【フィアット ドブロ 新型試乗】ベルランゴ オーナーが400km、「カングー」に対抗する個性はあるか?…中村孝仁

フィアット ドブロ
フィアット ドブロ全 34 枚

シトロエン『ベルランゴ』、プジョー『リフター』ときて、今度はフィアット『ドブロ』の登場である。ご存じだとは思うが、この3台、いずれも骨格、メカニズムを共有する。ボディだってスタイルの違いはフロントフェイスぐらいなもので、ほとんど見わけのつかないレベル。

【画像全34枚】

ならば何故、3台も同じものを市場に投入するのか?

◆ベルランゴ オーナーがドブロで400km試乗

フィアット ドブロフィアット ドブロ

プジョーとシトロエンの場合はプジョーにアドバンスドグリップコントロールが付いていたり、iコックピットにしてベルランゴとはそれなりの差別化をしていたが、じゃあドブロはどうなの?ということになるがこれはズバリ(勝手に)、ディーラー対策である。

つまりシトロエンとプジョーの場合同じディーラーで販売しているケースがあるが、フィアットのディーラーは全く別。しかも今、ミニバンやSUVが一番売れ筋だというのに、日本市場におけるフィアットのラインナップにはそうした売れ筋モデルがない。そこで、ドブロを導入してフィアットのディーラーに潤ってもらおうというのが、導入の背景にあるのは間違いない(勝手に)。

ではステランティス的にこの3銘柄が共食いをしないのか? という疑問もあるのだが、ディーラーが違うと恐らくそうしたことはないのだろう。フィアットの既納客はやはりフィアットに行くのだと思う。それなら乗り味に違いにはあるのだろうか。

今回は東京から伊豆の先端、下田までを往復して海岸線のワインディングや東名高速など400kmほどを走ってみた。余談ながら筆者自身はシトロエン・ベルランゴのオーナーである。

◆ベルランゴ、リフターとの走りの違いは

フィアット ドブロフィアット ドブロ

と言っても筆者の所有するベルランゴは最初期のローンチエディションで、デビューからすでに3年以上が経って、この間にベルランゴもそれなりのブラッシュアップが施されているから、完全なる比較は出来ない。しかし、実際に乗り比べてみてまあおおむねどちらに乗っても大きな違いはない。プジョーだけは17インチタイヤを装着するが、シトロエンとフィアットはともに16インチ(シトロエンの上級グレードは17インチだが)。しかもミシュランのプライマシー4という銘柄まで一緒である。

試乗して一番違うな…と感じた点はフィアットが頻繁にコースティングをするセッティングにされていること。最近のシトロエンもそうなっていて、「ベルランゴ ロング」を試乗した時も割とコースティングの機会が多かったのだが、フィアットはさらにそれが多いように感じられた。

そしてもう一点大きな違いとしてはダウンシフトも頻繁に行う点だ。信号に近くなってアクセルをオフにすると着実にギアを下げてダウンシフトする。この辺りは燃費対策もあってだと思うが、果たして最新のプジョーやシトロエンはそうなっているかは確認していないので何とも言えないが、少なくともドブロの味付けはそうなっていた。因みに400km走った燃費は15.8km/リットルであった。

◆フィアットらしいクルマか、というと

フィアット ドブロフィアット ドブロ

まあ正直なことを言えば、ドブロがフィアットらしいクルマかというと、全くそうではない。あくまでもフィアットのバッジを付けたプジョーもしくはシトロエンである。エンジンはフォードとPSAが共同開発した1.5リットルのターボディーゼルで、アイシンが開発したEAT8の名を持つ8速ATも共通である。そんなわけだから心臓から衣装まですべてPSAからの借り物というわけだから、フィアットらしさが無くて当然である。

乗っていてもやはりシトロエンとの近似性を強く感じるが、有難いことにフィアットだと思って乗り込むと、実に快適で乗り心地が良いことに気づくと思う。この点はフィアットオーナーなら恐らく顕著に感じられる部分ではないかと思う。

フィアット ドブロフィアット ドブロ

◆ステランティス・ミックスでカングーの対抗馬に

さて、日本市場における仮想敵は?。ズバリ、ルノー『カングー』だろう。無塗装のバンパーを装着するのはステランティスのモデルではドブロだけ。見た目的にカングーの対抗馬的存在に見える。

まあ、これだけで判断してはいけないが、例えばモジュトップが用意されず、シングルグレードで2種のホイールベースを用意するだけで、価格的にも400万円を切り、そのためかナビゲーションの設定もなかった。それ以外の部分ではすべて共通と言って過言ではない。だから、3兄弟の中では一番商用とMPVの中間的存在である。

そうそう、外観はフロントフェイス以外にもルーフレールがこちらはシトロエンとは異なり、リフターと同じデザインのものが装備されているからまさにステランティス・ミックスである。

いずれにせよ、どれをとっても快適な乗り心地と楽ちんなドライブは保証される。

フィアット ドブロフィアット ドブロ

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
おすすめ度:★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ピックアップトラックの荷台に、積載型キャンピングキャビン「INFINITY 01」発表…Moon Star Export
  2. スズキ、『ジムニー シエラ GOZEL』初公開へ…6月14日「ジムニーサンライト2026」
  3. 日産『プリメーラ』、EVで約20年ぶりに復活…フィリピンモーターショー2026
  4. ホンダ『シビック』など3万6000台以上をリコール…走行中にエンジン停止のおそれ
  5. ダイハツ『ロッキー』が3列7人乗りSUVに!?「ロッキースペース」登場の可能性は
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. ホンダ「2026ビジネスアップデート」…次世代HV15車種投入、2029年度営業利益1兆4000億円
  2. 自動車メーカーの体験拠点、5タイプで整理…都心ショーケースから大型複合まで
  3. ダイフク、520億円の成長投資でマザー工場再開発とドイツ企業買収…2030年に売上高1兆円へ
  4. ボルボカーズ、2028年以降の車両にアプティブのGen 8レーダー採用へ…悪天候や複雑な市街地でも高精度センシング
  5. 中国勢にも対抗する競争力のあるSDV開発に必要なものとは…アステモサイプレモス 木村篤仁氏[インタビュー]
ランキングをもっと見る