トヨタ株、不可解な値動きの謎---「急落」の翌日は「急騰」[新聞ウォッチ]

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ホンダが自動車レースの最高峰、フォーミュラ・ワン(F1)の参戦を正式に発表した。「朝令暮改」をモットーとするホンダらしい再参入だが、1964年の初参戦以来、撤退と参戦を繰り返して、今回で5度目の挑戦となる。

ホンダ、F1に復帰ホンダ、F1に復帰

◆ホンダのF1挑戦には冷ややか

きょうの各紙にもスポーツ面や経済面などに「ホンダ26年にF1復帰」を大きく報じているが、撤退表明からわずか2年半後の方針転換だけに、冷ややかな目で見る投資家なども少なくない。5月24日のホンダ株は終値で前日比10円安の2958円と大きな動きは見られなかった。

そんな中、投資家の間では、トヨタ自動車株のまるでジェットコースターのような不可解な値動きに市場の話題をさらっているという。きょうの産経や日経が詳しく分析しているが、それによると、トヨタ株は目立った売り材料がないなか23日の大引けの取引で急落し、前日比5%安で終えていた。時価総額のうち約1兆5000億円が一瞬にして吹っ飛んだ格好だった。

ところが、市場の困惑をよそに翌24日には一転、一時5%超の「急騰」となり、前日の下落分を上回る上昇となった。

このため、兜町やネット界隈では「誤発注か」「利益確定売りでは」「ヘッジファンドが仕掛けた」などと、「日本最大の上場株の乱高下を巡り、市場参加者の間ではさまざまな臆測が飛び交った」(日経)という。

◆トヨタはアルゴリズム取引でAIに売買されたか

産経によると、市場関係者は、まとまった売りについては、「誤発注であれば、当事者から何らかの発表があるはず」として、ミスによるものではないとの見方を示す。一方で、人工知能(AI)が進化し、コンピューターが市場トレンドに連動して瞬時に注文を入れる「アルゴリズム取引」が一般的になるなか、「まとまった売りや買いが入れば、ほぼ自動的に追随することが考えられ、大幅な株価の変動はどの銘柄でも十分に考えられる」。今後も同様の事例は起こり得るとしているとも伝えている。

日経も「複数の市場参加者の声をまとめると、『アルゴリズム取引』が浮かび上がる」として「あらかじめ売買の注文をセットすればコンピューター分析でタイミングを判断するシステムで、『人間用の制限を外しているか、売買数量の上限を引き上げていることが多い』」とも指摘する。

余談だが、最寄り駅の大手証券会社の支店が閉鎖されたので、知人の年配顧客に聞いたところ、最近はネットでの売買ばかりで直接支店に行くことはなくなったという。株の売買は自己責任とはいえ、機械操作に不慣れな個人投資家も誤発注の“事故”には要注意だ。

2023年5月25日付

ホンダ26年にF1復帰、5年ぶり脱炭素技術発信へ(読売・8面)

●車載電池「稼ぎ頭になる」パナHD、新工場を検討(朝日・7面)

●日系EV米生産優遇に苦慮、電池用鉱物確保「中国抜き」困難(産経・10面)

●トヨタ株大幅下落→買い戻しの波紋、「ご発注か」「利益確定か」(産経・10面)

ジャパンモビリティショーに220社(日経・15面)

●トヨタ系、研究開発費1兆円、今期7社合計、5社は最高(日経・16面)

《福田俊之》

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