カタカナが多くて無理? トヨタウーブン・シティ地元、裾野市の未来構想が終了

裾野市(ウーブン・シティ以前)
裾野市(ウーブン・シティ以前)全 5 枚

トヨタ自動車が構想中の実証都市「トヨタウーブン・シティ」。その地元の静岡県裾野市で展開されていた「スソノ・デジタル・クリエイティブ・シティ構想」について、裾野市は2日、終了を発表した。15年計画で2年が経過したところで、一定の成果を見たという。

裾野市は2020年3月、独自の次世代型近未来都市構想を発表した。裾野市において、スーパーシティを見据えたスマートシティを実現するための構想として策定された。

裾野市構想では、Society5.0時代を迎えるにあたり、クリエイティブマインドを持った市民や企業などが、デジタル技術やデータの利活用によって、あらゆる分野の地域課題を解決する、とされた。「市民生活を豊かにし、市民が生きる喜びを実感できるまちの実現」を理念とし、「デジタル」と「クリエイティブ」がコンセプトだった。

構想を推進するためにコンソーシアムを立ち上げ、トヨタウーブン・シティも参画していた。構想発表時には「ウーブン・シティの発表前と発表後では、裾野市のまちづくりの前提が大きく異なる」と明確に謳われ、事業の一つに「ウーブン・シティ周辺の整備および地域との融合」があった。

計画では、ウーブン・シティを地域住民に開かれたまちとする、ウーブン・シティを訪れる人や企業が多数見込まれるため対応が必要、世界中から集まるクリエイティブ・クラスとの交流の場や機会の創出、外国語や外国文化を市内施設に取り入れる、などとされた。

構想の策定からこれまでの2年間において、スマートシティを形作る取り組みとして43件の実証実験や実装を行なったという。しかし創造性のあるチャレンジではあるものの、デジタル技術を活用したICT技術の実証では、市民にわかりやすい形で伝えることが難しいカタカナ用語が多く使われ、市民生活に寄り添った取り組みでないとの指摘もあったそうだ。新型コロナウイルス感染症が流行するなど、市の置かれる状況も変化した。加えて近隣自治体でもDXが推進し、裾野市の構想の優位性が薄れてきた。

構想終了の理由は、現時点で裾野市が直接スーパーシティやスマートシティをめざすものではないことと、取り組みによる実証・実装については2年で一定の成果があったことから。本構想の期間は当初、2035年までの15年間とされていた。


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