フェラーリ初のSUV『プロサングエ』、受注再開に向けて準備…需要増でオーダーを一時停止中

最大出力725psの6.5リットルV12エンジン搭載

フェラーリ史上初の個々に調節可能な4シート

フロントグリルのない新しいフェラーリデザイン

フェラーリ・プロサングエ
フェラーリ・プロサングエ全 10 枚

フェラーリは5月4日、『プロサングエ』(Ferrari Purosangue)の受注の再開に向けた準備に入った、と発表した。プロサングエは2022年9月に初公開。その後、予想を上回る需要があったことから同年11月、フェラーリのイタリア本社が受注を一時停止していた。

写真:フェラーリ・プロサングエ

プロサングエは、フェラーリ史上初の4ドア4シーター車であり、フェラーリ初のSUVだ。車名のプロサングエとは、イタリア語で「サラブレッド」を意味する。

◆最大出力725psの6.5リットルV12エンジン搭載

プロサングエのフロントミッドシップには、直噴6.5リットル(6496cc)V型12気筒ガソリン自然吸気エンジンが搭載される。シリンダーヘッドは、『812コンペティツィオーネ』用がベースだ。吸排気システムとタイミングシステムは、再設計された。機械効率と燃焼効率に力を注ぎ、F1をインスピレーションとするキャリブレーションコンセプトを採用している。

その結果、最大出力725ps/7750rpm、最大トルク73kgm/6250rpmを獲得した。エンジンの最高許容回転数は、8250rpm。最大トルクの80%を、2100rpmから発生し続ける特性だ。トランスミッションは、8速デュアルクラッチ「F1」。0~100km/h加速3.3秒、0~200km/h加速10.6秒、最高速310km/h以上の性能を可能にしている。

ミッドフロントにエンジンを、リアにギアボックスを搭載するトランスアクスルレイアウトとした。パワー・トランスファー・ユニット(PTU)をエンジン前方に組み合わせ、独自の4×4 トランスミッションを実現している。これによって、前後重量配分は49対51 とした。

◆フェラーリ史上初の個々に調節可能な4シート

新しいシャシーは、カーボンファイバー製ルーフを採用して、軽量化と低重心化を図っている。ボディシェルを再設計して、後部ドアを逆ヒンジの「ウェルカムドア」として乗降性を引き上げ、車体を可能な限りコンパクトにした。ボディサイズは全長4973mm、全幅2028mm、全高1589mm、ホイールベース3018mmだ。

キャビンには、フェラーリ史上初めて、個々に調節可能な独立した4つのシートを装備した。後部シートもヒーター付きで、個別に調節やリクライニングができる。トランク容量は、フェラーリ史上最も広い473リットル。後席を倒せば、ラゲッジスペースがさらに拡大する。

コックピットは、『SF90ストラダーレ』にインスピレーションを得ており、フルデジタル仕様とした。10.2インチのディスプレイには、走行に関するあらゆる情報を表示する。快適性に関連する操作は、ダッシュボード中央部分に隠されたロータリー型インターフェースで行う。後席の乗員も、第2のロータリー型インターフェースで同じ機能にアクセスできる。

◆フロントグリルのない新しいフェラーリデザイン

プロサングエには、フロントグリルがない。2個のシェルが1個のディスク形状を作り、そのスロットにカメラとパーキングセンサーを内蔵している。ボンネット両端には、デイタイムランニングライトを間にはさむエアインテークがあり、これがボディ側面の上部へと溶け込む。そのため、フロント部分では、ヘッドライトよりブローンエアロダクトが、スタイリングの中心を占めている。

アルミ製のリアハッチは電動開閉式だ。電動テールゲートリフターを2個備えており、73度の角度まで開く。ラゲッジエリアにアクセスしやすく、大きな荷物の積み降ろしに配慮する。

リアスクリーンにはワイパーがなく、ガラス表面を通過する気流でリアスクリーンをきれいにする。つり下げ式スポイラーの下面は、気流が適切な速度と方向でリアスクリーンに流れるようにカーブしている。スポイラー下面の両端には、ボルテックスジェネレーターが2組あり、均一にスクラブするよう最適化されている。これらは、Cピラーで自然に発生するボルテックスを打ち消し、リアスクリーンの特殊な形状とも相乗効果を発揮する、としている。

《森脇稔》

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