ボルボ最速の加速性能、新型EV『EX30』…428馬力ツインモーター搭載

デジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト

1回の充電での航続は最大480km

12.3インチのセンタースクリーン

Googleの3つのサービスを車載化

ボルボ EX30
ボルボ EX30全 10 枚

ボルボカーズは6月7日、新型コンパクト電動SUV『EX30』(Volvo EX30)をイタリア・ミラノで初公開した。ボルボ史上、最小のSUVだ。

◆デジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト

EX30は、EVの中で急成長する小型プレミアムSUVセグメントに属する。欧州でのベース価格は約3万6000ユーロ(約540万円)。ボルボカーズによると、内燃エンジン搭載車両と同等の価格を実現しているという。

EX30は、ボルボカーズのデザイン的価値のすべてを、小さなフォーマットで具現化している。ロングホイールベース、大径ホイール、前後そろったオーバーハングによって、エクステリアにバランスと洗練された印象をもたらしているという。

フロントには、閉じられたシールドとデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライトがあしらわれた。クラウドブルーから、スウェーデン西海岸の岩に生える地衣類(コケ)からインスピレーションを得たモスイエローまで、5色のボディカラーを用意している。

ボルボ EX30ボルボ EX30

◆1回の充電での航続は最大480km

EX30には、3つのパワートレインと2種類のバッテリーを用意した。「シングルモーター」仕様には、LFPバッテリーを積む。このLFPスタンダードレンジバッテリーは、リン酸鉄リチウムの化学反応を使用したバッテリーだ。コストパフォーマンスが高く、資源消費も少ないため、最大限の航続距離を必要としない場合に最適な選択肢になるという。

最大限の航続を求める顧客に適しているのが、NMCバッテリーを搭載した「シングルモーター・エクステンデッドレンジ」仕様だ。NMCバッテリーは、リチウム、ニッケル、マンガン、コバルトを使用し、LFPバッテリーよりも効率的にエネルギーを生成する。このシングルモーター・エクステンデッドレンジ仕様は、1回の充電での航続が最大480kmに到達する。

パフォーマンスを重視する顧客には、「ツインモーター・パフォーマンス」仕様を設定する。NMCバッテリーに追加のモーターを搭載した。このEX30の全輪駆動モデルは最大出力428hpで、0~100km/h加速は3.6秒で駆け抜ける。ボルボ史上最速の加速、と自負する。

充電に関しては、「ツインモーター・エクステンデッドレンジ」仕様が最大出力153kW、「スタンダードレンジ」仕様が最大出力134kWで充電できる。バッテリーの10%から80%までの充電時間は、およそ25分。車載のセンターディスプレイとアプリを通じて、アンペア数、最大充電レベル、充電を開始するタイミングを設定することができる。

ボルボ EX30ボルボ EX30

◆12.3インチのセンタースクリーン

EX30のテーマである「集約化」は、ダッシュボードの中央に配置された12.3インチのセンタースクリーンに表れている。そこには、ドライバーに必要な関連する情報がすべて表示される。ひとつの画面にすべてを集約することで、運転席に広さを感じさせるとともに、素材の使用量も削減することができるという。

また、センタースクリーンには、最も重要な情報以外のものを取り除き、集中力を高める「Calm」表示も用意されている。この機能は、とくに夜間に有効で、長時間の運転で目にかかる負担を軽減することができる、と自負する。

ボルボカーズは、共同出資している「HaleyTek」ソフトウェアのジョイントベンチャーを通じて、「ECARX」と緊密に協力している。優れたインフォテインメントプラットフォームを世界中に提供するのが狙いだ。

ボルボ EX30ボルボ EX30

◆Googleの3つのサービスを車載化

最先端のインフォテインメントを目指して、Google(グーグル)搭載のEX30には、「Googleアシスタント」によるハンズフリー支援、「Googleマップ」のナビゲーション、「Google Play」のお気に入りアプリが、すべて組み込まれている。また、EX30はボルボ車として初めて、ワイヤレスのApple 「CarPlay」機能を搭載している。

ボルボのインフォテイメントシステムは、通信環境に応じて、5Gが利用できる。クアルコム・テクノロジーズの「Snapdragon Cockpit Platforms」により、高速の応答でプレミアムな車内体験を追求している。

また、EX30は、ひとつの画面でより集中して楽しいドライブができるよう、スマートに複雑さを取り除いており、画面操作の前後関係や意図を考えたユーザー体験を可能にする。加えて、車への搭載が初となる、ダッシュボードの横幅をフルに使ったサウンドバーや、スマートな収納のアイデアなどにより、より少ないスペースで大型車と同様の体験を実現するための工夫が施されている。

《森脇稔》

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