エアコンのエバポレーターをDIYで洗浄する ~Weeklyメンテナンス~

エアコンのエバポレーターをDIYで洗浄する ~Weeklyメンテナンス~
エアコンのエバポレーターをDIYで洗浄する ~Weeklyメンテナンス~全 1 枚

近年は年間を通じてエアコンをオンにしているユーザーもいるが、エアコンの使い始めに臭いを感じたことはないだろうか。そんな場合にDIYでできる消臭処理について紹介してみよう。

エアコンは冷たい風を作るためのエバポレーターと暖かい風を作るヒーターコアとを内蔵している。しかし構造的には冬場にヒーターを使う場合でもブロアファンで送り出された風はいったんエバポレーターを通過した上でヒーターコアに送り込まれる流れになっている。そのため冷房用にだけ用いられていると思っていたエバポレーターは一年中を通じて機能していることがわかる(夏場は送風を冷やすために用いるのだが、冬場は空気中の湿度を除去する除湿目的で用いられる)。

しばらくエアコンを使わない期間があると使い始めに臭いが発生することがあるが、いくつかの原因の中にエバポレーターの汚れがある。エバポレーターは構造的に空気を冷やしたり除湿する機能を持つため結露が起きやすいため常に湿気を帯びた状態になる。そのためエアコンを使っていると徐々に汚れがたまっていき時間とともにカビや詰まりなどが起こってしま。これこそがエアコンの臭いの原因になっているのだ。

だったら定期的に清掃すれば良いと考えがちだが、エアコンフィルターはグローブボックスの中など脱着可能な部分に設置されているため定期的に交換してリフレシュできるが、エバポレーターはエアコンの根幹部にあるパーツなのでユニットの奥深くに設置されていて一般ユーザーはアクセスするのが困難なのだ。業者にエバポレーター清掃を頼むとダッシュまわりを取り外してエアコンユニットを分解して、ようやくエバポレーターにたどり着くというかなり大変な工程が必要なのがわかる。さすがにDIYでこれは難しい。

そこで、比較的手軽にDIYでエバポレーターの清掃をする方法が用意されているので紹介してみた。それがエアコン洗浄剤やエバポレータークリーナーなどと呼ばれる洗浄ケミカルを使う方法。エバポレーター洗浄が可能とうたっているケミカルの主な特徴はスプレータイプでなおかつ長いノズルが付いてることだ。このノズルをエバポレーターにまで差し込んで洗浄剤を噴霧するのが使用方法。しかしエバポレーターはエアコンフィルターを外すと見えるブロアファンのさらに奥にあるので外側からはほぼ見えない。そこである程度目星を付けてノズルを差し込んで洗浄剤を噴霧することになる。車種によってももちろん位置などは異なるのでケースバイケースで対応しよう。

もうひとつの洗浄方法はエアコンのドレンから洗浄液を注入する方法。こちらも同じくエアコン洗浄剤やエバポレータークリーナーで対応しているモデルがあるので探してみると良いだろう。エアコンのドレンは夏場などに車体の下からぽたぽたと水滴が垂れているところだ。車体の下に潜り込んでみないとありかが確認できないのだが、うまくアクセスできればこのドレンから逆に洗浄剤を注入してエバポレーターを洗浄できる。ドレンはエバポレーターの設置されているユニットの底に直接つながっているので、洗浄剤を注入すると理論的にはエバポレーターに到達する。注入した洗浄液はしばらく放置すると汚れと共に洗浄剤がドレンから流れ出てくる。その時洗浄剤が汚れた状態で出てるので間接的だが洗浄効果があることが確認できるだろう(洗浄剤の汚れから内部の汚れを除去していると推測できるから)。一部のカー用品店のピットサービスでも用意している作業なのでやってみる価値はありそうだ。

洗浄不可だと思っていたエバポレーターだが、専用の洗浄剤と工夫次第である程度のクリーニングは可能だ。エアコンの臭いに悩んでいるユーザーは一度チャレンジしてみると良いだろう。

土田康弘|ライター

デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。

《土田康弘》

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