んでいるようである。

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日本電産が、10月から新たな経営体制に移行する方針を固めたと、日経などのメディアが報じている。それによると、関潤社長兼最高執行責任者(COO)が退任し、後任には創業にも参画してきた大番頭で73歳の小部博志副会長を起用する方向で調整しているという。また、創業者の永守重信会長兼CEOは続投するとも伝えている。

ゴーン事件後、日産では新社長に内田誠氏が就任。ライバルだった関氏は永守氏に「三顧の礼」で招かれて日産の副COOから転身し、2020年4月に日本電産の社長に就任した。21年6月には永守氏からCEOのポストを譲られ、経営トップとなったが、世界的な半導体不足に伴う株価の大幅な下落を理由に、今年4月にCEOから降格されていた。

きょうの各紙も、日経が「永守氏後継リスク増す」とのタイトルで、「永守会長兼CEOはまもなく78歳となるが、過去に社外からヘッドハンティングした後継候補はことごとく会社を去った。2030年に売上高10兆円を目指すものの、永守氏に依存するリスクが改めて浮き彫りになり、次世代に経営を引き継ぐ仕組みづくりも課題になる」と取り上げている。

朝日も「関氏が担当する車載事業の不振が続くことで、創業者の永守会長と距離が生じていた。関氏は永守氏の後継に指名されていたが『ポスト永守』をまた失うことで、同社の将来への不安が高まるのは必至だ」などと報じた。

カリスマとかワンマン、独裁経営とか、永守氏を語る表現はさまざまだが、有能な名経営者だったのが、長期政権の弊害によって、晩節を汚すような後継人事で迷走を繰り返しているのは極めて残念である。

2022年8月26日付

日本電産社長退任へ「永守氏後継」混乱続く(読売・6面)

●JR九州18区間赤字、昨年度ローカル線計51億円(読売・6面)

●マイナンバー自動車登録でも(朝日・8面)

●わいせつ報道で香川さん側謝罪「不快の念与えた」(毎日・20面)

●値上げウオッチ、スバル「フォレスター」一部改良で(東京・6面)

●ホンダ、来月上旬減産へ、半導体不足など響く(日経・14面)

日野自エンジン不正問題、消防車供給にも影響、モリタHD納入遅れの懸念も(日経・15面)

《福田俊之》

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