[低音強化・実践レクチャー]後方に置いたサブウーファーの音が前から聴こえてくる!? その実現方法を解説!

「サブウーファー」が搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:イースト<大阪府>)。
「サブウーファー」が搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:イースト<大阪府>)。全 6 枚

クルマの中では超低音が不足しがちだ。なぜなら、ドアスピーカーにはサイズ的な問題で超低音再生力に限界があるからだ。しかし、「低音強化」を実行すれば状況が好転する。当特集では、その実践方法をさまざま紹介している。

【画像全6枚】

すべてのスピーカーから放たれるサウンドが上手く繫がると…。

今回は、超低音のチューニング法について説明していく。「低音強化」にはさまざまなアプローチがあり楽しみ方も人それぞれだが、超低音も自然なバランスで聴きたいと考える場合には、お薦めの鳴らし方がある。それは、「低音の前方定位」だ。

これはどのような鳴らし方なのかと言うと、以下のとおりだ。「サブウーファー」の音がフロントスピーカーの音と上手く繫がった(一体化した)ときに実現されるもので、仮に「サブウーファー」がトランクに置かれていたとしてもその音が目の前から聴こえてくる、という鳴り方のことを言う。

そしてこれが可能となるメカニズムは、次のとおりだ。

音は、音域が高くなるほど真っ直ぐに進もうとする性質が強くなり音の出どころが分かりやすくなる。逆に音程が低い音ほど障害物があってもそれを回り込んで進もうとする性質が強くなり、音の出どころが分かりにくくなる。なので超高音から超低音までが上手く繫がると、出どころの分かりにくい超低音も高音が発せられている場所から聴こえてきているものと錯覚する。これが「低音の前方定位」が成立する理屈だ。

「サブウーファー」が搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:ルロワ<愛知県>)。「サブウーファー」が搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:ルロワ<愛知県>)。

「低音の前方定位」を実現するには、サウンドチューニング機能の充実が不可欠!?

続いては、「低音の前方定位」のさせ方を紹介していく。なおそうしようとするときには、愛用のカーオーディオシステムに「クロスオーバー機能」と「タイムアライメント機能」、この2つが搭載されているとやりやすくなる。

ではまず、この2つの機能がどういうものなのかを説明しよう。「クロスオーバー機能」とは、各スピーカーの役割分担を設定するための機能だ。ちなみにこれは、愛用の「メインユニット」に「サブウーファー出力」という機能が備えられている場合、大抵はそれとセットで装備されている。で、これを用いるとフロントスピーカーと「サブウーファー」のそれぞれの再生音域を設定できる。

なおもしも「クロスオーバー」をかけられないと、超低音から中低音あたりまでがドアスピーカーからも「サブウーファー」からも聴こえてくる。そうするとそれぞれのスピーカーの存在感が増してしまい、音がドアと後方の両方から聴こえてくる感じが強まる。結果、サウンドが目の前から聴こえて来にくくなる。しかし「クロスオーバー」をかければ音の“ダブり”がかなり減るので、サウンドの一体感が出やすくなる。

続いて「タイムアライメント機能」とは、スピーカーから発せられる音の到達タイミングを揃えられる機能だ。カーオーディオでは、各スピーカーがばらばらの場所に付いている。ゆえに各スピーカーから放たれた音の到達タイミングもばらばらになる。

「サブウーファー」が搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:サウンドワークス<千葉県>)。「サブウーファー」が搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:サウンドワークス<千葉県>)。

「タイムアライメント」を駆使すると、音の到達タイミングが揃いサウンドの一体感が増す!

しかし「タイムアライメント機能」がシステムに備わっていると、近くにあるスピーカーほど発音タイミングを遅らせられるので、擬似的にすべてのスピーカーから等距離の場所にいるかのような状況を作り出せる。

そして当機能を適切に運用できると、車両の後方に置いた「サブウーファー」から放たれる超低音も、フロントスピーカーと同じタイミングで耳に届く。そうすることで高音から超低音までの一体感が高まり「低音の前方定位」が実現されやすくなるのだ。

ちなみに「クロスオーバー機能」と「タイムアライメント機能」は、各社からリリースされている「AV一体型ナビ」の中級から上級機には案外搭載されている。しかし搭載されていないモデルもあるので、「サブウーファー」の導入を視野に入れているのなら、「メインユニット」選びをする際にはこの2つの機能の搭載の有無を確認すべきだ。有るか無いかの違いは結構大きい。

または外付けの「DSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)」を導入するのも手だ。「低音の前方定位」に興味があれば、コントロール機能の充実化にも取り組もう。

今回は以上だ。次回も「低音強化」の方法論を解説する。お楽しみに。

《太田祥三》

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