国際学生“社会的EV”デザインコンテスト…最優秀賞は東京都立大学大学院チーム

最終プレゼンテーション参加者と審査員で記念撮影
最終プレゼンテーション参加者と審査員で記念撮影全 23 枚

10月18日、開催中のCEATEC 2022において、電気自動車普及協会APEV)が主催する「国際学生“社会的EV”デザインコンテスト2022」の最終審査プレゼンテーションと審査、表彰式が実施された。最優秀賞グランプリは東京都立大学大学院「Sakai Mobility Systems」が受賞した。

[写真:国際学生“社会的EV”デザインコンテスト2022]

このコンテストはこれまで、2013年から2019年まで計4回にわたって、2年ごとに開催されていた東京モーターショーに合わせて実施されてきた。しかし、2021年は世界的に蔓延したCOVID-19への対応で開催を断念。本来なら2023年の東京モーターショーでの開催を予定していたが、ショー自体がモーターショーとは異なるスタイルに変わることが明らかとなり、今回のCEATEC 2022での開催となったものだ。

◆単なる移動体ではないEVをデザイン

今回のコンテストの課題とされたのは、「“社会デザインとEV”2040の提案」と題し、EVの役割を単なる移動体の観点からではなく、人々の生活に必要不可欠なモビリティとしてのあり方、人々の豊かな暮らしとは何かを考えるものとした。これに伴い、評価軸としたのは「2040年の社会デザイン(優先:課題発掘」+コンセプト(解決策)+デザイン(説明としてのビジュアル)を踏まえての審査となった。

コンテストに作品を提出したのは82チーム(日本:12校24チーム、海外:3カ国55校58チーム)で、1次審査を通過したのは18校26チーム(日本:10校18チーム、海外:8校8チーム)。そのうち2次審査に作品を提出したのは24チームで、そのうちの12チームが2次審査を通過して、この日の最終審査に臨んだ。最終審査に臨んだ12チームの内訳は、日本からが6校9チーム、インドからは3校3チーム。インドから参加したチームは英語でプレゼンテーションしたが、会場では同時通訳も用意して対応していた。

そして、最終審査の結果、最優秀賞グランプリを受賞したのは東京都立大学大学院「Sakai Mobility Systems」が提案した『Transfarm』。テーマは“動く農地・生きているEVによって農業のあり方を変える”というものだ。

◆新しい農業「トランスファーム」

その提案によれば、2040年での社会課題は食糧自給率の低さにあり、それを改善するために考案されたのが、「移動しながら栽培ができる新しい形の農業」=トランスファームである。このモビリティは日光を浴びて光合成しながら街を移動するが、同時に人工光合成で生成した水素を動力源として動力とする。

これにより、昼夜を問わず農作物の栽培が可能で、スーパーなどでの需要に対しては現地に赴き、取れ立ての農作物が納品できる。また、複数のモビリティが集まって販売すれば、小さなマルシェが形成されて地域のコミュニティを作ることにもつながるというわけだ。さらに気候にも左右されず、災害時の迅速な食糧支援にも対応できる点もポイントとなる。

最優秀賞グランプリのほか、協賛各社の名が冠された受賞チームは以下の通り。経済産業大臣賞:チーム「TARAKO&PEANUTS」(千葉大学)、国土交通大臣賞:チーム「TMU-torapo-B」(東京都立大学大学院)、環境大臣賞:チーム「HALO!」(HAL Tokyo)、審査委員特別賞:チーム「FLAT」(千葉工業大学大学院)、審査員特別賞:チーム「Shunya」(National Institute of Design, Transportation and Automobile/インド)、MONET Technologies 賞:チーム「Costa」(千葉工業大学大学院)、日本IBM賞:チーム「MINK」(東京都立大学)。

◆夢物語に終わらない、実現性にもつながる

審査員長の藤原 洋氏は、「参加した学生の皆さんには前例にとらわれないアイデアをいただき、それが夢物語に終わらないよう実現性にもつながる具体案も数多く提案されたのが印象的だった。メタバースをはじめとするディープなテクノロジーが活用されたほか、グランプリを受賞したチームSakai Mobility Systemsに至っては、食の課題をEVで解決するという斬新かつ実現性の高いアイデアに、審査委員一同が感銘を受けた」とコンテストを振り返った。

また、藤原委員長は「残念ながら受賞できなかったチームは、ファイナリストに選ばれたということだけで未来に可能性が満ちあふれている。次回もこのコンテストをみんなで盛り上げていただきたい」として、次のコンテストに向けて期待を込めた。

《会田肇》

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