ハンドリングを良くするカスタムでもっと愛車を乗りやすくする~カスタムHOW TO~

ハンドリングを良くするカスタムでもっと愛車を乗りやすくする~カスタムHOW TO~
ハンドリングを良くするカスタムでもっと愛車を乗りやすくする~カスタムHOW TO~全 3 枚

実はパーツの交換や調整でハンドリングをもっと良くすることもできる。意のままに動くクルマにできれば、普段の運転からドライブまでもっと楽しいクルマにできる方法を紹介しよう。

◆操作からのタイムラグをどうやって埋めるか

ハンドリングと言っても感覚的な部分なので一概にどういうものが良いとは言い切れない。しかし、スバルが以前から追求しているように操作からの反応速度がひとつのカギになっている。操作をして瞬時にクルマが反応してくれるほど良いと感じるのだ。操作した瞬間に反応すると言うと、ピーキーな特性と感じるかもしれないがちょっと異なる。

逆に操作してから遅れて反応するのはバスやトラックなど。ゆったりと動いてステアリング操作に対してもワンテンポ遅れて動いてくる。よく言えばゆったりしているが、悪く言えばダルい。普通車で走る分にはそういった特性はあまり良いと感じられない。スポーツカーはサスペンションも引き締まっていてステアリング操作もブレーキ操作もダイレクトに反応する。それだけ瞬時に反応するので人馬一体などと言われるわけだ。

となると、普通車でハンドリングを良くしようと思うと、いかにそのタイムラグをなくすかということになる。ならば、タイムラグを減らすチューニングをすれば良いのである。

◆サスペンションを引き締めるのは
タイムラグを減らす特効薬

もっとも効果的なチューニングはサスペンション交換だ。サスペンションを引き締めれば、それだけロールやピッチングする時間とストロークが短くなり、素早くクルマが反応してくれるようになる。バスやトラックのようなふわふわした乗り物と逆方向にセットすればおのずとタイムラグが短くなるわけである。

同じようにタイヤもインチアップして、扁平率を下げていけばその分タイヤが潰れる間のタイムラグが減るので、素早いレスポンスが期待できる。サスペンションとタイヤだけでもかなりハンドリングを変えることができる。しかし、おのずと乗り心地がハードな方向になりがち。いわゆるスポーツカー的な乗り心地になりやすい。スポーツカーならそれでもいいが、ミニバンやファミリーカーなど乗り心地はソフトなまま、それでもハンドリングを良くしたいとなるとちょっと違った部分にチューニングを加える必要が出てくる。

◆足まわりの動く部分を少しずつ引き締めて全体の動きを抑える

サスやタイヤが大きく動く部分だが、実はクルマは数多くの可動部分がある。たとえば、サブフレーム。メンバーとも呼ばれるそれはサスペンションアームなどが取り付けられている大きな部品で、そのサブフレームがボディにネジ留めされている。このネジ留めの部分が完全に直接マウントすると異音や振動が伝わることがあり、多くのクルマではゴムブッシュを介してボディに取り付けられている。

このブッシュを強化すれば、まずサブフレーム自体がグラグラと動くことを防げる。スポーツ系の車種にはサブフレームブッシュの硬いものが発売されている。また、金属製のカラーを挟み込むことでリジット化することもできる。多少振動や異音は増えるが、サブフレームとボディを直接マウントするのと同じことになるので、ソリッド感はもっとも高められる。その部分に挟み込むことで、サブフレームの動きを規制しようというのが「リジカラ」という名前で販売されているパーツだ。微妙な隙間にリジカラを挟み込んで締めていくことでサブフレームの動きを防ぐのだ。

ステアリングに対してのタイムラグを削るなら、ステアリングラックブッシュの強化が効果的。ステアリングラックからタイロッドが伸びてタイヤの向きをコントロールしている。このステアリングラックもブッシュを使って取り付けられている。ステアリングを切ったときにはラック自体が微妙に動いてから、タイロッドが動いてタイヤの向きを変えている。ここも強化ブッシュにするのが効果的。86/BRZではこの部分の取り付けをボルトでサブフレームに取り付ける部分を、ボルト&ナットで強固に固定することでフィーリングを向上させるチューンが流行している。

上記と同じようにサスペンションアームのブッシュ類も同じで、これらも強化品にすることでソリッドなフィーリングにすることができる。究極はピロボール化で、ブッシュをピロボールにすることでガタがなくなり、よりソリッドなフィーリングを実現できる。しかし、ピロボールはゴミなどによって摩耗しやすく、車検ごとくらいの交換は必要になるトレードオフがあるのもお忘れなく。

こういった足まわりを中心にした「ガタ」などを減らしていくことで、ステアリング操作に対してクルマに素早く司令が伝わり、その反応が早くなる。そうなると操作からクルマは瞬時に動き、ハンドリングはリニアでシャープで洗練されてくる。自分でクルマを仕上げていくことができるのだ。

《加茂新》

加茂新

加茂新|チューニングカーライター チューニング雑誌を編集長含め丸15年製作して独立。その間、乗り継いたチューニングカーは、AE86(現在所有)/180SX/S15/SCP10/86前期/86後期/GR86(現在所有)/ZC33S(現在所有)。自分のカラダやフィーリング、使う用途に合わせてチューニングすることで、もっと乗りやすく楽しくなるカーライフの世界を紹介。

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