革新的な排気システム? バルブ付きマフラーがスポーツカーを変える~カスタムHOW TO~

革新的な排気システム? バルブ付きマフラーがスポーツカーを変える~カスタムHOW TO~
革新的な排気システム? バルブ付きマフラーがスポーツカーを変える~カスタムHOW TO~全 1 枚

バルブ付きマフラー自体は昔からあれど、最近ではその方式も立ち位置も変わってきている。基本的にはバルブ全開で車検に通らなければいけないが、そうでない制御方法も登場している。

マフラーの音量を抑える役割のマフラー。静かにジェントルに乗りたいが、でももうちょっと音がして欲しいときもあるとか、サーキットでの全開時は抜けを良くしたいというニーズもある。

ターボ車ではとくにマフラーで大きく音量を絞った状態でハイブーストで全開にすると、排圧が高くなりタービンに負担が掛かる。できるだけ排気抵抗がない方がターボには優しい。しかし、普段乗りからその音量ではうるさいからとバッフルを付ける選択肢もあった。しかし、サーキットに行くたびにバッフルを外すとか、高速道路を走るときだけはバッフルを外すというのも手間。そこで生まれたのがバルブ付きマフラー。排気パイプの途中にバルブをつけることで、普段のバルブの大半を締めて排気抵抗を大きく、音を静かにしておく。いざというときはバルブを開いて走るというもの。

しかし、いくつか問題点があった。まずは車検。バルブを付けることは違法ではないが、もっとも音量を大きくした状態で車検に通らなければならなかった。そうなるとバルブが開いた状態でもそこそこの音量で、サーキットでしかバルブを開かないので、思いっきり抵抗が少なく、音量も大きくしたいというニーズには応えられなかった。

また、バルブを全開にしても、排気パイプ内には水平方向になったバルブが残っている。これが排気抵抗となり結局パワーがいまいち出ないとか、タービンに対する負担になっているという指摘もあった。開閉操作も室内まで物理的にワイヤーを引っ張ってきて、それを操作することでバルブ位置を調整する古典的な手法が多く、取り付けも大変だし、切り替え操作も手間が伴うものだった。そういった問題もあり、近年バルブ付きマフラーは減少傾向にあったが、最近は異なるバルブの使い方のマフラーが増えてきている。それがバルブを閉めているときは専用通路を通り、バルブを開くとその専用通路と閉めているときの通路の両方から排気するタイプ。

HKSのアバルト595マフラー「VIITS」の場合、通常のバルブが閉まった状態ではサイレンサー付きのセンターパイプを通って排気。一定の回転数になるとバルブが開いて、サイレンサー付きセンターパイプと、並行しているサイレンサーなしセンターパイプの両方から排気する仕組み。排気経路が2本になることで、片側もパイプ内にバルブが残っていても排気抵抗になりにくいのだ。

最近ではこういったバルブの使い方が増えていて、あらかじめサイレンサーを2つ用意しておいて、静音時は静かなサイレンサーを使う。バルブを開いたときにはもうひとつの抜け良い方のサイレンサーも併用することで、劇的に排気効率を減らし、スポーティなサウンドも得られるのだ。

基本的にこうしたマフラーもバルブを開いた時に車検に通らなければならない。2010年4月以降に生産されたクルマの場合は事前認証の取得が必要なので、バルブが開いた状態で加速騒音などが法規制に合致していることを事前にマフラーメーカー側で申請し、その許可を取得したものしか公道では使用できない。

だが、HKSのアバルト595マフラー「VIITS」の場合、バルブの開閉を車両側のOBDllコネクターに差したコントローラーがエンジン回転数に応じて自動でバルブを開閉している。ドライバー側で任意にバルブの開閉ができないので、その状態で加速騒音規制に合致して法規制をクリアしているのだ。

実際に乗ってみるとちょうどターボが機能して、エンジンに過給を始めるあたりの回転数でバルブが開いて音量がアップする。パワーが弾けるように高まるので、より楽しく走れる。そういった演出もバルブ付きマフラーならではのもので、バルブ付きだからこそできることでもある。純正でもバルブ付きマフラーが増えていて、その制御システムを流用したアフターパーツのマフラーも増えてきているのだ。

《加茂新》

加茂新

加茂新|チューニングカーライター チューニング雑誌を編集長含め丸15年製作して独立。その間、乗り継いたチューニングカーは、AE86(現在所有)/180SX/S15/SCP10/86前期/86後期/GR86(現在所有)/ZC33S(現在所有)。自分のカラダやフィーリング、使う用途に合わせてチューニングすることで、もっと乗りやすく楽しくなるカーライフの世界を紹介。

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