イスラエル発「リニアエンジン」とディーゼルエンジンの水素コンバート…FC EXPO 2023

ディーゼルエンジンを水素エンジンにコンバートしたトラック(i Labo)
ディーゼルエンジンを水素エンジンにコンバートしたトラック(i Labo)全 12 枚

FC EXPO 2023において水素燃焼エンジンに関する展示を行っていたのはi Laboのブースだ。一つはリニアエンジンという変わった機構の内燃機関。もう一つは既存のディーゼルエンジンを水素エンジンにコンバートする技術。

リニアエンジンはi Laboのパートナーである、イスラエルのAQUARIUS ENGINEという会社が開発、実用化しているもの。分類としては内燃機関によってジェネレーターを回す発電機だ。燃料は軽油やエタノール、CNGなどマルチソースに対応する。水素でも稼働させることができるとして注目を集めている。リニアエンジンの機構は両端に穴が開いているシリンダーの中を、中心に円盤のついたシャフトが左右に摺動するようになっている。円盤の左右が燃焼室になっており、シャフトが左右に動くことで圧縮・膨張を繰り返す2サイクルエンジンだ。

軽油やエタノールなどは液体ベースの混合気だが、水素はかなりドライな混合気になる。リニアエンジンの水素対応は、ピストンのシールやノズルなどの耐久性、燃焼制御を変更しただけだという。欧州では内燃機関禁止の方向だが、AQUARIUS ENGINEは、発電機としての基準はクリアできるとする。排気量は780cc。出力は12~14kWが可能だという。機構がシンプルなのでコスト、耐久性でもレシプロエンジンなどより優位性がある。


《中尾真二》

アクセスランキング

  1. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
  2. スバル『フォレスター』に早くも「理想の姿」と話題の特別仕様、「最初から出してよ!」の声も
  3. 航続262kmの新型電動バイクが約10万円から、ビンファストが2モデル発表
  4. 【フィアット 600ハイブリッド 新型試乗】意外にもBEV版よりスムースで快適! 価格にも「親近感」…島崎七生人
  5. 約10万円で200km以上走るEVバイク登場に「現実的な選択肢」、ベトナムから日本上陸に期待の声
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
  3. 栃木ホンダ販売、テラチャージの急速充電器設置…EV充電環境を強化
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
ランキングをもっと見る