【ロイヤルエンフィールド メテオ350 試乗】スペックだけでは図れない「乗り物の原点」が味わえる…西村直人

日本人に親しみやすいデザイン、空冷350cc

クラシカルな見た目、だけじゃない

スペックだけでは図れない「乗り物の原点」が味わえる

ロイヤルエンフィールド メテオ350
ロイヤルエンフィールド メテオ350全 25 枚

◆日本人に親しみやすいデザイン、空冷350cc

ルーツは19世紀末のイギリス。針の製造工場で自転車の製造を始めたことがきっかけとなり、その後4輪車(自転車のフレームを2つ使ったユニークな乗り物)を手掛るようになる。そして1901年に初めてロイヤルエンフィールド・モーターサイクル、つまり今に通ずるロイヤルエンフィールドが製造された。

翻って今のロイヤルエンフィールド。日本市場でのラインアップは豊富だが、見た目はどれもクラシック路線で日本人にとっても親しみやすい。今回試乗したのは350ccの単気筒エンジンを搭載する『METEOR 350(メテオ350)』だ。

ロイヤルエンフィールド メテオ350ロイヤルエンフィールド メテオ350

20ps/2.75kgf・mを発揮する空冷エンジン(349cc)は乾いた音で軽やかに回り、マフラーは歯切れの良いリズミカルな単気筒サウンドを奏でる。車両重量は191kgと排気量を考えればわずかに重いが、ハンドル位置は高めだし、シート高は765mmで幅もスリムなので取り回しはラクラク。見た目同様、わかりやすく取っつきやすい。

◆クラシカルな見た目、だけじゃない

「日本市場では普通二輪免許で乗れるという気軽さ、そして実際に試乗頂いた際の気持ちよさからお選び頂いています」と語るのは、ロイヤルエンフィールドを扱うピーシーアイでマーケティング部長を務める鈴木祐さん。

ロイヤルエンフィールド メテオ350ロイヤルエンフィールド メテオ350

鈴木さんは続けて、「クラシカルな見た目ですが、エンジンとシャーシには最先端技術を採り入れています。欧州モデルや日本車のような電子制御の類いは少ないですが、柔軟性の高い設計思想による走行性能は各国で高く評価頂いています」と話す。

実車を前に手に触れてみると唸ることばかり。試乗の場にはロイヤルエンフィールドの国内導入モデルがずらりと並んでいたので、ひとしきり跨がりながら各部を操作してみたが、どれもがっちり作られ、それが細部に渡り貫かれていた。

◆スペックだけでは図れない「乗り物の原点」が味わえる

ロイヤルエンフィールド メテオ350ロイヤルエンフィールド メテオ350

試乗したメテオ350では、まず占有コースで車体特性を確かめた。見た目こそフツーのパイプフレーム構造だし、タイヤ(インド製の大手メーカーCEAT製)にしてもハイグリップタイプではない。しかし、車体のバンク角を深めていっても接地感の変化が少なく、スムースなフルロックUターンができた。

公道に出る。市街地では1速高いギヤで鼓動を感じながらノンビリ走行が楽しめる。単気筒エンジンでは高回転域の振動が気になるが、高回転域でも振動は極端に大きくならない(ボア×スト上はロングストローク型)。タコメーターがないので回転数は不明ながら最高出力の発生が6100回転なので、少なくともそのあたりまではミラー鏡面への影響もない。高速道路では80km/h巡行でもツインエンジンのように滑らかだ。ビギナーからベテランまでライダーを虜にする理由が理解できた。

1924年から350ccエンジンを実用化してきたロイヤルエンフィールド。スペックだけでは図れない乗り物の原点が味わえる。

価格は71万0600円から。

ロイヤルエンフィールド メテオ350ロイヤルエンフィールド メテオ350

■5つ星評価
パワーソース:★★★
ハンドリング:★★★★
扱いやすさ:★★★★★
快適性:★★★★
オススメ度:★★★★

西村直人|交通コメンテーター
クルマとバイク、ふたつの社会の架け橋となることを目指す。専門分野はパーソナルモビリティだが、広い視野をもつためにWRカーやF1、さらには2輪界のF1と言われるMotoGPマシンでのサーキット走行をこなしつつ、4&2輪の草レースにも精力的に参戦中。また、大型トラックやバス、トレーラーの公道試乗も積極的に行うほか、ハイブリッド路線バスやハイブリッド電車など、物流や環境に関する取材を多数担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席したほか、東京都交通局のバスモニター役も務めた。大型第二種免許/けん引免許/大型二輪免許、2級小型船舶免許所有。日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J)理事。2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。(財)全日本交通安全協会・東京二輪車安全運転推進委員会指導員。日本イラストレーション協会(JILLA)監事。

《西村直人@NAC》

西村直人@NAC

クルマとバイク、ふたつの社会の架け橋となることを目指す。専門分野はパーソナルモビリティだが、広い視野をもつためにWRカーやF1、さらには2輪界のF1と言われるMotoGPマシンでのサーキット走行をこなしつつ、4&2輪の草レースにも精力的に参戦中。また、大型トラックやバス、トレーラーの公道試乗も積極的に行うほか、ハイブリッド路線バスやハイブリッド電車など、物流や環境に関する取材を多数担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席したほか、東京都交通局のバスモニター役も務めた。大型第二種免許/けん引免許/大型二輪免許、2級小型船舶免許所有。日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J)理事。2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。(財)全日本交通安全協会・東京二輪車安全運転推進委員会指導員。日本イラストレーション協会(JILLA)監事。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  2. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  3. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  4. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
  5. 宮崎「シーガイア」にサーキットがオープン! セグウェイの「電動ゴーカート」を日本初導入
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る