ホンダが新型軽商用EVを先行公開…『N-VAN e:』は広大な荷室空間を継承、航続210km以上をめざして開発中

ホンダ N-VAN e:
ホンダ N-VAN e:全 7 枚

ホンダは9月28日、来春発売予定の新型軽商用EV(電気自動車)『N-VAN e:』に関する情報をホームページで先行公開した。

ホンダは「2050年にカーボンニュートラルの実現」に向け、日本国内の四輪車販売にて、2030年にハイブリッド車を含めて100%電動車とすることを目指している。環境負荷低減の観点で企業の電動化に対するニーズが非常に高いことから、軽商用EVを皮切りにEV展開を本格スタートさせる。

なお、ホンダは2023年6月より日本でヤマト運輸とN-VAN e:プロトタイプを使用した実用性検証を開始し、さらに海外でも2023年9月から、インドネシアで国営石油会社プルタミナとの実用性検証を開始。商品配送における実用航続距離、走行性能、バッテリーの信頼性や充電プロセスなどの実用性検証を行い、発売に向けて準備を進めている。


◆N-VANの広大な荷室空間を継承、バッテリーを薄型化

『N-VAN』の特長である商用車としての積載性や空間価値を、EVとなったN-VAN e:でも変わらず実現し、誰もが運転しやすいパッケージとしている。荷室のフロア下に搭載するバッテリーを薄型化し、床はフラットで低く、天井は高くすることで、広く大容量な荷室空間を実現している。また、助手席からリアシートまでフラットにすることで、長尺の荷物を積むことが可能。さらに助手席側のセンターピラーをなくした大開口部により、横からも大小さまざまな荷物の積み降ろしがしやすくなっている。

◆バンパーリサイクル材を活用

エクステリアは、従来のN-VANのデザインを踏襲しつつ、使用済み自動車のバンパーをリサイクルした「バンパーリサイクル材」をフロントグリルなどに使用し 、ホンダの循環型社会への姿勢を示している。インテリアは、使いやすいスクエアな空間やニーズに合わせてフレキシブルに使える収納、エアコン操作部やシフトポジションスイッチなどの機能をドライバー席側に集中配置するなど、利便性を向上させている。

◆電動サーボブレーキを軽商用バン初採用

EVならではのスムーズな走りだし、荷物の重さを感じさせないパワフルさ、低重心化による走行安定性を実現している。また、低振動・低騒音によりガソリン車に比べ走行時や停車中の音を軽減し、早朝や深夜でも静かに移動・配送できる。

加えて、ブレーキ操作に対してリニアに反応する電動サーボブレーキを軽商用バンとして初採用し、減速時に安心感のあるブレーキフィールを提供するとともに、スムーズなブレーキの掛かり方で、車内の積載物を荷崩れさせづらいコントロール性を実現。また、積載時及び降坂時の走行性能に配慮し、ブレーキディスクローターのサイズアップや、Dレンジと比べて減速度を大きくするBレンジを設定している。

◆航続距離開発目標値は210km以上

パワーユニットは電動アクスルの小型化、大容量かつ薄型化したバッテリーの採用、高電圧部品の集中配置により、商用車に必要な荷室空間と実用航続距離を確保。配送業務に十分対応する航続距離としてWLTCモードで210km以上を目標に開発している。また、エアコンの消費電力を抑え、実用航続距離の延長に寄与するECONモードを設定している。

◆充電時間は約5時間、1500Wまでの車外給電も可能

より短時間で充電が可能な6.0kW出力の普通充電器に対応。充電時間は約5時間と、夜間に充電を行えば翌日はフル充電の状態で使用を開始できる。また、充電時の使い勝手を考慮し、車両の前部に充電リッドを配置することで、充電・給電時にも充電コードなどを気にせずに、車の乗り降りやドアの開閉ができる。

加えて、AC車外給電用コネクターの「ホンダ パワーサプライコネクター」を使用すれば、N-VAN e:のバッテリーで合計1500Wまでの電化製品が使用可能。停電・災害時にも簡単に電気を取り出すことができる。さらに、可搬型外部給電器「パワーエクスポーター e: 6000」、「パワーエクスポーター 9000」を使用することでそれぞれ最大6kVA、9kVAの高出力給電が可能となり、災害時などに出力の高い冷蔵庫や冷暖房器具など、複数の電化製品を同時に使用できる。

◆リモート操作アプリで電気代を抑制

スマートフォンに入れたホンダリモート操作アプリにより、お出かけ前タイマー設定、充電待機時間設定、最大電流量設定、最大充電量設定、外部給電下限SOC設定を遠隔で行うことができる。これらの機能を活用することで、快適な移動と電気代の抑制、航続距離最大化に寄与する。

お出かけ前タイマー設定では、設定時間に合わせて車内の温度を快適にしておくことができる。併せて、外気温に応じてバッテリーを最適な温度にコントロール。これにより外気温が低い冬場でもバッテリーが温まった状態で走行できるため、航続距離最大化に寄与する。

充電待機時間設定はバッテリーの充電時間帯を曜日単位で設定。電気代の高い時間帯を避けた充電設定が可能となる。最大電流量設定では、家庭や事業所で電力会社との契約容量を超えないように充電することが可能。最大充電量設定では充電量の上限を80%~100%の間で設定でき、バッテリーの負担を抑え、性能劣化を抑制する。外部給電下限SOC設定は、ホンダ パワーサプライコネクターなどで電化製品を使用した際、あらかじめ設定した残充電量になると自動で給電を停止。給電による電気の使い過ぎを防ぐ。

また、先進の安全運転支援機能を全タイプに標準装備。軽商用バンとして初めてサイドカーテンエアバッグを運転席と助手席に標準装備する。

《纐纈敏也@DAYS》

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