人型じゃなくても便利なロボットたち:搬送や追尾…ロボデックス秋2022

AGVの応用製品(ロボデックス秋2022)
AGVの応用製品(ロボデックス秋2022)全 15 枚

猫型ロボットといえば、ドラえもんではない。いまはファミレスの配膳ロボの時代だ。だが、AGVの応用は産業用では歴史は古く日本でもさまざまな製品が開発されている。ただ、消費者の目にインパクトのある形で触れるようになったのはここ数年だろう。

ugoとサウザーの詳細画像

幕張で開催された「ロボデックス秋(2022)」では、ボストンダイナミクスの「Spot」の展示が目を引いていたが、各社のAGV系(ホイールやクローラ駆動)機能ロボットも展示も目立った。その中から2種類ほど紹介する。

ひとつはugo(ユーゴ)社の点検ロボ「ugo」シリーズだ。AGV台車の真ん中に細長いポールが立っており球体のロボット頭部(画像センサー)が付いたものが基本モデルだ。用途によってアームが2本ついたり、アームが上下に移動できるモデルなどもある。さらに、センサーやアームなどを自由に実装できる「DIYモデル」もある。キャビン以外むき出しのトラックに任意の架装を行うのと同じと思えばよい。

ugoが点検するのは、倉庫のラック、データセンターのラック、ラインの計器類、商品棚、書架などなんでもよい。監視だけならカメラやRFID、その他のセンサーがあればいい。メータやディスプレイ、点検ランプなどは画像認識が利用できるので人間の目視の代わりになる。アームをつければ簡単な作業も可能だ。アラートボタンやブレーカーを解除したり、スイッチなどの物理操作をプログラムまたは遠隔操作すればよい。データセンターでは「リモートハンド」というサービスメニューがあるが、多くはサーバーのリセットスイッチを操作するなどの作業が多い。

もうひとつは「Doog」という会社の「サウザー」だ。モーターがついた自走式の台車でライントレース、自動追尾走行が可能だ。制御は比較的単純で。ジョイスティックによる手動操作もできるようになっている。自動追尾は、前方のレーザーセンサーに認識した対象物(人間の足)を自律走行で追尾し続ける。障害物を検知したり対象を見失うと停止する。用途は、自動倉庫の棚やパレットへの部品・商品補充のアシストや農作業のアシストだ。オペレータに追従して荷物や作物を運んでくれる伴走ロボだ。農作業用にはホイールがクローラになったモデルがある。

似たような製品は、ホイール付きのキャリーケースで見たことがある人もいるだろう。こちらはソニックセンサーやリモコンなどをビーコンとする、比較的単純な追従制御だが、サウザーはレーザーセンサー(LiDARと思えばよい)を利用するので、人間の足の形や動きをみている。間に別の人が割り込んできても、対象を識別できるという。

ペイロードはスタンダードタイプで300kg。最大600kgのモデルもある。追従対象には他のサウザーも設定できるので、隊列走行にも対応する。追加の360度センサーをつければ(ようは全周LiDARだ)、一度教えたコースをトレースするメモリトレースも可能になる。

制御やしくみとしては単純な部類に入るが、その分アシスト業務での応用範囲は広い。スタンドアロンで動くので導入ハードルも低い(インフラ整備やオペレーションの学習、プログラミングなど不要)。


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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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