「チェーン規制」でスタッドレスは通行不可!? 冬ドライブ講座【カーライフ 社会・経済学】

「チェーン規制」でスタッドレスは通行不可!? 冬ドライブ講座【カーライフ 社会・経済学】
「チェーン規制」でスタッドレスは通行不可!? 冬ドライブ講座【カーライフ 社会・経済学】全 1 枚

クルマ生活にダイレクトに関係する「社会・経済」トピックスを広く取り上げている当コーナー。今回から数回にわたっては「冬ドライブ講座」と題し、冬道走行の基礎知識やトラブルシューティング等々を解説していく。まず今回は「チェーン規制」にフォーカスする。

さて、「チェーン規制」という言葉を耳にしたことがあるはずだ。で、実はこの言葉の意味が2018年の12月から変更されている。変更してすでに丸4年が経過しているが、その変更内容を知らなかったというドライバーもいるに違いないので、この機会にその中身を紹介したい。

「チェーン規制」という言葉はかつては、スタッドレスタイヤを履くなどすべり止め対策が講じてあればタイヤチェーンを装着していなくても通行可能、という意味で運用されていた。しかし2018年12月に国土交通省・警察庁の「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」の一部が改正にされ、言葉の定義が変更された。以後は、「タイヤチェーンが必須な規制」という意味となったのだ。つまり、スタッドレスタイヤを履いていても、それにチェーンを巻かないと規制区間を通行できない。

このように変更されたその狙いは以下のとおりだ。国交省の説明によると「大雪時に通行止めを実施する場合でも、チェーン規制を実施しタイヤチェーンを着けていれば通行できるようにすることで、これまでより積雪による通行止め時間を短くすることを目指す」とのことだ。

なお、「チェーン規制」が出される可能性がある場所は決められている。まず定義があり、その内容は次のとおりだ。「急な上り下りがある峠などで、過去に雪による立ち往生や通行止めが起こった場所の中で、タイヤチェーンを着脱できる場所や通行止めが解除されるまで待機できる場所がある区間」とされている。そして具体的な箇所は下に記したとおりだ(国土交通省HP内の「チェーン規制 Q&A」より抜粋)。

■直轄国道
・山形県 R112 月山道路(西川町月山沢~鶴岡市田麦俣)
・山梨県 静岡県 R138 山中湖 須走(山梨県山中湖村平野~静岡県小山町須走字御登口)
・新潟県 R7 大須戸~上大鳥(村上市大須戸~村上市上大鳥)
・福井県 R8 石川県境~坂井市(あわら市熊坂~あわら市笹岡)
・広島県 島根県 R54 赤名峠(広島県三次市布野町横谷~島根県飯南町上赤名)
・愛媛県 R56 鳥坂峠(西予市宇和町~大洲市北只)

■高速道路
・新潟県 長野県 E18 上信越道(信濃町IC~新井PA<上り線>)
・山梨県 E20 中央道(須玉IC~長坂IC)
・長野県 E19 中央道(飯田山本IC~園原IC)
・石川県 福井県 E8 北陸道(丸岡IC~加賀IC)
・福井県 滋賀県 E8 北陸道(木之本IC~今庄IC)
・岡山県 鳥取県 E73 米子道(湯原IC~江府IC)
・広島県 島根県 E74 浜田道(大朝IC~ 旭IC)

ところで、チェーンの種類については特に決まりはない。基本的に「自動車用品店などで販売されているものであれば問題ない」とされている。ただし薬剤を吹き付けるタイプのものは不可だ。そしてチェーンは駆動輪にのみ巻けば良い。

というわけでこの冬、ロングドライブに出かけるつもりであるのなら、予定される走行ルートの中に「チェーン規制」が行われる可能性のある区間が入っていないかを事前に確認しておこう。そしてそのような箇所を通行する可能性があるのなら、スタッドレスを履いていたとしてもチェーンをトランクに積んでおこう。そうすることでロングドライブの安心感がぐっと高まる。参考にしてほしい。

《太田祥三》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  2. 【マツダ CX-60 XD SP 新型試乗】やっぱり素のディーゼルが一番…中村孝仁
  3. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  4. 朝までこの恐怖に耐えられるか?…三和交通タクシーでいく心霊スポットツアー2025【夏休み】
  5. シートに座ると自動で送風開始、取り付け簡単「クールカーシート」2モデルが発売
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  2. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
ランキングをもっと見る