自転車ABSを体感! 前輪ロック恐怖からワクワクへ---ボッシュ eバイク 試乗

ボッシュeBike ABS 搭載プロトタイプeバイク(5月18日)
ボッシュeBike ABS 搭載プロトタイプeバイク(5月18日)全 7 枚

現場でプロライダーがフルブレーキングする姿を目の当たりにして拍手。さらに自分で乗ってみて、大転倒を覚悟で迷うことなく右レバーを思いっきり引いてみて、絶叫。日本に初上陸した、ボッシュ「eBike ABS」搭載プロトタイプeバイクに乗って、その圧倒的な制動力と安定感、チャリの未来に、ワクワクした。

ここは東京・下北沢、5月18日。自動車むけ電子制御システム系ABS(アンチロックブレーキシステム)を1978年に世界で初めて開発したBOSCH(ボッシュ)が、45年の時を経て、自転車に最新ABSを搭載したeバイクのプロトタイプを国内初上陸させたってことで、関係者限定体験会で試乗した。

◆前後輪の回転差をキャッチしてABS作動

ボッシュeBike ABS 搭載プロトタイプeバイク(5月18日)ボッシュeBike ABS 搭載プロトタイプeバイク(5月18日)

まず eBike ABS を実装したeバイクを眺めてみる。外観はほぼ、世の中に出回っているeバイクとスタイルは同じ。でも違うのは、フロントフォークにさりげなくつくセンサーだ。

「この小さなセンサーが、前後についている。前後センサーのどちらも、タイヤの回転数をリアルタイムでチェックしている。今回のeBike ABS 搭載プロトタイプeバイクは、前輪がロックして、その衝撃G で前につんのめり、後輪が浮き上がると、前後輪の回転差をキャッチして、アンチロックブレーキシステムが作動する」(ボッシュ担当者)

クルマのABS作動をイメージして、ABSが作動するとドドドドドとブレーキレバーや車体全体に挙動があるかと思いきや、「想像以上になめらかに、理想を超えた挙動で安心して止まる」とプロライダーはいう。

◆前輪がロックするという恐怖心が一転して、楽しさに変わる

プロの体感でABSのアドバンテージを教えてくれたのは、プロライダー阿藤寛選手だ。同クラスのABS非搭載eバイクと、eBike ABS 搭載プロトタイプeバイクを乗り比べて、観せてもらうと、一目瞭然! 前輪がロックし、後輪がひっくり返る直前まで浮き上がる非搭載モデルに対し、なんと、eBike ABS 搭載プロトタイプeバイクは、後輪が地面と離れることなく、制動距離も想像以上に短く、スーッと止まった。

「プロは、この前輪がロックしないように、ブレーキレバーを巧みに操り、指先と身体の感覚で無意識にブレーキを緩めたり締めたりしている。このあたりの技も、競技の勝負をわける。このeBike ABS があると、誰でもフルブレーキングしながら、ロックの恐怖心なく、しっかりと止められる。前輪がロックするという恐怖心が一転して、楽しさに変わる。こうした技術で、自転車に乗る楽しみがもっと増えるといい」

◆前輪だけフルブレーキしても、その技術は裏切らない

ボッシュeBike ABS 搭載プロトタイプeバイク(5月18日)ボッシュeBike ABS 搭載プロトタイプeバイク(5月18日)

阿藤寛選手のことばに背中を押されて、実際に eBike ABS 搭載プロトタイプeバイクに乗ってみる。最初はビビる。でも、冒頭のとおり、モーターの強力なアシストに押されて加速し、前後輪をフルブレーキすると、想像以上に短い制動距離で、後輪が浮かずにきゅきゅきゅきゅっと止まる。

クルマのABSによくあるドドドドドという衝撃もなく、「人間にはわからないほどの細かい緩みと締付けで、スムーズに止まる」という前説が、よくわかる。そして試しに、前輪だけフルブレーキしても、その技術は裏切らない。前後輪フルブレーキよりも前輪の小さな“震え”が感じられるけど、後輪がまったく浮かずにシューッと止まる。これには驚いた。思わず拍手、だった。

今回、プロトタイプのフロントフォークにつくコントロールユニットは、「第1世代モデルより77%小型化し、55%軽量化も実現した」というから、今後、自転車メーカーによる実装モデルが登場するのが待ち遠しい。

たとえば、雨天時の濡れたマンホールの上でブレーキングしたときに、前輪が滑ってコケるというヒヤリシーンを体験した人もいるかもしれない。そんな怖さも、このeBike ABS の進化で、解消できる時代がくるのも、そう遠くないはず。

《レスポンス編集部》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  2. BEVを2年間所有した、“リアルな”ランニングコストを大公開
  3. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
  4. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  5. トヨタ RAV4 新型、PHEVのEV航続は150km
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
ランキングをもっと見る