なぜショーファードリブンはセダンからミニバンへ移行?…レクサス LM 新型も今秋日本で発売

レクサス LM 新型(上海モーターショー2023)
レクサス LM 新型(上海モーターショー2023)全 30 枚

レクサスは新型『LM』を上海モーターショー2023にて、4月18日に世界初公開した。また同時に2023年秋には日本へ導入されることも発表された。LMはこの上海モーターショーで発表されたモデルが2代目であるが、日本への導入は今回が初となる。

【画像全30枚】

初代LMは現行の『アルファード/ヴェルファイア』をベースとしたモデルである。新型LMのベースが同じく現行アルファードをベースとすることは考えにくい。現行アルファードは2015年1月のデビューで、すでに8年以上を経過している。すでに今夏には新型アルファードが登場するという噂もあることから、LMが新型アルファードに先行して上海モーターショーで登場。今後、日本ではトヨタブランドのアルファードが夏に、レクサスブランドのLMが秋に登場するというスケジュールとみるのが妥当だ。

レクサス LM 新型(上海モーターショー2023)レクサス LM 新型(上海モーターショー2023)

長きにわたり、ショーファードリブン(おかかえ運転手付きのクルマ)はセダンが担ってきた。トヨタでいえば『センチュリー』であり『クラウン』であり、レクサス『LS』であった。しかし、時代の流れとともにその流れはミニバンやSUVなどの背の高いクルマへと移行していった。日本のニュースで見る要人が乗るクルマもずいぶんアルファードが増えていることに気付いている人も多いだろう。

トヨタ センチュリートヨタ センチュリー

かつてのクルマ作りではショーファードリブンに求められるような快適な性能を実現するには、セダンのしっかりした骨格と低い重心が不可欠であった。それはクルマの動きといった面だけでなく、NVH(騒音、振動、ハーシュネス)といった面もセダンでなければ要求性能が満たせなかったのだが、技術の進歩は背の高いクルマでも十分に快適な性能を手に入れられる領域に至っている。かくして、ショーファードリブンはミニバンなどの背の高いクルマへと移行しつつあるのだ。

トヨタ・アルファード現行トヨタ・アルファード現行

セダンの後席に乗車した状態のアイポイントは歩行者よりも低いが、ミニバンの場合アイポイントは歩行者よりも高い位置となる。ショーファードリブンに乗る人は、それなりの地位にあるのだから、まわりから見下ろされるよりも見下ろしたほうが気持ちよく乗れるだろうし、外の景色を楽しむという面からも乗車位置は高いほうが快適である。そもそも、馬車のディメンションを見てみると、乗車位置はかなり高めとなる。馬車の時代は道路事情も悪く、大きな車輪が必要だったこともあるが、歩行者よりも若干高めというのがショーファードリブンには似合うのではないかと私は思うのだ。

レクサス LM 新型(上海モーターショー2023)レクサス LM 新型(上海モーターショー2023)

今後、クルマのパワートレインがEV化していくのは必至だ。そうなると、バッテリーを床下に敷き詰めるというのが当たり前のレイアウトとなる。衝突時の衝撃からバッテリーを守るためにフロア強度剛性は高くなる。フロアからの音の進入は減り、低重心で乗り心地のいいベースがデフォルトになるので、このシャシーに背の高いボディを組み合わせて、十分に性能は確保できるだろう。となれば、もはやショーファードリブンがセダンである必然性はなくなる。燃費を追求するなら、前面投影面積の削減は必須だが、ショーファードリブンにそうした面の心配は少ない。ショーファードリブンのミニバン化は今後ますます進むことだろう。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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