電動3輪バイクはラストワンマイル輸送の要となるか…オートモーティブワールド2023

ベクトリックスジャパンの電動3輪『I-Cargo』(オートモーティブワールド2023)
ベクトリックスジャパンの電動3輪『I-Cargo』(オートモーティブワールド2023)全 11 枚

ラストワンマイルという言葉がある。意味としては「最終拠点からエンドユーザーへの物流サービスのこと」だ。このラストワンマイルの物流に対処する乗り物として注目を集めているのが、電動3輪バイク、いわゆるトリシクルあるいはトライクと呼ばれるものである。

何故注目されるかというと、まず4輪車に比べて機動力があること。そして2輪車と比べてもはるかに積載量を多く取れることなどがある。

◆ベクトリックスジャパンの電動3輪『I-Cargo』

今このカテゴリーには大きく2種類が存在する。一つはバイクと同じでヘルメットを着用して乗るモデル。これに対してヘルメットを必要とせず、自動車の免許で乗ることができるモデルの2種類だ。前者は車両区分が原付一種もしくは原付2種などに区分される。一方の後者は側車付き軽2輪という区分で、こちらは普通自動車と同じ区分となるためにヘルメットは不要となる。

今回の「オートモティブワールド2023」に登場したのはベクトリックスジャパンの『I-Cargo(アイ・カーゴ)』である。現状ではまだプロトタイプで、今の予定では4月に完成車が出来上がり、基本的にはBtoBでの販売を目指すという。つまり個人への販売は行わない予定だ。

ラストワンマイルとは言うものの、状況によって異なるが満充電でおおよそ80~100kmの走行が可能だ。大きな特徴は2.5kwのリチウムイオンバッテリーを2つ搭載していて、これが脱着式となっていること。つまり新品のバッテリーと交換することもできれば、通常のコンセントからの充電も可能な2ウェイの充電方法が可能であることだ。ケーブルによる充電は100Vもしくは200Vに対応しているが急速充電はできない。

もう一つの特徴は停車しても傾かないいわゆる自立式と呼ばれるスタイルで、オートバイのように車両を傾けてカーブを曲がる必要がない。勿論信号待ちで足を地面につける必要もない。走行はスポーツモード(最高速度45km/h)とエコモード(最高速度20km/h)を選ぶことができる。

◆リア2輪のインホイールモーターを採用


《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

+ 続きを読む
教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. セリカに次ぐ「リフトバック」採用のカローラは、50年経ってもスタイリッシュ【懐かしのカーカタログ】
  2. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  3. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  4. シートに座ると自動で送風開始、取り付け簡単「クールカーシート」2モデルが発売
  5. 【マツダ CX-60 XD SP 新型試乗】やっぱり素のディーゼルが一番…中村孝仁
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る